交通インフラと旅行(山、温泉) (original) (raw)

8月半ばに2泊3日で、北八ヶ岳天狗岳(標高2646m)を含めた、温泉旅行並びに山行をしてきました。1日めは、まず赤石温泉(山梨県富士川町)に日帰り入浴で寄って、噂になっていた「混浴露天が混浴でなくなった」を実地で調べつつ、入浴してきました。噂は真実で、露天風呂は入口のところで完全に男女別に分けられていました。メインの4つの浴槽は全て男性区画。男女別になっていた脱衣所は敷居を取っ払って男性専用脱衣所になり、新たにシャワールームが併設されました。女性専用区画は、かつて混浴露天の時からあった女性専用露天区画がそのままあてがわれており、女性はその区画の中で脱衣するようです。そちら方面にあったシャワーを男性は使えなくなったことから、新たにシャワールームを設けたのでしょう。

赤石温泉のキャンプ場と(元)混浴露天(今は別浴)の入口

なぜこのようになったのか?は、読者の皆様のご想像におまかせします。

次に私は車を走らせ、清里も野辺山も立ち寄らずに突破して、佐久から高速道路に入りました。目的地は馬曲(まぐせ)温泉です。豊田飯山ICで降りて信濃川を渡って木島平に入り、木島平スキー場に向かう道を左に曲がって坂道を駆け上がり、馬曲温泉に達しました。男女別の内湯はやや狭く、多客期にこなせるか心配になりましたが、いったん外に出て下ったところにある露天風呂は、テレビ番組などで紹介されている通り良い眺め(彼方の木島平スキー場のロッジと向かい合う)の広々とした湯でした。男女別に隔てる土手があり、男女のカップルは残念ながら坂道に入るところで左右にわかれなければなりません。1990年代に刊行された、嵐山光三郎さん著の秘湯紹介本では、上のほうから男湯を写した写真があって、男女間の仕切りが不完全のように写っていましたが、今は完全な仕切りとなっていて、ドアがありますが、当然、鍵がかかっているのでしょうね。確かめませんでしたが。お湯はぬるめで透明、じっくりと体を温めてくれました。この施設を出て木島平のところに戻ると、かつて木島平駅があったのだろうなあ、と感じさせる街路・交差点の造りになっていました。

馬曲温泉、望郷の湯の露天風呂に下る坂道が始まるところ 木島平スキー場を望む

昨年夏は、北陸新幹線飯山線を経由しての列車の旅で泊まったビジネスホテル、ノーブル飯山に今回も泊まりました。駐車場が広いので、駐車スペースの心配が不要です。夕食を取りに出かけて、車窓から見て感じたことは、飯山駅北飯山駅の間に位置する、シャッター街と形容すべき旧市街と、それより長野市側のロードサイドショップ・レストラン街の興隆です。アメリカ合衆国のように車で移動する街となっていました。

翌日は上田駅まで走って息子と合流。そこから本沢温泉の登山口にある駐車場まで行きました。この駐車場から本沢温泉まで標高差は600メートルほどありますが、単調な登りであることと、最後まで林道(?)と感じさせる1メートル程度の道幅、傾斜もきつくないことから、楽な登りで、それほどの標高差を感じませんでした。途中まで車で上がって何台か停めるスペースもありますが、車にとっては悪路であることと、対向車と出会ったらすれ違いスペースが無く難儀するのが確実なので、正規駐車場に停めることをお薦めします。本沢温泉まで登り路1時間30分くらい、下り道1時間15分程度です。途中、本沢の渓谷側に崩壊している箇所があり、木や鉄製の小橋がかかっているので、それを通って通過するところがあります。転落の危険もあるので要注意です。

本沢温泉旅館は、秘湯を守る会の会員宿で、宿泊するとスタンプ帳にスタンプをもらえます。宿泊料やビールなど追加オーダー代金は前払いです。山奥なので、刺身等の、他の会員宿で提供するようなメニューは期待できませんが、山小屋として考えれば、第一級の設備、食事、サービスです。男女別の内湯(石鹸、シャンプー不可)は浴槽の蓋をはずして入り、入浴後は蓋をすることになっています。お湯はほどよい硫黄分のこってりとした湯で、来て良かったなと感じさせてくれます。著名な露天風呂へは山道を10分ほど行きます。危険な箇所もありますので、サンダルではなく登山靴で行ったほうがいい。宿を出て登りはじめ、天狗岳山頂に分かれるところを直進して進み、夏沢峠・硫黄岳方面への山道と別れて斜面を下り、到達します。けっこうな斜面に築かれた露天風呂であり(この風呂を写した過去の色々な写真では斜度が感じられません)、脱衣所もありません。私が行ったときは無風でしたが、風のある日には衣服が吹き飛ばされない対策が必要でしょう。でも、荒々しい硫黄岳から流れ落ちる本沢の流れをながめながらの入浴は、いつまでもずっと浸かっていたい気にさせました。私が入浴していた時間帯には男性だけ、多いときは八人くらい(ぎりぎり)がお湯につかり、残念ながら女性客とは出会いませんでしたが、なんと松本駅からテントをかついではるばる歩いて来た方とか、温泉、山談義に花が咲きました。

本沢温泉の露天風呂 写真ではカットされていますが、沢の奥の硫黄岳の荒々しい山稜には圧倒されます

翌日、朝食後、露天風呂にもう一度行って朝風呂。宿を出てからは、天狗岳には登らず、まっすぐに本沢口駐車場へと下山しました。佐久地区の道の駅で地元の野菜を買い求め(買いそびれた米は、後で群馬県の道の駅八ッ場ふるさと館で買いました)、中軽井沢では数少ない裏道を通ってなんとか深刻な渋滞を回避し、あとは鬼押出しをすいすい抜けて、万座鹿沢口経由で万座温泉に達しました。この日、中軽井沢を過ぎてからは何度も豪雨に見舞われましたが、万座温泉から草津にかけてはきわめて視界が良好なベストドライブでした。この日に日帰り入浴した施設は、万座温泉の豊国館、尻焼温泉、大塚温泉金井旅館です。どれも混浴可能な露天風呂(金井旅館は古い内湯も)があります、尻焼温泉(河原)は、水着で入浴するファミリーがほとんどで、男数人が頑固に全裸(河原ではタオルで下半身を隠すように指導されているとのこと)で入浴していました。金井旅館は「通」の方々でにぎわっていましたが、詳細の報告は割愛します。夕暮れ時となり、豪雨の中をロマンチック街道を抜け(途中、あの津川雅彦ロックハート城も初めて目にして)、沼田ICで関越道に入って(その頃には雨はあがっていた)帰京しました。

私は学生時代に、鳩待峠~尾瀬ヶ原~燧ケ岳~御池~会津駒ケ岳~桧枝岐 という長い山行をしたことがあります。先週、天気の良い日を見計らって、燧ケ岳よりはやや低い帝釈山(それでも2000mを超えています)と風光明媚な田代山に2日がかりで登頂し、その間に木賊温泉、井筒屋に一泊するプランを実行しました。これら2つの山は尾根でつながっておりますので、1日で制覇することも可能ですが、2つの登山口に車の手配をできる場合は別として、猿倉南登山口>田代山帝釈山田代山>猿倉南登山口 の行程は結構時間を要しますので、桧枝岐から入る馬坂峠の駐車場から歩いてわずかに45分の帝釈山というイージーな行程にして、二つの山を二日に分けることにしたのです。

馬坂峠からイージーな登山といっても、その峠に車で到達するのは、急勾配、あい路の連続する未舗装道路(岩の露呈多し)のため大変でした。4WD必須のルートと言えましょう。なお、湯の花温泉~猿倉南のルートも同様ですが、桧枝岐~馬坂峠と比べると、多少楽かな?という気がします。どちらのルートも栃木県側は水害による崩落から復旧していなくて、現時点では不通になっています。

帝釈山の山頂から望む日光白根山の山頂部(一番奥)

帝釈山の山頂からの眺望(那須、高原山、女峰山、太郎山と男体山の重なり、日光白根山、燧ケ岳、平ケ岳、会津駒ケ岳、などなど)は、お見事。もちろん天候に恵まれた幸運のなせるわざですが。一方、田代山の平たい山頂に広がる湿原を木道を歩いて一周(反時計回りの一方通行)するのも素晴らしい体験で、ぜひまた再登頂したいという氣を起こさせる山々でした。

田代山頂の平原。木道だけが登山者に許された場所。それ以外は見るだけ・・・

宿のほうは、最初、湯の花温泉の末廣旅館に電話をしたのですが、やむをえない事情で休館中。今のところ再開の見通しを言えない状態だそうで、残念です。そこで木賊の井筒屋に電話をして予約しました。木賊温泉湯の花温泉も、共同湯は二年前に日帰りで利用したことがありますが、宿泊は今回が初めてです。

bernardtezzler.hatenablog.com

井筒屋さんは長い伝統を誇る名旅館で、日本秘湯を守る会の会員宿です。木賊温泉共同浴場(混浴)の湯小屋から間近に見えますので、そういった意味でも秘湯ファンに知られた宿と言えます。数年前の洪水で、歴史ある共同浴場が流された時に(約二年をかけて復旧。浄財が寄せられました)、井筒屋さんの浴室も流され、約一年休業を余儀なくされたそうです。

井筒屋旅館の浴室

復旧前は男湯、女湯に分かれていましたが、今は浴室はひとつです。2つにするとどちらかを加温しなければならなくて燃料代負担が大変というのが理由だそうです。私が泊まった日は宿泊客は私一人だったので入り放題でした。複数のグループが同じ日に宿泊する時は、恐らく交代制、貸切にしているのだと思います。とにかく、共同湯に負けず劣らずの素晴らしい感触の名湯でした。

2日めの田代山登頂から下山後には、湯の花の共同湯のうち石湯に入ってみました(ラーメン屋さんは休業日で、蕎麦屋さんで入浴券300円を購入しました)。ところが石湯(独泉状態)の湯は熱すぎてとても浸かっていられません。水と混ぜて体にかけるこらいで済ませました。その後、道の駅たじまで地元の野菜を購入し、川治温泉の薬師の湯で締めの入浴をして帰宅しました。薬師の湯は、湯の温度が低いという理由で、その日は無料で開放していました。低いほうが薬師の湯小屋の湯に長時間浸かって登山の疲れを癒すのにちょうど良かったです。

なお、なお、私の先月(6月)の登山・温泉は・・福島県塙町の湯岐温泉(これで10回目くらいかな?)の和泉屋さんに一泊と、学生時代の登山仲間と一緒に、奈良井宿(外人客が猛烈に多い)に泊まったあと中央アルプスの経ヶ岳(標高2296m)に登山、下山後は「みはらしの湯」(露天風呂から、甲斐駒ヶ岳仙丈ケ岳などなどの南アルプス雄大な眺望)に浸かって高速バスで帰京という2つのイベントで充実した月日を送っております。

昨年の今頃、都民の森(武蔵五日市から秋川、さらに上流の南秋川の渓谷を一目散に走り、檜原村奥多摩町の境界の峠に近づいたあたり)に車を停めて三頭山(東峰1527.5m、中央峰1531m、西峰1524.5mの三峰で構成)登頂を目指しましたが、途中から雨が降り出し、あきらめて途中下山しました。

今回はその雪辱で、三頭山を未踏山でなくする意味をこめて登りました。都民の森は、さすがに東京都の資金が投入されていることもあり、よく整備された登山道、散策道、施設(体験施設、軽食など)があります。ハイカーに根強い人気があるためでしょう。こんな僻地の山中にしては、武蔵五日市駅からのバスの本数は多いです。数馬の温泉旅館がある一帯までは約1時間おきにバスが来ています。平地が全くといっていいほどなく、人口が少ない地域ですので、交通インフラの維持については、まさにハイカー、登山者様様でしょう。私は今回車で行きましたが、車の他、バイク、自転車のツーリングも多数見かけました。

1500m級の山に上り90分、下り70分で周遊可能なのは、なんといっても都民の森の駐車場の標高が約1000mと高いことのおかげです。展望が特に良いのは西峰で、下記の富士山の写真が示す通りです。「ブナの路」と名付けられた道が2つ(1:鞘口(さいくち)峠から見晴らし小屋経由で東峰に続く稜線 2:西峰から南に下りたムシカリ峠から東側に落ちる沢沿い)あります。そのほか多数のルートがあります。私は1経由で登り、2経由で下山しました。これが最短ルートと思われます。ただし2は、何度も渡渉を繰り返しますので(平たい敷石づたいに。つまり沢の左岸、右岸、左岸・・を繰り返す)、増水している時は2は避けたほうが良いと思います。

三頭山の西峰から望む富士山

最高峰の中央峰の展望は良くありません。中央峰と東峰の間の鞍部は浅く、2つの峰が同一のような感じがしました。

昨年は「たから荘」に一泊しましたが、今回は日帰りなので「数馬の湯」で一汗流して帰りました。大人の料金980円です。男湯の構成は、内湯3槽、露天2槽(壺、平たい)、サウナとなっていました。軽食を提供するレストランも付設していました。ここも登山者に人気の施設のようです。

数馬の湯入口

神奈川県の大山(おおやま)には、伊勢原駅からバス、ケーブルカーに乗車、そこから登山したことがありました。先週、ヤビツ峠の駐車場に車を置いて、そこから登山しました。山頂まで1時間5分で、コースタイムより5分短く登頂。下りは岩場やクサリ場を慎重にくだったこともあり、コースタイムを切ることはできませんでした。

大山山頂 阿夫利神社本社に参拝

ヤビツ峠に戻ってから、初めて運転する区間ヤビツ峠>宮ケ瀬湖)を走行。1車線しかない箇所が多く、対向車両が来てバック運転もありましたが、今乗っている車はバードビュー機能・バックカメラ搭載4WDなので、それほど難儀なく走破できました。道の駅「清川」で地元の銘酒を買い、最後は温泉で一汗! 七沢温泉別所温泉、飯山温泉、広沢寺温泉・・と、このあたり(清川村厚木市の境界)には色々あります。結局、かぶと湯温泉の山水楼

かぶと湯温泉(山水楼)

に入浴しました。日帰り入浴1400円です。平日でもあり独泉。内湯と(小川を見下ろす)半露天が併設。内湯は源泉かけ流しのため、よく混ぜないと表層が熱い、いい湯でした。七沢温泉はウン十年前に入浴したことがありますが、遠い彼方の記憶です。

日本秘湯を守る会の会員宿であり、川端康成伊豆の踊子』の舞台としても著名な旅館、福田家さん。ここに初めて宿泊し、さらに周辺の河津七滝(ななたる)の大滝(おおたる)の露天(初訪問)や金谷旅館(伊豆急蓮台寺駅近く。河内温泉)の千人風呂再訪もして参りました。

福田家は、橋を渡った先にあります

福田家の浴室は、昔からの著名な榧(かや)風呂(下記リンク先のページの一番下の写真。脱衣所から階段を下って)と、

秘湯温泉 - 福田家

もうひとつの(比較的新しい)離れの内湯(岩風呂)+露天があります。下記の写真の時間割記載でよく分かるように、どちらも貸切利用時間がとても長く設定されています。貸切利用の時は(予約制ではないので)、それぞれのグループが入浴する際に、脱衣所や離れへの出入り口に貸切入浴中という札を吊るすシステムです。私は家内と二人で宿泊しましたので、貸切混浴をしました(^^!)

榧(かや)風呂の脱衣所扉のところにある時間割

もうひとつの内湯+露天風呂の入口に掲示されている時間割

資料コーナーには、とても興味深い資料がいっぱい。

福田家の建屋の一角にある、川端康成伊豆の踊子』資料コーナー(映画化の記録など)

なお、福田家からみて対岸(バス通り側)にある、湯ケ野温泉の共同浴場は、かつては福田家の宿泊客も入浴できましたが、今は新型コロナの影響もあり、残念ながら地元の方々のみに開放されているそうです。

天城荘が管理している露天(写真左下)と脱衣所、大滝を下り道(チェックポイント手前)から見下ろした光景

福田家は伊豆急河津駅から東海バスで15分くらい(湯ケ野バス停)。逆方向、修善寺駅から天城越えでも来れます。湯ケ野からバスで7~8分、修善寺方向に進み、ループ橋でいったん七滝方向に行くと、最初の滝、大滝への下り口(天城荘の脇)があります。天城荘は数年前の火事の影響で宿泊はできず、再建工事たけなわでした。一方、下り道をほとんど下りつくして谷底のちょっと上まで到達すると、天城荘が管理する瀧見露天のチェックポイントがありました。ここで料金を払って谷底まで下りるようなのですが、あいにく、私が訪れた日は水曜日で休業中。露天風呂を清掃する係員の方の姿が上から見えました。滝は、前日の大雨の影響でものすごい水量。大迫力でした。このように観光客から丸見えの露天ですので、水着着用必須(写真にも写っている木造の脱衣小屋(男女別)で着替える)になっています。

金谷旅館には、福田屋宿泊日と翌日の二回行って、著名な千人風呂に入浴しました。私が到着した時、外国人ファミリーがちょうど入浴を終えたところでした。また、例の鍵を持って、女湯から男湯(千人風呂)に移動してこられたタオル巻きの女性もおられました。なお、金谷旅館のすぐ近くで、下田市役所の新庁舎建設が始まっていました。恐らく、津波リスクを回避する意味もあり、下田の中心街から蓮台寺駅近くに移転してくるのだと思います。いずれにせよ、移転後は、市役所来庁者がついでに入浴していくといった形で、金谷旅館はますます繁盛していくと思います。

1月2月は東京都の高尾山周辺(草戸山、津久井湖城山湖大垂水峠)を歩き、下山後は高尾山口で京王が経営する高尾山温泉

www.takaosan-onsen.jp

で入浴しました。

3月は遠出をして、「露天風呂番付 西の横綱湯原温泉の砂湯まで行って入浴しました。初訪問です。登山は別の日に・・・・

ここは、岡山県北部の鳥取県との県境に近い場所にあり、東京方面からのアクセスは、米子空港行きのエア便で行き、空港でレンタカーを借りて・・・が最も便利です。私は今回、岡山駅東口のバスターミナルで中鉄バスの勝山行き(JR姫新線中国勝山駅)行きに乗車し、終点で真庭市コミュニティバス蒜山行き)に乗り換えて湯原温泉に到着しました。なお、中鉄バスのこの路線、往復切符を購入したほうが断然お得ですのでお忘れなく。コミュニティバス料金は、どこまで乗っても200円なので、無茶苦茶お得です。

今回、泊まった宿は「花やしき」さん。内湯は3階に男湯、4階に女湯があり、こじんまりとしてはいますが、中々清冽な良い湯でした。屋上に露天風呂があり、貸切制(1部屋に対して1時間の割り当て)です。

花やしき」の入口

さて、最大のお目当て、公共の露天風呂「砂湯」です。宿からは上流に向かって5分強の歩き。まず、砂湯の対岸にある旅館に渡る橋。橋を渡らずに直進すれば、砂湯の入口です。この先、ダムに向かって遊歩道を歩き、砂湯に到達しました。

砂湯はダムの手前にあります

砂湯には「美人の湯」「長寿の湯」「子宝の湯」という3つの露天風呂があります。「長寿の湯」は独立。他の2つは繋がっており、石橋の下をくぐって、湯につかったまま移動もできます。湯の温度には差があるため、温湯のところで長時間つかったままになることも可能です。

着衣の観光客が何の制限もなく入っていける場所ですので、着衣の人に裸を見られることに抵抗のある方々には全くおすすめできません。「下半身を隠そう」と書かれた大きな表示板があります。また、脱衣所には、男性は腰巻き、女性は胸部から下をタオル巻きするスタイルを「おすすめ」する説明書きもありました。強制ではないようです。男性入浴客の多くはそういった推奨を無視。わずかにパンツ着用入浴の方もおられましたが、男性用脱衣所は完全丸見えなので、パンツを着用する際にはお尻丸見えですね。女性客はカップルで入浴した3名の方々を(長時間の入浴によって)確認しました。厚手の湯あみ着1名、タオル巻き2名でした。女子用脱衣所につきましては、勇気のある女性が丸見え状態で脱衣することもできますが、その3名の方々はいずれも、カーテンで仕切られたスペースで脱衣をされていました。(監視カメラがあって、3つの湯と、女子脱衣所入口を常時監視しています)

ともあれ、オリオン座もくっきり見える夜空の下、ダムを眺めながら湯につかるのは得難い経験です(上記の写真は翌朝撮影。雨模様でした)

対岸の旅館からも、当然砂湯は丸見えなのですが、一方、その旅館の屋上の貸し切り露天風呂の柵はなぜか透明。女子の方がうっかり湯あみ着着用を忘れると、逆に砂湯から見られてしまいますので、ご用心。

なお、砂湯は24時間運用、入浴料無料です。水曜日の朝は清掃のため利用不可の模様。無料ということで大勢の男性客が代わる代わる入浴に訪れていました。効能としては表示板に色々書かれていますが、私としては脚の爪の変色が退色する効果が確認できました。

温泉の先達がお書きになったルポ記事は枚挙に暇がないと思います。例えば、下記を紹介いたします。

https://4travel.jp/dm_shisetsu/11330752

「ビジネスホテル平戸」に泊まり、翌日は、たびら平戸口駅まで西肥バスで戻って、松浦鉄道伊万里行きに乗車。鉄道ファンには著名な木々のトンネル(沿線樹木の剪定基準がJRと異なるためでしょうか?)をいくつも潜り抜けます。松浦の火力発電所や魚市場(アジ・サバの水揚げ高日本一を誇っていました)の脇を通り、やがて伊万里駅に着きました。

伊万里駅国鉄時代には広大なヤードのある大きな駅でしたが、松浦線第三セクター化に伴い、JR筑肥線の駅と完全に分離され、かつての駅中心部を幹線道路が貫いています。2つの駅舎を行き交うには道路の上の横断橋経由となり、2つの駅舎のそれぞれに二階に上がるための階段・エレベータが設置されている。

伊万里駅の駅舎 左(東側)がJR筑肥線、右(西側)が松浦鉄道

松浦鉄道の駅の二階には、「伊万里・鍋島ギャラリー」(入場無料)があり、「鍋島・古伊万里展~青磁・染付・色絵の世界~」が開催されていました。伊万里の滞在時間が少ない観光客にとっては重宝。伊万里駅から北に昔の伊万里港に向かって歩くと、橋の欄干などに古伊万里を模した大きな焼き物オブジェが多数ありました。もちろん「模した」現代の作品ではありますが、それでもかなり高価と思われます。屋外・道路脇という破損恐れにある場所に設置した地元行政有志の方々の「気前の良さ」がしのばれます。

伊万里市内の相生橋

相生橋のたもとの定食屋さんで昼食をとった後、再び松浦鉄道列車に乗り、有田へと向かいました。この区間玄海に流れ込む水系と有明海に流れ込む水系との分水嶺を通過しているのですが、ほぼ平坦で、列車の車窓から確認するのが難しかった。途中に蔵宿(ぞうしゅく)という駅があり、もちろん今では無人駅ですが、古い木造駅舎をレストランとして活用。ホームにもオープン席がある、従って列車を見ながら食事できるとあって、平日の昼過ぎなのに大勢の客(若い友人、ファミリーが多い)で賑わっていました。

有田駅に着いたら、なにしろ初めて訪れた場所で(日本中あるいは世界中に知れ渡った地名ですが)、とにかくタクシーに乗ってみたら、駅からみて南方の丘にある「佐賀県立九州陶磁文化館」を勧められました。それは大きな陶磁博物館で様々なコンセプトの展示があり、しかも入場無料。雰囲気のよい喫茶コーナーがあり、そこでは陶磁器の販売もしています。

この文化館から歩いて有田駅に戻ってもさほど遠くはありません。駅前のKILN ARITA(観光案内所)で聞くと、様々な窯元・陶磁器屋さんに立ち寄りながら歩くのに最適なのは、やはり有田駅から上有田駅にわたって街道筋に続く内山地区とのこと。この地区のスポットはかなり長い距離に渡っているし、有田駅からもっと離れた場所にも色々なスポット(例えば春の有田焼祭りの時だけ入れる泉山磁石場などなど)が点在しているので陶磁器スポット巡りにはレンタカーが好適とのことでした。この案内所にはレンタカー業務の受付もあります。

さて、最後の行程は、有田駅から佐世保線列車、早岐駅大村線列車に乗り換え、大村駅長崎県営バスに乗って長崎空港です。佐世保線普通列車は、無人駅ではバスのように運転手が料金収受、切符チェックを行いますが、大村線では無人駅でも全てのドアが開き、そこで降車する客はICカードJR九州専用。SUICAは使えない)をタッチするか、乗車券を駅改札の収受箱に投入を案内されます。大村駅ですら、私が出場した夕刻は駅員不在でした。これでキセル防止ができるのが多少疑問ではありました。大村線の新型ハイブリッド車輛のシートは豪華なデザイン。しかも(恐らくその長さでは日本の鉄道路線随一と思われる)波打ち際区間から見る大村湾の夕暮れの光景は忘れがたいほどの美しさがありました。これだけ豪華な車内なのに大村市内の高校最寄り駅までは、ひとつの車両あたり2、3人ほどの乗客しかおりませんでした。

長崎県営バス諫早駅大村駅長崎空港)も西肥バスと同様、SUICAによる支払いOK。長崎空港で帰京便を待つ間に寄った寿司屋のちらし寿司はネタのボリュームがあり鮮度も良く食べ応えがありました。

JR大村線ハイブリッド車両車内