最近観た映画のメモ(2024年3月 その3) (original) (raw)

デューン 砂の惑星 PART2』(2024)監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ

現在公開中。第一部で一家を滅ぼされ、身重の母とともに砂漠の民に拾われたアトレイデス家の嗣子ポール(ティモシー・シャラメ)。砂漠の民と同化しながら、仇敵ハルコンネン家への復讐の機会をうかがい、同時に救世主としての宿命にも目覚めるのであった…というお話。

うっかり前作の復習を怠って鑑賞に臨んだところ、ベネ・ゲセリット?クウィサッツ・ハデラック??といった用語の意味をすっかり忘れており、脳内記憶庫を大あわてで検索しながらの鑑賞。おかげで内容についていくのが必死だったので、そのへんしっかりおさらいしてから観ましょうね。

まず映像は凄いです。広大な砂漠、巨大な砂虫、重厚なメカ、それらが繰り広げるスペクタクルをアートのような美麗なルックで埋め尽くす3時間。眼福です。これは劇場で見る価値があります。IMAXなど、できるだけ設備の整った環境で観るのがおすすめ。

しかしどうも一本の映画としてはいまいち乗れず、別に何が悪いわけでもないのになんでだ。やたら長いからかな、とか設定忘れてたからかな、としばらく考えていたのですが、どうもこれはポールの宿命とか心境の変化を読み取り損ねていたためっぽい。

ポールは救世主として砂漠の民を率いていく運命を自覚しつつ、しかしその結果多くの民が苦しむ未来が見えている。しかしそれを知らない周囲は彼を救世主として祭り上げようとする。その葛藤をどう乗り越えていくかがドラマのキモ、なのかと思いきや、そこが謎の青い水を飲んでバッチリ覚醒!葛藤スッキリ!となってしまい「ええんかそれで」と感じてしまったところに問題がありそう。内的葛藤を自らの力で止揚するのではなく、薬物で安易に解消してしまったように見える、というのがどうも自分の引っかかったところらしい。

この辺、原作を読んでいれば、ドラッグによる自己の拡張とか開放とか、書かれた当時のカウンターカルチャーに根ざした思想が垣間見えるのかもしれませんが、すいません原作読んでないです。話としては限りなく神話っぽいので、そういう葛藤の解消とかなくても全然ええでしょう。神話なんだし。という気もします。そういうのを求める映画でもないだろうと。

むしろ、契った彼氏、つまりポールが人混みに流されて変わっていったため最後は自分から離れていくのをやりきれない気持ちで見守るチャニ(ゼンデイヤ)の気持ちを軸に観たほうが、すんなり受容できるかも知れませんね。

で、これPART3まであるんかな?ありそうだな〜。

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ワンダーウーマン』(2017)監督:パティ・ジェンキンス

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DCユニバースの映画は全然観たこと無いマンでした。しかしうちの奥さんが執拗におすすめしてくるのと、ネトフリで観られるのが3月末まで!ということで腰を上げて鑑賞に挑んだわけです。

もうなんというか、**ガル・ガドットちょうステキ!ガル・ガドットかっこいい!以外の感想が出てこない。容姿、立ち居振る舞い、決めポーズ、どれをとっても女神ぃ!としか思えない。なのでわりとゆるめのプロットとかCGの臭いが微妙にとれないアクションとかパンチのない悪役とか、そういうのはどうでもいいからガル・ガドット出しなさい!出したか!よし!**とこれだけで納得できてしまう。これくらい高出力の役者がいるとそれだけで満足できちゃう映画ってあるんだなあ…と感無量です。

そんなガル・ガドットの光芒の影になり男性陣はだいぶ存在感がうすいのですが、クリス・パインは気の良いあんちゃんオーラを放っていて良かった(語彙力)。

『007/ゴールドフィンガー』(1964)監督:ガイ・ハミルトン

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4〜5年ぶり、通して観るのはこれで5、6回目かな?ご存知007の映画のフォーマットを確立させたシリーズの重要作。さすがに60年前の映画だけあっていろいろ時代を感じますね。ボンド側も悪役側もなんというか、鷹揚というかコセコセしてないというか、今の目でみるといろいろ詰め甘くね?と思っちゃいますが、そこはクラシックな味わいとして賞翫したいところ。

七代目ボンドがアーロン・テイラー=ジョンソンに決まりそうで、撮影開始は秒読み、時代設定は冷戦の頃(つまり一種の時代劇ですね)になるかも、なんて噂もあるので、もしかしたら「ゴールドフィンガー」もリメイクされたりして、そうなったら細部を見比べて、みたいな楽しみかたもできるかも知れませんね。