時計が止まった日 (original) (raw)

先日のこと。週末のある日、ふと気づくと腕時計が止まっていた。買ってから初めてのことだ。

機械式腕時計は動かしてないと針が止まる。一日8時間腕に巻いて生活すれば手巻きしなくても止まることはないと言われる。しかし外出する機会もない僕は、ご存じワインディングマシーンを動かしてぜんまいが巻かれるようにしている。たしかにその前の日に使ったのはもう一つの時計であり、なおかつワインディングマシーンを少ししかONにしなかったので、刺激が足りなかったようだ。

りゅうずを巻いてみると、いつものシャリシャリという感触ではなくクルクルと軽~く回る。つまりは普段、固着しないように回す時にはかなり巻かれ切った状態なのだろう。完全にぜんまいが開放されていると軽い訳だな。巻き始めてすぐ針が動きだした。しばらく巻くといつものシャリシャリになってきた。もっと巻くとゴリゴリと感触が固くなるはずだが、そこまでは巻かない。

さすがに買った当初のように家で毎日、腕に巻くまではしないが、都度クロスで磨き、仕事中にものんびりと眺めている。腕時計も僕も幸せだと思う。もう一つ違うタイプを買いそうになっていたが、ひとまず留めることができた。年末、仕事の成果で報奨金でも出たら考えようかな。