マンション購入記〜4.住宅ローン編 (original) (raw)

「50年ローンってヤバすぎないか?」
「いや、ヤバすぎるが故になんでこんなものがあるんだ?」
「多分最近出てきたものだと思うけど、50年ローンなんてやる側にはやる側の論理があるはず……メリットもあるはず!!」

ということで、マジで必死に調べた。
関連する本も読んだ。

結論。
「今の時代、借金はできるだけ長く借りた方がよい。」

は?

何を言うとるんや? と思うでしょう。私も最初は思いました。
借金なんてしないほうが良いに決まってる!!!

しかしそういう考えこそが「借金は悪」「50年ローンなんて馬鹿げてる」という思考を生んでいるんだ、ということに気づきました。

「借金は悪」の考えに立つ者と、真逆の「借金はできるだけ長く借りた方がよい」の考えに立つ者とで、50年ローンに対する考えがマジで180度異なります。
色々調べた結果、現代において後者の「借金はできるだけ長く借りた方がよい」の論理は確かに間違ってはいないと思ったので、その考え方について書いていこうと思います。

この2者の差は単なる知識の差です。
知識だけでこんなに考えって変わるの? と怖くなったので……。

「50年ローン」のメリット
・住宅ローン減税
色々と条件があるので一概には言えないものの、減税の対象であればおおよそ住宅ローン残高の×0.7%が戻ってくる。13年間。

35年で借りた時と、50年で借りたときとでは、残債の減り方が異なります。50年で借りた方が残債の減り方が緩やかになる。だから同じ5年後、10年後でも、50年ローンのほうが多く残債が残っている形になる。

「長く借金してんだから当たり前だろ!」なのですが、住宅ローン減税に関して言うと、ローン残高に対して比率が掛けられるので、残高が高いほうがお得と言える。

これは繰り上げ返済についても同様。
住宅ローン減税の対象だから、13年間は繰り上げ返済はおすすめしないです! と言われるのはこのため。わざわざ残債を減らしてしまうと、もらえるものがもらえなくなっちゃうのだ。

・団信
住宅ローンを借りるとき、みんな入ることになる団信。
自分がもし死んでしまったとき、もしくは重度障害になって働けなくなってしまった時、などに借金を肩代わりしてくれるものです。

なんと、知らなかったのですが、この団信は通常の保険会社と契約する生命保険やがん保険より遥かにお得であるというのです。

例えば3500万円を借入したとき、団信の金利はだいたい0.2%として利息分を35年の月々で割ったものを保険料だとすると、約3000円になります。保険金は1/2の1750万円とすると、月々3000円で1750万円の保険がつくと考えられる。
一般的な保険料で考えると、同等の保険を得るためには7000円以上かかります。
がん保険に関しても、金利0.1%、つまり月々1500円ぐらいの格安で保険がかかる。

これは50年で借りた場合も月々保険料はほぼ同等金額と考えられるので、長く借りていたら同じ保険料で長くお得な生命保険、がん保険に入ってられるということに……。

確かに営業マンにも、「ローン入ってすぐに乳がんになった方がいて、その人は100%保険に入っていたので全額免除されてました」と。
がんになるのは別にいいことじゃないが、50年も生きてたらがんぐらいは見つかるかもしれないし、それで一瞬で借金チャラか……期待値的には高そうだな……というのが体感的にも思えるんではと思います。

計算すると、
50歳で残債2000万円でがんになった時の保険金の期待値は、2000万円×罹患率0.7%=14万。対してがん団信ローンの金利は0.5%ぐらいなので10万円。確かに期待値のほうが高いんだよな。

保険の面では団信って確かにお得なんだ!!
お得な理由もわかる。
だってローンってみんな入るし、しっかり審査するし、住宅ローン入る人って若い人が多いもんね。

実際、50年ローンを組める銀行は増加傾向にあるようですが(最近京葉銀行が話題になっていた!)団信のお得さ勝負になってくるのでは? と言われているほどです。

・お安くなったぶんを投資

まず3500万円の借入を35年と50年で返済する場合の月額を比較してみると、以下となります。金利は0.5%、50年ローンの場合は+0.1%として

35年:約9万/月
50年:約6.7万/月

参考までに億ションは、

35年:約26万/月
50年:約19万/月

となり、劇的に月額が減ります。
この金額だけ見ると、実際やるかどうかは別にして、ボーナス払いなんかも組み合わせたら億ションも払えない金額ではないのでは? という気持ちになるよね。

ともかく、50年ローンにすると月々の支出がいくらか減るのでその分が浮く、と考えることができます。
そしてその浮いたぶんの金額を、金利以上の利回りで投資に回して稼いでいけば、お得に生きていけるじゃん!! となる。というか、そういう考え方がある、というわけ。

日本は金利が低いので、今回の場合だと0.6%金利に対して、お金を投資に回したときの期待利回りが4%ぐらいはあるらしいので、多少これから金利が上がってもまだ全然、今を安くして投資に回す=長く借金をしておく、方がお得だと考えられるわけなんですね……。

これは確かにそうなんだよな。
でも、浮いたぶんを「散財するぜ!!」て散財してたら全然だめなわけで。意思を持ったお金の運用が必要になります。ただそれをするとメリットは確実にある、ということ。

俺は50年ローン? ええマジ? と思っていたが、確かに長く借金をすることで、その間に投資で稼げる可能性がある。
投資への意識を向けるきっかけになりました。
「意思を持ったお金の運用をするなら」確かに50年ローンって全然アリなんだ。

「50年ローン」のデメリット

というより、これは「リスク」と置き換えるべきかも。
・売却時の残債割れリスク
「結婚した」「転勤になった」などでは、マンションを売ればよい、という話を前編でしました。
すると残債以上の価格で売却できないと困ってしまうわけなのですが、メリットで話したとおり、50年ローンでは残債の減り方が緩やかです。
そのため、残債よりも売却費が安いという、残債割れリスクが高くなります。

故に、資産性を考えてマンションを買いなさい――と強く強く言われることになるのです。
50年ローンは新築のタワマン前提!! なんて言う人がいうぐらいです。都内のピカピカのタワマンだったら、大幅に資産価値が上がっていくだろうから、(買えるなら)そうしたほうが勝ち確定です。

・残りのローンを払えなくなるリスク
多くの人が「定年後はどうするの?」とまず思ったと思います。

でもこれまでの話で、きちんと資産性を考えて買い、売るべきときに売れば売却益が出るという話はしましたよね。
なので、必要なら「売る」という選択肢をとることができます。
そもそもローンはしっかり50年払いきらなくてはいけない! という意識が強すぎなのです。
別にしっかり50年払わなくたっていい、というか、払う前提で買ってる人はほぼいないと思います。
住宅ローン減税を受けきったら売って出た売却益で新しい物件を買うぞ! とか。
そもそも住むつもりだったとしても、それまでに病気になったら全部チャラにできるぜ!
という気持ちでいる人のが多いのです。

それでも売りたくなくて、でも払い続けるのが不安で……

という人は、繰り上げ返済が可能です。
50年ローンをあとから35年に縮めることは可能です。そうすればその後の利息は気にしなくていいから、50年払い続けるときに払うはずだった利息をチャラにできます。

でも35年を50年にすることはできないんだよ。
だったら長い方を最初選択しても別に良くない? と私は思ったのだ……。

根強い「借金は悪」「借金は怖い」という考え方

でもなんとなく、借金って怖いよね。という感覚ってあると思う。私もそうでした。

・デフレとインフレ
そもそも日本は長らくバブル崩壊が尾を引いたりなどの要因から長らくデフレでした。これって世界的に見ると珍しいらしく、日本以外の多くの国はインフレです。そして日本も、徐々にデフレを抜け、インフレに転換しようとしています。なんとなくわかるよね。

インフレになると貨幣の価値が下がります。
したがって、借金の価値が下がります。
そして借金をする代わりに得たモノの資産の価値が上がります。
よって先の話のとおり、借金をして浮いたお金で価値が上がっていくモノに投資をする、という考えは時代に即しているし、戦略として正しいと言えます。

・住宅ローンという借金
先の投資の話でも出たように、金利がありえんぐらい低いのが住宅ローンなのです。

投資の利回りが2%とか4%とかなのに対し、1%以下。これから金利が上がっていくなんていう話もありますが、まだまだ全然低い。超低金利。よっぽどすごいことでも起きない限り、劇的に金利が上がるとは思えない、と言われています。
世界的に見てもマジでありえない借金なのが住宅ローンという代物らしいのです。

というのも、日本人って真面目だし、雇用が安定してるからなんだとさ。
そう聞くと納得だよね。
こんな超低金利なのに怖がってるくらいなんだから……と考えることもできます。

・マンション価格の暴落

たまに見ると思う、この文言。
マジ? 暴落するの? じゃあやっぱり怖いやん。と思うけど、「今後人口減少していくので、不動産価値というものは下がっていく」という主張です。
でも人口の二極化って話だよね。地方から人がいなくなって、都心部に集中するよね。
じゃあ都心部の不動産価格はやはり下がることはないし、逆に人がいなくなる土地の不動産は下がっていくよね。
暴落するのは都市部以外の話のことです。

じゃあやっぱり立地が〜……資産性が〜……の話になるんだよね……。

というわけで、そんなに50年ローンって悪い話ではないな、というより、俺はモノを知らなすぎるな、という感想を持ったのでした。

なのでちゃんと投資のことを勉強しつつ投資もして、お金のことを考えながら50年借金するのはアリだと結論するぜ!!!

そんな機会をくれてありがとうな営業マン!!
でも説明してくれよ!! 俺がモノを知らなすぎるのにマンション買うのがいけない? 一理あるぜ……。

最後に。
50年ローンって、30歳未満しか借りられないらしいです。

ならなおさら乗るしかねえ、このビッグウェーブに!!!!!!!!!!!

みなさんも少し、これを読んでお金のことを学ぶきっかけになったら幸いです。
この話を書くためにブログを書いたと言っても過言ではありません。