「冷静と情熱のあいだ」 2001 (original) (raw)

冷静と情熱のあいだ

★★☆☆☆

あらすじ

イタリア・フィレンツェで絵画修復士として働く男は、学生時代に付き合い、今も忘れられない女性がミラノにいると知り、会いに行く。124分。

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感想

竹野内豊とケリー・チャンが演じる男女の10年に渡るラブストーリーが描かれる。

まずケリー・チャン演じる女性が何者なのかが分からずにモヤモヤする。役名が日本名ぽい「あおい」なので、彼女は香港人だが日本人役をやっているのかと思ったが、日本語が拙いのでかなり違和感がある。なぜ日本人がこの役をやらないのだろうかと訝しみながらずっと見ていた。

中盤でようやく彼女が、父親が日本人のハーフで、日本語ネイティブでないことが明らかにされる。しかしいくらなんでも遅すぎだ。別にミステリーでもないのだからそんなことは序盤にさらっと知らせて欲しかった。一時間も無駄にモヤモヤされられる筋合いはない。

二人が紡ぐラブストーリーはずいぶんと古臭い。主人公の祖父が画家の大家であることから遺産目当てだと勘繰られ、手切れ金を渡されて無理やり別れさせられるところなどは昭和のメロドラマのようだった。昭和の香りが残る90年代の作品だと思っていたら2001年の作品で、21世紀にこれ?と驚いてしまった。二人の恋愛の距離の詰め方もオールドスタイルで、かなり奥手だ。

この奥手なことが影響しているのか、二人の10年に渡る恋愛物語は非常に内容が薄い。あきらめてきっぱり忘れようとするでも、忘れられないと再び付き合おうとするでもなく、ただ無為に月日が流れていくだけだ。そもそも別れた後に二人が直接会うのはたったの2回しかない。最初の再会でとっとと決着をつけられることだった。10年もかける必要はない。

舞台となるイタリア・フィレンツェの異国情緒があるからまだましだが、印象に残らないシーンがメリハリなくずっと続く映画だ。物語をなぞっているだけ、言葉で説明するだけで、何を撮りたいのかはちっとも伝わって来ない。冷静も情熱も感じられないまま、淡々と終わる。

フィレンツェ美術散歩 (とんぼの本)

スタッフ/キャスト

監督 中江功

原作 冷静と情熱のあいだ Blu&Rosso セット (角川文庫)

出演 竹野内豊/ケリー・チャン/ユースケ・サンタマリア/篠原涼子/マイケル・ウォン/椎名桔平/松村達雄/大和田伸也/広田レオナ/塩見三省/安斎肇/柏木広樹

音楽 エンヤ

冷静と情熱のあいだ

冷静と情熱のあいだ - Wikipedia

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