究極の親子逆転劇 (original) (raw)
つい最近、2連続でキレる出来事があった。
先月、母親から連絡が来て「新年に新しいお財布買うんでしょ。島田秀平さんが、金運を上げるには緑の財布を持ちなさい。」って言ってたから、あなたも今年は緑の財布を買いなさいと言ってきた。
もう私側は、親の呪いは解けているので、「またこいつ支配してきやがった」と思った。
当然私の返事は「お母さん、いちいちうるさいよ。自分の事は自分で決めるから、勝手に指図したり命令するのはやめて。」
と、ハッキリとした口調で言い返した。
2年前と違って、そこにもう怖さはない。
心の中で「こいつ本当に鬱陶しいな。もう永遠にどこかに消えてくれ。」と思いつつ、極めて冷酷な態度で、母親の言う事を全否定した。(鬱陶しいという感情を素直に出すことがとても大事!)
だいたい、新年に新しい財布を買うべきと決めつけたうえで話をしてくるところが、超絶イラっとする。
その数日後。
勝手に私のマンションに何のアポもなく訪れ、冷蔵庫を開けていきなりこう言い放った。
「あんた何で消費期限が切れた食べ物置いてるの。こんなの食べたらお腹壊すんだから、今すぐ捨てなさい。」
また来た。
何でいちいち命令するんだよ。
消費期限が、たった数日切れたくらいで死にはしないよ。
私はパッケージに書かれた日付よりも、自分の鼻と舌を信用するんだ。
だいたい何でお腹を壊すという前提で物を言ってくるんだよ。
自分のことは自分で決める。
いちいち口出しするな。
と、またお母さんにキレた。
私たちの間では、この親子の会話パターンはいつもの事で、子供の頃は母親の言う事に素直に従っていたから、私が服従さえすれば、それで母親の欲求は満たされていた。
しかし今は違う。
何なら、母親が完全に喋り終わる前に「もう、お母さんうるさいよ。自分の事は自分で決めるから、いちいち余計なこと言わないで。」
と私がすぐに怒り出すので、母親はついに私を支配出来なくなった。
すると面白い事が起きた。
母親が子供を支配することを諦めるという世界にすっぽりと落ちたのだ。
ん?
この感覚知ってるぞ。。。
あ!!!!!!!!!!!!!
私が子供の頃から、ずっと住み続けたあの諦めの世界だ。
何一つ自分の思い通りにならなくて、それならもういいやと全部諦めていたあの世界だ。
母親との直接対決を繰り返しているうちに、何と母親がかつて私がいたあの諦めの世界に完全に入り込んでしまったのだ。
子供の頃の私には人権などなく、何一つ自由になるものもなく、全てを我慢して全てを諦めていた日々。
でも今度は、母親が自分の子供を何一つ思い通りに動かせないというジレンマの中で、支配を諦めるという闇に落ちていったのだ。
何て面白い現象なんだ(笑)
ついに親子が逆転して、母親の方が諦めのゾーンに入ってしまったのだ。
子供の支配を諦めるという謎のゾーン。
まさに究極の親子逆転劇だ。
ここに来て立場が逆転し、今度は母親が諦めのゾーンで苦しむ様子を見て、私は素直にこう思った。
ざまあみろ
これだけを聞いたら、もの凄く性格が悪く聞こえるかもしれない。
でもずっと苦しんできた私は、
「どうだその世界の居心地は。全て諦める気分は最高だろ?ずっとそこに居たいと思うか?私は40年もの間、その世界にいたんだぞ。その原因は全てお母さんだ。」
そう思って、色々な感情が噴き出すとともに、相手の立場に立って物事を考えることの大切さを、再度学んでいた。
(自分と同じように相手も苦しめばいいという思考は健全ではないので好きではないが、今は感情を素直に出すことが最も重要なので、余計な考えや理性は一旦捨てて、全ての感情を出すようにしている。)
まさかこんな体験をするとは思わなかったけれど、これも諦めずに自分と向き合い続けてきたからこそ。
そして、これだけ出してもまだある怒りと恨み。
子供の頃の自分が小さい体でどれだけ我慢していたかが分かって、一気に悲しくなった。
そうして今は、私が子供の頃にいたあの諦めの世界に、母親が入っている。
これで今度は、本当に要塞が崩れるかもしれない。
あと少しだ。
散々子供を利用し、それで生き延びてきた母親に対し、今は怒りと恨みしかないが、
ここを越えたらようやく親を許すというステージに行けるのだと思う。
今まで支配で保ってきた人生を崩されるのは、母親にとってもキツイだろうな。
元々私は素直で優しい性格なので、つい母親に対しても変な情が湧きそうになるが、かわいそうなのはどちらも同じ。
ここまでくると、加害者も被害者もない。
親の呪縛を解くというステージにおいては、親子は運命共同体だ。