肝っ玉母さん版クラリス・スターリング :'ホテル・アルテミス' (Hotel Artemis)ネタバレなし (original) (raw)
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出典/ホテル・アルテミス
ホテル・アルテミス -犯罪者専門闇病院(_Hotel Artemis_(_2018_))
監督はドリュー・ピアース(日本での公開なし、 DVDスルー。)
ジョディ・フォスター好きなのに知らずにいて、たまたま見つけたので観ました。
タイトルのような観かたをした私には刺さったので
軽い感想と”ナース&クラリスのキャラ比較”について。(ネタバレなし)
あらすじ
舞台は治安が悪化し暴動続きの荒廃した2028年のロサンゼルス。
高額な会費を支払える犯罪者のみ利用できる、ホテル兼会員制闇病院、
"ホテル アルテミス"。
今日も致命傷を負った強盗犯の兄弟がアルテミスを訪れる。
犯罪者らが集う施設でありながら”ナース”の管理で平和を保ってきた闇病院は
「いつもの水曜日”のはずが開業22年以来”最悪の水曜日”を迎える…。」
CAST
「キャラが部屋名で呼ばれてて、よくわからない」との感想を多く見ましたが
地名の役名はアルテミスでの会員名(コードネーム)でキャラの本名ではなく
部屋名と一致する理由は
- 会費を払い続けるので会員である限り一室確保されてる。
または
- 予約・受付時にプレートを貼る。のではないかと思います。
ナース/ジーン・トーマス
ならず者が集うホテル アルテミスを切り盛りする70代のタフな看護師。
ひとり息子をドラッグのオーバードーズで亡くしたことからアル中になり
医師免許を剥奪された過去を持つ。アルテミスと自室の往復で広場恐怖症。
エヴェレスト
アルテミスの医療従事者兼、用心棒
ナイチンゲールの生誕記念である5/12 国際看護師デーに合わせて作られた
ナースとエヴェレストの"Hotel Artemis Happy National Nurses Day"
ワイキキ
(スターリング・K ・ブラウン)
冒頭の銀行強盗犯兄弟、ホノルルの兄。
銃撃戦で警察に撃たれた弟を連れてアルテミスに駆け込む。
ホノルル
(ブライアン・タイリー・ヘンリー)
ワイキキの弟、重傷を負ってアルテミスに連れて行かれる。
ナイアガラ/ウルフキング
アルテミスのオーナー、犯罪組織のボス。
ニース
(ソフィア・ブテラ)
宿泊客、殺し屋。
殺し屋ニースを演じるソフィア ブテラはキングスマンの殺し屋ガゼル役。
アカプルコ
(チャーリー デイ)
宿泊客、武器商人。
クロスビー・フランクリン
(ザッカリー・クイント)
ウルフ・キングの息子。
ネタバレなしの感想
初めは何が起こるの?な感じですが
闘わない(バイオレンスアクションがない)おばあちゃんの
”真実を知ってからの新しい人生へ動き出す闘い”を描いていて
重くはなくクールですがところどころ、ほろりとしました。
佳境に入ってからのストーリーの流れが”なんでそれ?”はあるかもですが
観て損とは思いません。
70代の醒めた(しかし実は心の傷を抱えた)老女を演じる、
実際は50代のジョディ・フォスターは上手かった。
ジョン ウィック(コンチネンタル・ホテル・NY)を比較に出すレビューが多く
"ああ、犯罪者専門サポートホテルだったな。"と思い出しましたが
私はジョン・ウィックでなく
ドリュー・ゴダード監督のホテル・エルロワイヤル(ホテルだからでなく)と
似た雰囲気を感じました。
出典/ホテル・エルロワイヤル
吹き替えもありますが私はジェフ・ブリッジス ファンなので字幕をおすすめしたい。
音楽のチョイスも似てると感じる要因かも。
ホテル・エルロワイヤルは時代設定が1969年ですが
2028年設定のホテル・アルテミスも60年代後半〜70年代の音楽が多く使われてます。
1950年代生まれの主人公の出勤描写。
(The Mamas & ThePapas' California Dreami'n'(1967))
アルテミスのドリュー・ピアース監督ともに1975年生まれ。
私も生まれてない時代ですが、リアル60〜70’s世代でなくても
YouTubeなどなく家族など年上の影響でも音楽を聴いてた世代は
アナログな音楽のチョイスや雰囲気を楽しめると思います。
2006年に建てられたはずの2028年のアルテミスのレトロなネオン。
出典/ホテル・アルテミス
クラリス・スターリングとジーン・トーマスのリンク
クラリスへのオマージュと思える数々のディティール
タイトルのクラリス・スターリングは言わずと知れた羊たちの沈黙の主人公であり
ジョディ・フォスターの代表作のひとつ。
子供の頃、映画館に観に行って(子供なのに、よくこんなの観たな。)
トマス・ハリスの原作もすぐ買って繰り返し読んだほど好きで
数少ない”原作に忠実な映画”のひとつだと思います。(ハンニバルは好みと違った。)
明言はされていませんが、ぼんやり見始めたら
クラリスのオマージュと思える箇所があり、すごく楽しめました。
FBI捜査官のクラリスが医師免許を剥奪されて2028年に闇病院にいるはずはないので
ナース=クラリスとは思いませんがストーリーに入り込みやすくなりました。
”映画好きにウケそうな小ネタを入れた映画”が好きなわけでもないのに
ホテルアルテミスを面白いと感じたのは
私がクラリスというキャラクターに思い入れがあるからかもしれません。
誰もこのことについて話してなかったので
私が勝手にリンクとして受け取ってるだけかもしれませんが
おもしろいので興味がある人は見比べてみてください。
老いて広場恐怖症だが主導権を持つジーンは成長の表現か
ジョディ・フォスターが登場する出勤シーン。
(広場恐怖症のために住みこみなのかアルテミスの一室にいます。)
規則を教えられるクラリスに対し、規則を申し渡すナース
同じ”犯罪者が多数いる施設”で緊張して入る部外者の臨時捜査官クラリスと
収容でなく滞在者である犯罪者を仕切る権限を持つナースの対比。
出典/ホテル・アルテミス
髪型が同様のボブヘア
偶然かもしれませんが後に大して重要でない髪型の話をするシーンがあるので
気づかせたい可能性はありそう。
服装
共通点は白いインナー(ナースは白衣)、
茶系のテクスチャー系(ツイード、ミックスニット)の羽織もの、
手持ちの茶色のレザーバッグと肩掛けのバッグ(ナースはプレーヤー)2個持ち。
着なれない新しい茶系のツイードスーツと白いインナー、
大して必要なさそうな小さなショルダーバッグと茶色のブリーフケース、
歩きづらそうな慣れないパンプスで
社会人のコスプレのようなFBI実習生クラリス。
- ナース
板についた白衣に茶系のミックスニットのカーディガン、
年季が入った茶色のドクターズバッグに
大きなポータブルミュージックプレーヤー(すごく大事!)を斜めがけして
馴染んだベージュのスニーカーでとことこ歩くナース。
エレベーターのインジケーター
レクターの脱走シーンで警官たちが固唾を飲んで見つめるインジケーター(左)と
アルテミスで顧客である犯罪者を迎えるナースが見てるインジケーター(右)。
出典/ホテル・アルテミス
バーニー(羊たちの沈黙)とエヴェレスト(アルテミス)
共に医療従事者であり両主人公を守る役割のバーニーとエヴェレスト。
身分証のチェックシーンとセリフ
クラリスは身分証を見せてレクターに”話すに値する人物か”の品定めを受けますが
アルテミスでは到着した人物の出入りを決めるのはナース。
最初のチェックインシーンのセリフの数々も笑えました。
房の中から見たクラリスとチェックイン側からのナースの風景がリンク。
メンバー判定されなかった男が騒いでも動じず「規則違反!」と返すナース。
- 「あんたシリアルキラーかもしれないでしょ。」
- (入れろと怒鳴られて、即)「私に怒鳴った?規則違反」
(クラリスはミッグズに卑猥なことを言われて平静を装うが耐えていた。)
- "Do not kill the other patients."(他の患者を殺してはいけない。)
(クラリスに卑猥な嫌がらせをしたミッグズは
怒ったレクターに(独房越しに)いじめられて自殺。)
”Do not kill the other patients!”は後半でも出てきますが
唐突でなくストーリーにマッチしています。
ホテル・アルテミスはエンターテイメントとして楽しめる作品ですが
歳を重ねた白髪のジョディ・フォスターが、とても素敵だったので
2021年のモーリタニアン 黒塗りの記録も観ました。
こちらは、いつもの強いジョディ。