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カーボンニュートラル

菅首相は4月下旬、米バイデン大統領が主導した「気候変動サミット」で、30年度時点でGHG（Greenhouse gas）を13年度比46%削減すると表明し、国際社会に公約した。また6月には昨年末に打ち出した脱炭素実現の実行計画「グリーン成長戦略」の改訂版を発表し、成長戦略実現による50年時点の経済効果を昨年末の190兆円から290兆円に上方修正した。とはいえ、肝心の30年時点での電源構成が定まっておらず、30年時点で26%減だった従来目標からの削減幅を20%追加する方策のメドは立っていない（以上、週刊エコノミスト、」2021.7.13号）。

根拠なき政府のぶち上げなのか、宣言せざるをえない状態に追い込まれていることにやっと気づいたということか。そもそも何をどうしようとしているのか。目標、実現するための道筋（開発主体、開発費用、製品・設備費用、ランニングコスト、製品・設備を含めたトータルのCO2排出量などの試算は？）。具体的に進めるに当たっての技術（基礎技術とそのレベル）、人（責任を持って主導する組織、研究者、開発技術者）、カネ（開発費用を誰が負担するのか、政府のやる気、経営者のやる気）などはっきりしていない。これらをこれからウォッチしていきたいと思う。

以下、新規順。

2021.11.15 COP26閉幕

最大の焦点だった石炭火力発電の利用について「段階的な廃止、Phase-out」から「段階的な削減、Phase-down」へ表現を弱め、産業革命前からの気温上昇を1.5度以内に抑える努力を追求するにとどまった。

2021.7.22 再生エネ、30年度36～38%

経産省は21日、新しいエネルギー基本計画の原案を公表した。30年度は総発電量のうち再生可能エネルギーで36～38%、原子力で20～22%を賄（まかな）う高い目標だが、石炭火力はなお19%を占め、発電あたりの温暖化ガス排出量は西欧諸国に比べて依然高い水準にある。2018年における電力1キロワットあたりCO2排出量を比較すると、日本0.49Kg（→30年度0.26Kg）、英国0.21Kg、フランス0.05Kg、米国0.4Kg。（以上、日経）

2021.7.20 50年までの炭素負債は約4700兆円

地球温暖化対策の国際的枠組み「パリ協定」を達成するには炭素価格をいくらにすればいいのか。国際エネルギー機関IEAは40年に先進国でCO2、1トン140ドル（約1万5400円）にする必要があるとはじく。40年～50年は横ばいとして試算すると現段階では約4700億円の負債となるという。CO2搬出量の多い1000社を集計すると、日本74社、2.6兆ドル、67.6%は赤字化する。うち電力1.1兆ドル、素材1.0兆ドル、石油・天然ガス開発0.2兆ドル、その他0.3兆ドル。（2021.7.20日経）

2021.7.20 地球温暖化の原点となる指標

地球の平均気温は、産業革命に比べて2021年で約+1.2℃、2030年には約+1.5℃上昇すると言われている。

（注）産業革命：18世紀から19世紀にかけて起こった産業の変革、石炭利用による蒸気機関の発明により様々な技術革新、社会の変化が起こった。

by bonjinan | 2021-07-14 20:10 | 政治・経済

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