2024 Japan AWS Top Engineersにインタビュー(4) サービス品質・顧客体験向上のため、今は自己研鑽の時 (original) (raw)

atlax 編集部

最後にご紹介するのは、第二弾に登場した藤原和樹と同じくNetworkingのカテゴリで初受賞した唐川大輝です。現在入社3年目、まだまだ技術や知識を深めている途中だという新進気鋭のエンジニアに、知識のインプットの方法や、ネットワーク担当者としての仕事のやりがいをインタビューしていきます!

Q1:これまでのキャリア、現在のご担当業務やAWSとの出会いを教えてください。

NRIが運用するプライベートクラウドであるNRIクラウドのネットワークサービスの中で、NRI のデータセンターとパブリッククラウドを閉域接続するサービスの強化と、部内のネットワークサービスのデジタル化活動を主に担当しており、昨年度からはAWS Outpostsの導入におけるネットワーク部分の設計構築にも携わっています。

もともとものづくりが好きで、大学時代は航空宇宙工学科で人工衛星を作ったりしていました。衛星を作る過程の中でもシステムのプログラミングに関心があり、そこから徐々にNRIの扱っているようなITの領域にも興味が湧きIT業界に進みました。

AWSに初めて触れたのは、NRIのインターンシップに参加した時です。業務内容を紹介していただいた際に、AWSの画面を見せていただきました。本格的にAWSを使うようになったのは、入社して現在のチームに配属されてからです。NRIがデリバリーパートナーとして提供しているAWS Direct Connectなど、サービスに触れながら日々勉強しています。

きっかけは上司や先輩社員の存在です。以前から応募してみるように上司に勧められていましたが、AWS Outpostsの案件に携わったことを機に応募を決意しました。このインタビューシリーズでも紹介されていた藤原さんは私の先輩で、今回同じ部署から2名受賞となりました。

受賞にあたり評価された活動としては案件対応が大きいと思います。通常のDirect Connectの接続対応に加えて、東京の拠点で障害が発生したら大阪の拠点を利用するというDirect Connectを利用した東阪構成の相談対応などを行ったことが評価されたのでしょう。
また、AWS Outpostsに関する調査活動も高く評価されたと考えています。AWSの方ともコミュニケーションを取りながら、Outpostsのネットワーク部分の仕様や、Outpostsのリソースを使用した際のネットワークの消費帯域などを調査し、実際に導入した場合の有効性や今後NRIのサービスに組み込めるかどうかについて検証を行いました。調査結果はR&Dの一環として社内にも共有しています。

Q3:IT技術が進化し続ける中で新技術のインプットや自身のスキルアップのために努力していることは何ですか?また、そうして学んだ技術をどのように業務に活かしていきたいですか?

主に5つの方法で最新情報や知識をインプットしています。

1つめは各パブリッククラウドの社内コミュニティへの参加です。社内勉強会に参加したり、AWSやAzureといったパブリッククラウドの社内のオープンチャンネルに登録し発信される情報を追ったりしています。2つめは書籍でのインプットで、気になった技術書があれば手に取って読むようにしています。

3つめはチーム内での情報共有です。クラウドのネットワークに関するアップデートを週次で確認する場を藤原さんが設けてくださり、チーム全員で最新の情報にキャッチアップしています。インタビューにもあったように、藤原さんはパブリッククラウドのアップデート情報に敏感で自ら情報発信もされています。私はまだ公の場でのアウトプットはあまりできていませんが、そんな先輩方の姿を見ているので、いずれは自分も情報発信したいと思います。

4つめはイベントへの参加です。入社1,2年目は資格取得がインプットの方法のメインでしたが、3年目の今はイベントにも積極的に参加するように心がけています。6月のAWS Summit Japanにも参加し、それまでリモートでしかお話ししたことのなかったAWSのネットワーク担当者とも初めてオフラインでお会いすることができました。今回Japan AWS Top Engineersを受賞したことで社外のイベントに参加する機会も増えると思うので、今後は社外の方との交流も深めていきたいです。

5つめは資格取得です。資格の取得もスキルアップの方法のひとつと考えています。
最近では、アジャイル開発の手法の一種であるスクラム開発に関する研修を受け、資格を取得しました。研修では、スクラムはどういうものなのか、スクラム開発はどう進めていくのが良いか、を学びました。
スクラムの資格取得に至ったのは、アプリ開発の技術リードを担当する中でプロジェクト進行がうまくいかなかった経験からです。アジャイル開発ではユーザにとって価値の高いものを優先的に作っていくのですが、それがあまり実行できていないなと感じていました。その課題感からスクラムの研修を受けて、現在は学んだことをチームに還元できるように意識しながら業務に取り組んでいます。

資格を取得する時は、実際に案件の中で「プロジェクトをスムーズに進めたい」「この知識があれば便利だな」といった思いがきっかけになることが多く、業務に活かすことを前提に勉強しています。次はAWSのセキュリティに関する資格を取ろうと思っているのですが、そう思ったのも、業務内でクラウドのアカウント管理のセキュリティ対応についてやるべきことや知っておくべきことが多いと感じたからです。

資格の種類によっては、業務をこなすだけでは得られない基礎的な知識も身に着けられます。例えば、応用情報技術者試験やネットワークスペシャリストといった資格の勉強をすることで、ネットワークの分野について網羅的に学べます。基礎を身に着けることで、周りの人が話している内容についていけないということもなくなるので、よりスムーズに業務を進めることができます。

スキルや知識をインプットしたら、現在所属しているチームやグループの抱える課題や、自分が主導している業務に活かしていきたいです。検証した結果活用は難しいという結論に至る場合もありますが、試行錯誤しながら課題解決や業務効率化といった変革に繋げていければいいなと思います。

Q4:現在のやりがい、一方で感じている課題などもお聞かせください。

サービスの強化やネットワークのデジタル化を進めるとサービスの運用が効率化され、運用が効率化されると品質が向上し、顧客体験の価値も向上していきます。そうした価値の向上に寄与できていることに大きなやりがいを感じています。

ネットワークに関わる業務自体の面白さもやりがいのひとつです。ネットワークの構築には機器をラックに収めるというような物理的な作業も伴うので、ものづくりが好きな私には向いていると思います。自分で手を動かして構築したネットワークがうまく稼働した時はやはり嬉しいですね。

課題は、クラウドの目まぐるしい変化に応じてサービスをアップデートしていくことです。クラウドベンダー側もさまざまなアップデートや新サービスを展開していく中で、NRIが提供するサービスと価値をより良いものにアップデートしていくのが難しいところです。常に時流の影響を受けているわけではありませんが、ネットワークは定期的に更改のタイミングがあるので、更改によってシステムをより良いものにするためその都度話し合いながら進めています。

Q5:今後、エンジニアとして実現したい夢や目標はありますか?

個人的には、現在担当している業務領域についてのスキルや知識を深めていきたいなと思っています。ネットワークの設計構築のスキルについてはまだまだ学ぶべきことがたくさんあります。サービスの強化や運用効率化、デジタル化を進めていくのは先の長い話ですが、個人でもスキルアップしながら目の前の業務をこなしていくことが、最終的にはNRIとして提供するサービスの品質と顧客体験の向上にも繋がると信じています。そのために現在は技術領域の知見をインプットしている段階です。

今回Japan AWS Top Engineersに選出されたことで、社外コミュニティへの参加のチャンスが増えることに期待しています。社外の優秀な方々と関わるようになれば有益な情報も集まってきますし、自分自身の意識もどんどん引き上げられていくと思います。既にイベントや懇親会の案内も来ているので、積極的に参加して人脈を広げていきたいです。

また、社内でも仕事を任せていただけるきっかけになっています。12月にラスベガスで開催されるAWS re:Inventに行ってみないかと声をかけていただいているので、まずはそれが楽しみです。今後も、AWS Top Engineersという肩書きによって仕事を任せていただけることも増えると思うので、より一層気を引き締めて業務にあたりたいと思います。

Q6:atlaxブログの読者やNRIのお客様にメッセージがあれば、最後にお願いします。

ネットワークは「動いていて当たり前」という前提があります。サービスの品質向上のため技術のキャッチアップにも挑戦しながら、お客様に安心・安全な環境を提供するため今後も努めていくので、ぜひNRIにご相談ください。

取材を終えて

仕事の中で自分に必要なスキルや欲しい知識を見つけて研修や資格試験を受けるというインプットへの貪欲な姿勢に、若手社員らしい意欲の高さを感じるインタビューでした。本人の意欲の高さに加えて、若手社員でも特殊な案件や新技術の調査にチャレンジできる環境が、AWS Top Engineersの選出に繋がっているのだとわかりました。

前回までにインタビューした3名は知識のインプットでは終わらず、イベントや社内勉強会でアウトプットする立場へ一歩進んでおり、その過程には、現在の唐川のように柔軟にインプットする時期があったのでしょう。彼らのように、唐川も社内外のコミュニティで発表する側に立ち活躍する日が来るのが楽しみです。

4名のエンジニアへのインタビューを行い、それぞれが抱く強い信念と未来への展望を深くまで聞くことができました。「お客様に貢献したい」という思いは共通していながら、そのための手段と活動は人それぞれです。あらゆる技術と個性を持ったエンジニアが集まり、それぞれの担当分野でお客様のビジネスを支えようと日夜努力していることが、今回のインタビューを通じて読者の皆様やNRIのお客様に伝わっていれば幸いです。
今後もatlax blogでは、使命感を持ち活動するNRIメンバーの思いに深く迫るブログを発信してきます!

お問い合わせ

atlax では、ソリューション・サービス全般に関するご相談やお問い合わせを承っております。

関連リンク・トピックス

・atlax / クラウドの取り組み / AWS(Amazon Web Services)

・2024/06/24 「2024 Japan AWS Ambassadors」および「2024 Japan AWS Top Engineers」に、NRI社員が選出されました ~ 併せて「2024 Japan AWS Jr. Champions」や「2024 Japan AWS All Certifications Engineers」も発表 ~

・2024/09/02 「2024 AWS Ambassador 選出メンバーに対談インタビュー!」

※ 記載された会社名 および ロゴ、製品名などは、該当する各社の登録商標または商標です。
※ アマゾン ウェブ サービス、Amazon Web Services、AWS および ロゴは、米国その他の諸国における、Amazon.com, Inc.またはその関連会社の商標です。
※ Microsoft、Azure は、米国 Microsoft Corporation の米国およびその他の国における登録商標または商標です。
※ Google Cloud、Looker、BigQuery および Chromebook は、Google LLC の商標です。
※ Oracle、Java、MySQL および NetSuite は、Oracle Corporation、その子会社および関連会社の米国およびその他の国における登録商標です。NetSuite は、クラウド・コンピューティングの新時代を切り開いたクラウド・カンパニーです。