MART(museo di arte moderna e contemporanea di Trento e Rovereto) (original) (raw)

イタリア、アドリア海に面した小さな町からの風便り。

by bollicine356

MART(museo di arte moderna e contemporanea di Trento e Rovereto)

2008年 01月 15日

なんとも長いタイトルですが、要するに近現代アート美術館です。

北イタリア、元オーストリア領トレンティーノ・アルトアディジェ州はＲＯＶＥＲＥＴＯという所にあります。
今回、実はこの近郊にスキーに来たのですが山入りする前にちょっと立ち寄ってきました。
ウチからＲＯＶＥＲＥＴＯまで電車で４時間強。
ボローニャからの電車はＭＯＮＡＣＯ（モナコと読みますが、モナコ公国ではなくドイツのミュンへェンのことです）行き。
なんだかわくわくします。

前から歩いてくるオジサンも赤ひげゲルマン系風貌なり。

ＶＥＲＯＮＡ駅を出発すると元来た方向へ出発するので(乗り間違えたか、電車？）ちょっとあせりましたが１０分もするとトンネルを抜け、一気に風景がかわります。山、山、山。

このあたりに住んでいる親戚の子が平地に住む私達のところに遊びに来たとき、夕方になって日が沈む頃、あの太陽はどこの山に沈むの？と聞いたことがあります。
そう、彼らにとって太陽は山に沈むもの、山の無い平地に住む私達には考えられない発想で、みんなで笑ったっけ。

このあたりはまた、マルツァミーノ種のブドウの産地でおいしいワインがあります。
スプマンテ大手のＦＥＲＲＡＲＩ社の工場やグラッパ、ヨーグルトのＭＩＲＡ（おいしい！）、ニョッキのＰＡＦ、りんごの一大産地でもあります。

どうも、食べ物に走りがちですが話を戻して、通称ＭＡＲＴと呼ばれる美術館へ。

ロヴェレートの駅構内も美術館を意識した壁画でいっぱい。

町の看板。原画（Depero作）が美術館で見られます。

この美術館は展示品だけでなく、建物自体も有名です（設計：Mario Botta）。
こんな小さな田舎町にあるのが不思議なモダンで美しい建物。

常設展示には特にデ・キリコの作品が多く集められています。
Andy Warholのスープ缶の絵が4つ並んでいる近くには、ジャン・ミッシェル・バスキアのアートが。
すごい！鳥肌が立ちました。
特に黒いチェーンがかかっている絵はＰＯＰでクレイジー。

特別展では音や映像、文字を駆使した前衛的なアートのコーナーも。
これは個人的にはあんまり好きじゃなかった。
ＴＶモニターがずーっと同じ言葉を繰り返しているコーナーで監視役をしているおばちゃんには同情しましたよ。

２０世紀前半のソビエト時代（アートが抑圧されていた時代）の作品群は素晴らしかった。
抑圧を感じさせる鬱々としたものもあれば、非常にピュアな抑圧なんてどこ吹く風といった遊び心満載の作風のものも。
とてもオリジナリティーあふれる作品ばかりでこのコーナーを離れがたかった。

また、この町出身の広告アーティストFortunato Deperoの特別展も2月3日まであります。
ＣＡＭＰＡＲＩなど名だたるイタリア企業の広告製作のほか、ＮＹに行ってＶＡＮＩＴＹ ＦＡＩＲの表紙イラストなども担当した広告デザイナーの走りともいえる人。

この後、隣接するカフェで一杯飲んで親戚にスキー場まで連れて行ってもらいました。
そこでみんなと合流です。

おまけ：美術館に行く途中のお店ですごいマネキン発見。