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2020年 03月 28日

街角美術館 坂東 史樹(ばんどう ふみき)制作『昼と夜の曖昧な境界線』

JR札幌駅東コンコースの西側の壁に、JRタワーARTBOXと呼ばれる展示設備があります。幅2m強×高さ1m強(おおよそです)のガラス張りのボックスです。

現在展示されている作品です。

第48回 坂東 史樹(ばんどう ふみき)制作『昼と夜の曖昧な境界線』

展示期間:2020年3月1日(日)~2020年5月31日(日)

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遠くから眺めると、「地球の夜明けかな、夕焼けかな」の印象ですが、近づいてみると、「ARTBOX」の中に、驚きの光景が広がります。思わず「えッ、こんなことになっているの!」と声を出してしまいました。コンコースを通行する人たちに聞えたかもしれない。しばらくの間、茫然と作品を視凝めていました。

制作者・坂東史樹の心象風景なのでしょう。金属で作られた、精巧なジオラマです。

ビルディングの連なる大きな街です。山があり、街を流れる川があります。

写真では表現できませんが、いくつかの高いビルの屋上から点滅する光や道路には外灯が見えます。札幌の街並みに似ている気もします。

作品の横に置かれていた詩のような作家コメントを引用します。

『昼と夜の曖昧な境界線』

(作家コメント)

心象上の太陽は一生に一度だけ暮れる。

後は長い夜の海の航海なのかもしれない。

一度きりしかない昼と夜と、その間(はざま)を思う。

自身の人生を振り返った時、意識が主観から客観へと移行する思春期を境に「太陽が沈んだ」と感じることが度々ありました。

思春期以前の思い出す風景は、太陽が空高く強く輝いていますが、意識が移行する過程で夕焼けから深い夜へと変化しました。

特に、移行期の美しい「心象上の夕暮れ」は、強く心に残っています。

それは、これから「夜の海の航海」へと旅立つ前触れであり、予感・恐れ・期待に満ちた瞬間ではなかったか、と思います。

坂東 史樹(ばんどう ふみき ( 現代美術作家)) (2020年3月現在)

■略歴

1963 年北海道浦河町生まれ

1988 年創形美術学校卒業

1995 年ユニバーシティ・オブ・ロンドン、ゴールドスミスカレッジ大学院卒業

一貫して意識/無意識のはざまでの微かな実存を問いかける作品を制作。

立体、平面、写真、インスタレーションなど、方法は多岐にわたる。

近年は、写真撮影のために始めた模型それ自体をインスタレーションの素材として使用し発表している。

この「ARTBOX」では、2009年5月から公募優秀作品を3か月ごとに順次展示しています。応募資格者は、北海道在住および出身の個人、グループです。

審査委員長・五十嵐威暢をはじめ、北海道を代表する現代美術家が審査を行います。

by hitoshi-kobayashi | 2020-03-28 08:00 |Comments(0)

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