【プレビュー】Prime Video Boxing 10!day1、激アツフライ級、拳四朗、ユーリ阿久井の競演と、岩田翔吉は勝負の一戦! (original) (raw)
いよいよカウントダウン。
10/13-10/14、2daysにわたって行われる Prime Video Boxing。
10/14は那須川天心を目玉としている分、チケットの売れ行きは13日よりも先行していましたが、どちらが好カードを揃えているか、というと10/13の方でしょう。
10/14の4つのカードは、順当に勝者が決まるはず、というのがその理由で、最も注目すべきカードはオープニングファイトであるアンソニー・オラスクアガvsジョナサン・ゴンサレス。
⇩プレビュー記事
対して13日の方は、日本人の王座戴冠劇が見れる可能性が高く、何よりもメインカードは極上の日本人対決です。
ということで今回のブログは、10/13(日)に行われるPrime Video Boxingのプレビュー記事。
10/13(日)Prime Video Boxing10 | day1
メインイベントは井上拓真vs堤聖也。この試合は非常に楽しみなものであり、かつ、どちらが勝つにせよ敗北するボクサーがいる、という現実があり、それは非常に悲しい事柄です。一体どっちを応援するのか、皆さんは決まっているのでしょうか。私はまだまだ迷っているし、おそらくこれは決められない。
ただただ、好ファイトとなることだけを祈り、無心で見ようと思います。この「どちらを応援すれば良いのかわからない」という戦いは、現地での観戦を諦めた一つの理由でもあります。心を落ち着かせて自宅でESPNを視聴したいと思います。
⇩プレビュー
WBC世界フライ級王座決定戦
寺地拳四朗(BMB)23勝(14KO)1敗
vs
クリストファー・ロサレス(ニカラグア)37勝(22KO)6敗
この試合がセミファイナルです。
ライトフライ級で猛威を振るった絶対王者の、フライ級チャレンジ。
もう随分前からライトフライ級限界説はありましたが、ようやくフライ級へアップ。ライトフライ級で4団体統一を成し遂げてもらいたかったですが、統一戦というのはやはり難しいのでしょう、王座統一戦の機会は結果的に1度しか訪れませんでした。
決まってさえいれば、寺地拳四朗は4団体統一を成し遂げていただろう、というのが大方の見方だと思いますが、果たして今はまだ、フライ級で4団体統一を成し遂げられるかどうかはわかりません。
拳四朗のウェイトがきついからといって、フライ級にすぐに適応できるかはやってみなければわからないからです。
クリストファー・ロサレスはニカラグアの叩き上げで、プロ3戦目で早々に初黒星。しかしその後強敵と戦う中でキャリアを積み、2018年、日本で比嘉大吾を破って世界王者に輝いています。このタイトルはイギリスでの初防衛に成功するも、2度目の防衛戦でチャーリー・エドワーズ(イギリス)に奪われてしまいます。
その後は苦難の道のりで、イギリスの他アメリカでも戦い、現在のIBF王者アンヘル・アヤラの踏み台になるなどの辛苦を味わいますが、2022年12月に無敗プロスペクト、ホセリート・ベラスケス(メキシコ)をアメリカで破って再浮上。今回の一戦に辿り着いています。
元世界王者のロサレスは生粋のフライ級で、もうこの階級で10年戦っています。
長くライトフライ級を防衛してきた拳四朗の方が当然評価は高いですが、ロサレスにとって日本は初めて世界王者になった縁起の良い土地柄であり、6敗していてもKO負けは一つしかない、というのも強みでしょう。
ここ最近の拳四朗の被弾を見ていると、フライ級での初戦がロサレス、というのはなかなか不安になりますね。ロサレスは打ち合いを厭わない、ハートの強いボクサーです。
とはいえ、拳四朗もここ数戦の被弾数については反省するところもあるでしょうし、元々修正能力の高いボクサーでもあります。ここはきっと完勝してくれるでしょう。体格的なアドバンテージが少なくなったからといって、あのボクシングの牙城を崩すのはロサレスにとっては非常に難しいでしょうから、ここは拳四朗のノックアウト勝利を期待したいものです。
WBA世界フライ級タイトルマッチ
ユーリ阿久井政悟(倉敷守安)20勝(11KO)2敗1分
vs
タナンチャイ・チャルンパック(タイ)25勝(15KO)1敗
倒して勝って欲しい、というのは、拳四朗以上にユーリ阿久井に対する思いの方が強い。
強引に行って対戦相手をバタバタと倒していた頃は、非常に危ういバランスの上で倒しまくっていたイメージ。先に当てたもの勝ち、当てに行っている途中で効かされてしまったこともしばしばあり、非常にスリリングなファイターでした。しかし、日本王座獲得以降は非常に冷静なボクシングを展開しており、まるで頑丈な要塞のようなボクシングを確立してきました。
パンチングパワー、フィジカルパワーがあってこそ、あのようなボクシングが成り立つのだろうと思います。
そう、「もしもフライ級で拳四朗を止められるのなら、ユーリ阿久井」と言われる所以は、この重厚なボクシングスタイルにあり、拳四朗がスピードとキレ、運動量という空中戦のようなのボクシングなら、ユーリはまさに重戦車、もしくは空母、しかもその火力は超絶大であるから、簡単には近づくことさえままならないボクシング。
拳四朗とユーリ阿久井が同じ興行に登場する、というのは、未来の対決というのを連想させるものではありますが、これはフライ級最強決定戦として位置付けられるものであって欲しい、それはつまり、4団体統一戦の場で叶って欲しいとも思うのです。
フライ級最強の一角であったアルテム・ダラキアン(ウクライナ)を攻略して王座を獲得したユーリ阿久井は、初防衛戦で桑原拓(大橋)を返り討ち。2度目の防衛戦はタナンチャイ・チャルンパックです。
タナンチャイは24歳と若いボクサーであり、2018年にプロデビューしてデビュー2戦目で初黒星。それ以降は連戦して連勝しているボクサーです。
今年に入ってもう5戦目、これはタイにはよくありがちな話ですが、25勝という中身はさほど大した相手とはやっていない、作られた戦績であることは事実。但し、前戦だけは違います。
当時23勝1敗の戦績で来日したタナンチャイ・チャルンパックを見誤っていた人たちは多いでしょう。
WBOアジアパシフィック・フライ級タイトルマッチで来日したタナンチャイは、なんとアップセットで日本のホープ、「プリンス」畑中健人(畑中)を降してWBOアジアタイトルを初戴冠。そこから一気に世界挑戦という流れです。
当然、このレベルまでくるボクサーですから、ホールによく登場していたアンダードッグの無気力タイ人とは一線を画します。このボクサーは比較的長身の部類で、手足が長いように見え、カウンターも打てるボクサーですね。ただ、ちょっと線が細いようにも見えます。
ここはユーリ阿久井にしっかりと倒し切ってもらいたいところ。
そして、ユーリ阿久井に王座統一戦待望論が出てくることを願っています。拳四朗の前に、是非アンヘル・アヤラと戦って世界に名を広めてほしい。
WBO世界ライトフライ級王座決定戦
岩田翔吉(帝拳)13勝(10KO)1敗
vs
ハイロ・ノリエガ(スペイン)14勝(3KO)無敗
岩田翔吉、2度目の世界挑戦です。
初の世界挑戦は2022年11月のジョナサン・ゴンサレス戦なので、2年と待たずにこのチャンスを掴み取ったのはやはり帝拳プロモーション所属であることは大きいでしょう。
本来であれば1発で取れるはずだったジョナサン・ゴンサレス戦は見事にアウトボックスされて判定負け。本人はあまり負けた気はしていなかった、というのはどこかで読んだ気がしましたが、現地で見る限り買ってはいませんでした。
ゴンサレス戦後は元世界王者、レネ・マーク・クアルト(フィリピン)を破るなど4連続KO勝利で絶好調、間違いなく前戦よりも王座獲得の可能性は高いと思われます。
対戦相手のハイロ・ノリエガは珍しくもスペイン人のライトフライ級で、BoxRecを見る限りは間違いなくスペイン人最強のライトフライです。なぜなら、ライトフライ級でBoxRecに登録されているボクサーはこのノリエガたった一人だからです。
映像を見る限りは徹底したアウトボックスとカウンター、完全に判定型に振り切ったボクサーです。かといって、ゴンサレスほどの柔らかさやずる賢さがあるわけではなく、サニー・エドワーズほど振り切ったボックスでもありません。
比較的欧州のボクサーに多いオーセンティックなスタイルをよりボクサー寄りにしたようなイメージで、このスタイルをフルラウンドに渡り続けられるスタミナを有しているボクサーだと言えると思います。
ここ最近の岩田のパワフルな攻撃を見ていると、(これは正直ゴンサレス戦前も思っていたのですが)きっと捕まえられると思います。
初回からライトフライ級にあるまじきパワーパンチを体のどこかに当て、萎縮させることができれば、早期のKO決着もあり得るのではないか、と思います。
スカッと倒してこの興行のスタートダッシュを切ってもらいたいものですね。
配信情報
この興行は、Amazon Prime Videoでライブ配信です。私は今回配信で見ますが、大体いつも日本の配信は実況と解説が邪魔なパターンが多いので、ESPNで見ようかと思っていますが。
ともあれ、アマプラに加入していないボクシングファンはゼロだと思いますが、一応リンクも貼っておきます。
興行は10/13(日)、配信開始は17:00からとのことです。
そういえばもうすぐプライム感謝祭、せっかくの特典なので使用しない手はないでしょう。プライム感謝祭は10/17(木)先行スタート、感謝祭は10/19(土)、10/20(日)です。
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