#今日も吹部は! 1巻 評論(ネタバレ注意) (original) (raw)
『シネマこんぷれっくす!』の「ビリー」先生がペンネームを「宮脇ビリー」先生に改めての新作。
花ちゃん可愛くて好きだったわー。
しばらく商業で見ない間は、『ウマ娘』の同人誌中心に活動されてたのはフォローしてるTwitterで見て知ってたんですが、
久しぶりの商業連載作品。出版社もKADOKAWAから小学館に。
『ウマ娘』同人、kindle化してくんねーかな。したら全部買うわ。
さて。
汐見 草太郎(高2♂)は、幼少期の頃から野球一筋、高1にしてエースとして弱小野球部を甲子園に導いた超高校級のピッチャーだったが、病気?怪我?でドクターストップがかかり、野球を引退。
『今日も吹部は!』1巻より(宮脇ビリー/小学館)
人生の意味を見失って校舎の屋上から飛び降りようとしていたところ、同級生の小松原ルーシー(高2♀)に割りとあっさり説得され、新たな夢を求めて彼女の所属する吹奏楽部に入部。
しかし吹奏楽部は、男女の痴情のもつれのドロドロで部活大崩壊の世代の卒業を経て、「熱血派」vs「ダラダラ派」vs「中立派」の三国志状態。
あんまり出番のないカテゴリータグ「三国志」が、こんなところで役に立つ?とはw
ギャルな見た目の割りに熱血系の部長のもと、部活の方針や生モノBL妄想のカップリングなどの揉め事で女子同士の殴り合いが絶えない他、頑張ったら負けだと思ってる副部長、部活内ストーカーで笛(リード)を舐めたがる変態の狂犬女、元ヤンの元キリングマシーン女、顔の良さを活かして部員の恋愛感情をコントロールしようとする倫理観死んだイケメンなど、ギスギスとカオス極まっておりコンクールどころではなかった。
『今日も吹部は!』1巻より(宮脇ビリー/小学館)
あと誘ってくれたルーシーも汐見に萌えてるだけの片想い系ストーカーで笛舐め系の変態だった。
元・努力系の野球エリートで新たな夢を求めて吹奏楽部に入部した汐見は、自然、友情・努力・勝利を目指して「熱血派」で三国を統一すべく、各勢力のキーパーソンへの説得と交渉を試みるが、吹奏楽部は派閥を問わず、一筋縄では行かない曲者ぞろいだった…
という、高校部活コメディ。
『今日も吹部は!』1巻より(宮脇ビリー/小学館)
テンポが良くてハイテンションな展開も前作譲りなら、「精緻な技巧派」ってわけでもないのに女の子が妙に可愛いのも前作譲り。
メインヒロインぽいルーシーが、『シネこん』花ちゃんに続いておっぱいデカくてスカート短かいダメダメ系で可愛いです。
各キャラがセリフかモノローグかで感情を正直に吐露する上に、揉めたらフルスイングで殴り合うテンションの高さもあって、ギスギスしてるわ「妖怪笛舐め」みたいなストーカーが複数いるわという人間関係にも関わらず、どこか爽やか…ではないな、陰湿さのないカラッとした…バカばっかりで読んでて楽しいです。
『今日も吹部は!』1巻より(宮脇ビリー/小学館)
『SLAM DUNK』などに代表される競技に青春をかける部活ものと、『ゆるキャン△』などに代表されるモラトリアム日常系部活もの、その両方を「足して2で割る」というよりは、「両方を同時進行しようとしてメンバー同士で大変揉める」というコメディ。
『SLAM DUNK』でゴリがチームメイト兼クラスメイトから
「お前とバスケするの、息苦しいよ」
と言われたシーンを思い出しますね。
『今日も吹部は!』1巻より(宮脇ビリー/小学館)
曲者揃いのギャグコメディ作品の建て付けですけど、「一部の強豪校」を除く、どこか生々しい「現実の部活あるある」漫画、という気もします。
「熱血青春部活もの」と「モラトリアム日常部活もの」、その両極端に対する「そんなに全員キレイに同じ方向を向けねーよ」というアンチテーゼというか。
「キラキラしてるだけ」「フワフワしてるだけ」なわけがない青春のイロイロ、というバランスの作品、最近増加傾向な気もしますね。
1巻ですけど、早くも「どう進行して、どう畳むんだろう、この漫画」と思ってしまいます。
『今日も吹部は!』1巻より(宮脇ビリー/小学館)
やる気派のギャル部長、「クソボケ」って口悪いけど、折れずに頑張ってほしいなあ。
意外と泣ける系の最終回を迎えそうな気もするのは、読んでるこっちの、ただの願望でしょうかw
ちなみに作者コメントによると、作者自身、高校時代「ダメ金吹部」だったんだそうです。