中国(南昌・上海)の旅 (original) (raw)

2024/06/16-21

日曜のお昼前に北海道から羽田に戻り、自宅には昼過ぎに着いた。

コンビニで買ったおにぎりの簡単な昼食を食べ、北海道旅行前に準備しておいた荷物を再確認。2時過ぎに家を出て武蔵浦和からバスに乗って再び羽田へ向かう。

日曜午後のバスは乗客も少なく、2/3くらいはANAの第二ターミナルで、残り1/3くらいがJALの第一ターミナルで降り、第三ターミナルまで向かったのは当方一人。出発ロビーもこれから海外に旅立つ人々が醸し出す華やいだ雰囲気は少なく、落ち着いた感じだ。

ラウンジで定番のJALカレーとビールを頂いてから搭乗。今回予約した時のチケットはなぜかエコノミーよりもビジネスの方が安かったので、当然ビジネスを購入。すると帰路もエコノミーを買ったにもかかわらず、プレミアムエコノミーの席が割り当てられた。飛行機の運賃ってホントわからない。まぁ良い席をもらえたのでOKなのだが…

初めて乗る787のビジネスクラスのシートは、斜めに配置されたユニークなもの。個室感が強く、広々として快適だ。フットレストにゆったり足を乗せて食事ができる。

定番のJALカレーを食って搭乗、ディナーは時間が短くせわしない感じ

ただ上海までの短いフライトでは席の良さを味わう時間が短く、離着陸時の基本ポジション+車のような3点式シートベルトに収まっていなければならない時間の方が長い。欧米便のような長時間のフライトで座りたかった。

ほぼ定刻に上海浦東空港に到着。最後の中国出張は2016年だったので8年振りか。まずはもう使うことのないであろうベトナムドンを人民元RMB)に両替。中国は電子決済が主力になっているらしいが、その口座を開くために当方の個人情報を提供するのはためらわれるし、従い多少の現金は持たねばならぬ。手持ちと合わせ170RMB(3,500円相当)ほどとなった。

明朝7時のフライトに合わせ、虹橋空港のホテルを予約してあるのでエアポートバス(36RMB)に乗る。喫煙者が多いのは以前と変わらず、バスを待つ列のそばに喫煙所があるのには閉口した。

バスは日曜の夜とあって混むこともなく、1時間もかからず虹橋に着いた。ホテルは出発ロビーから直接入れるので便利。ただ着いたのが10時過ぎであったためバーも終わっていてビールも飲めず、シャワーだけ浴びてベッドに入った。

翌朝は6時前にチェックアウト、同じフロアで50mほどしか離れていない上海航空のカウンターに向かう。比較的前方の通路席を確保して保安検査を過ぎ、開いていたお店で一番安いお粥(38RMB)を頂いた。安いと言ってもピータンや鶏肉が入り、目玉焼きも付いてくるので十分満足。中国に来るとお粥が普通にあるし、そして美味しい。

お粥にはピータンや鶏肉がたくさん入っています

南昌までは1時間少々、LCCのような737の狭いシートに身をねじ込み、ひたすら到着を待つ。ミドルシートでなくて良かった。

南昌に着けば取引先さんが迎えに来てくれていて、ここからは地にも置かぬおもてなし。車まで荷物を持ってくださり、アウディで工場へ連れて行ってくださった。

昼食は近くのオシャレなレストランに入り、当地で人気だというヒキガエルの炒め煮や若いアヒルのローストなどを振舞ってくださった。

牛レアステーキの黒酢ソース ヒキガエルの炒め煮 若アヒル焼き

さらに夜はまた別のレストランに行き、白酒と共にスズキの揚げ煮(内陸でも新鮮な海の魚が手に入るのだそう)、白キクラゲと唐辛子の炒め物、筍のスパイス炒めなど吞兵衛が喜ぶ品々を頂戴した。

南昌の料理は味濃いめ+辛いので、白酒がよく合います

中国では一人で勝手に飲むのはマナー違反っぽくて、飲む時は周囲の人と目を合わせ乾杯する。このタイミングが難しく、そのきっかけをなかなか自分では作れない。結果相手のペースに合わせることになってしまい、つい飲まされ過ぎてしまう。まぁ好きだからいいんだけどね。

翌朝もまたフライトは7時。5時にホテルを出て空港に向かう。席は少し後ろの方だったが、通路側だし隣は空いていたのでチョッとゆっくり座れた。うとうと居眠りしている間に浦東に到着だ。

次のお客さんとも昼食を兼ねたミーティング。蒸したウナギをメインにした料理が並び、この日の午後は夕食までなにも予定がないので、ビールを飲みながら仕事の話を進めた。このお客さんは日本語がとても上手。普通に日本語で商談ができてありがたい。

さて夜。日本で一度会ったことのある会社の方と夕食だ。外灘にある広州料理を出すレストランだそうで、南昌の唐辛子の利いた味濃い目の料理と違い、見た目も味も穏やかな料理が並ぶ。特に美味しかったのは袋茸と魚の浮袋のスープ。上品な出汁のスープに歯応えの全く異なる2つの素材が入っていて、茸はシャキッ、浮袋はシナッとしてそのコントラストがとても印象的だった。メインのイセエビのクリーム煮もまろやかで、身はもちろんだが出汁を吸った麺が秀逸。白ワインがスッと空いてしまった。

食後に外灘を散歩。黄浦江の両岸に立つきらびやかなビル群や川面を走る観光船のイルミネーションがとてもきれい。大都市の活気にあふれていて、こりゃ日本はかなわないな、と思い知らされる。やはり14億の人が住む国、多少経済が失速気味と報道されているが、力がみなぎっている。

今回の出張で一番印象に残った袋茸と浮袋のスープ 外灘の夜景は圧巻です

朝はホテルのレストランの開く7時に合わせて起床。米の麺をメインに野菜サラダをモリモリ食べ、オレンジジュースをゴクゴク飲み、今日の仕事に備える。今日と明日は展示会なので、昼食は食べられない。コーヒーを部屋に持ち帰り仕事をするが、なぜかネットが異常に遅く、さっぱりはかどらない。やれることだけやって展示会に向かった。

この日の夜はアポイントなし、一緒に行っている会社の同僚と二人でホテル近くのモールに出かけた。いろいろある中、スペイン飯のレストランがあったので突入。生ハムやオリーブなどの定番と軽めのピンチョスでビールを頂く。中華が続いて疲れた胃にちょうどいい。2時間もかからずにいい具合になり、早めに就寝することにした。

翌朝はお粥をメインに頂いた。お粥に油条を乗せ、ネギや海苔、各種お新香と一緒に頂く。お粥は消化が良いのに腹持ちもして、当方は結構好きだ。日本にいる時も時々作る。この店にはなかったが、刺身をおいている店もあって、その刺身をお粥に入れると半生ぐらいに火が通り、それがまた美味しいのだ。チャンスがあればお粥用のお新香を買って帰ろう。

さて最終日の夜。展示会は明日もあるが当方は今日まで。明日朝の飛行機で帰る。夕食をご一緒したのは20年以上の付き合いのある現地商社の社長たちだ。当方の前職時代にいろいろ仕事をし、こちらの会社に移ってからも機会ある毎に話をしている先。こういう関係を今の会社に引き継ぐのが仕事の一つと思っている。先方もそれは心得ていてくれて、当方の同僚にいろいろ仕事の説明をしながら、豚皮のローストや芝エビの炒め物など、日本人の口に合いそうな肴と共に白酒をすすめてくださるのだった。

白酒を飲むのは3人しかおらず、そのボトルが空くころには皆さんいい気分。浦東空港のホテルまでのタクシーもあつらえて頂き、全ての予定が終了した。

8年ぶりに上海に来てみて、やはり経済が成長しているのは実感する。街も走る車もきれいになったし、人々のファッションもあか抜けている。交通マナーも改善されたように感じるし、列に並ぶ人の間隔も少し広がった。単一思想の窮屈さをどのように感じていらっしゃるのかはわからないけど、そこに目をつぶれば自身の生活が豊かになっているのは事実だろうから、現状に満足される方も多いのだと思う。

しかし一人っ子政策の影響で急速に高齢化が進む現実、沿岸部と内陸部の依然残る格差、価値観の異なる多民族の存在… 外灘の活気を見れば見るほど、そういう問題がどう表面化してくるのかなと、思えてしまう。

帰りの飛行機は、到着機の遅れのために2時間近く遅発となった。遅れの原因は空港混雑による上空での待機命令のためだそう。どういう順番で降ろしたのかは当方に知る由もないが、飛行予定時間の半分ほどをさらに上空で待たせる姿勢に、両国間の関係が反映しているのかもしれないなと思ってしまう。

帰りの飛行機から五島列島が見えました

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