小説の準備 (original) (raw)

『情況』の夏号がぜんぜん見つからない。大きな書店をめぐってみたがどこも置いてなかった。夏号なのでもう厳しいのか。ネットで探しても取り扱いなし注文不可ばかりで購入は難しそう。ゆいつアマゾンとかいうネットのごみ集積所には在庫ありとあったけどゴミ漁りするほど落ちぶれるわけにはいかないのでそのうち古本屋で発見できること願いたい。

あと先週の新聞の広告欄に『TANKURI』2刷出来とあったが、こちらも今のところどこにも見かけなかった。いまネットで調べたところ、著者の中村恭子さんのサイトで「お求めの際は水声社への直接注文またはお近くの書店へご注文ください」とあったので、注文しないと購入できないのかも。紀伊国屋のサイトでTANKURIを調べたら「ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません」と出る…リアル書店で注文しないとダメなのか。

先週くらいから急激に寒くなってきたので掛け布団を取り出そうとしたのだが、まさか、嘘だろ、と驚くくらい布団にカビが生えていた!ここ四、五年くらい梅雨時期や台風時期にちょっとでも手入れを放置すると革靴にカビが生えるようになっていて、気候変動やべーなと実感してはいたが、まさかしまい込んでた布団にまで影響がでるとは思ってもみなかった。除湿剤も期限切れがでないようこまめに交換はしていたのだが、畳んで折り重なった面にカビが生えていたので、湿気がこもってしまうような部分は難しいのかもしれない。ただいつもはクローゼットの上の棚にしまいこんでいたのだが、今回はめんどうがって下の床の方に置いていたのがまずかったかもしれない。靴もカビが生えるのは下一段の靴くらいなので、今後床に近いところは要注意だな。掛け布団は実家をたよって余っている布団を送ってもらうよう依頼したが、それまで毛布一枚だと寒いのでシーツを上に重ねてなんとか寒さをしのいでいる。

・らせん訳『源氏物語

⇒『レディ・ムラサキのティーパーティ

・『人間の条件』

・『だいにっほん選挙及び、今年のブランド新作秋物バッグについて』

・『LGBT異論』

新宿区のプレミア商品券を使い切ってしまった。どんな本でも買えるという万能感を失ってしまった。最後に買ったのは『芸術新潮』11月号と『LGBT異論』。芸術新潮岡崎乾二郎流モネ鑑賞教室が面白そうだったんで買った。来週あたり読んでからモネ展に出かけてみよう。

昨日は東京国際映画祭出品作のゴダール『Scénarios』(『シナリオ』と『シナリオ:予告篇の構想』)を見てきた。どちらのラストカットもゴダールの一言ですごくピタリと決まっていて、それだけにゴダールっぽくない感じもして新鮮というかゴダール映画ではあまりない爽やかな気分をのこして席を経ったのだった。『シナリオ』は映画本編で、『予告編の構想』は『シナリオ』という映画についてのゴダール自身による詳細な解説を撮ったドキュメンタリーだったが、映画本編と解説されている構想とでまったく内容が違っていて笑った。あと解説途中で用意したシナリオ?に抜けがあって、急遽それを追加するためのドタバタというかゴダールの頑固爺っぷりもすごく笑えた。表裏あるページにゴダールがはさみを入れようとしてそれを周りが慌てて止めるシーンとか。あとゴダールが冒頭からずっとライターを握ってて、上記のドタバタの合間に葉巻を吸いだすとことか、どんだけ吸いたいんだよと。最後まで葉巻への嗜好が衰えなかったというのもすごい人だわ。

下の記事によると『Scénarios』は来年劇場公開予定のようだ。

・『発禁小説集』、鳥影社のエッセイ諸々

⇒『LGBT問題を考える 基礎知識から海外情勢まで』

・『人間の条件』

⇒『新ドイツ零年』

・『文学の創造』(「仮設」)

らせん訳『源氏物語』(「藤裏葉」「若菜 上・下」「柏木」)

⇒谷崎新々訳『源氏物語

『発禁小説集』

⇒『LGBT異論』『情況 2024年夏号』『だいにっほん選挙及び、今年のブランド新作秋物バッグについて』(11/6)

『文学の創造』(「仮設」)

『文学のすすめ』(「コラボレーション考」)

昨日、午前中『トラップ』を見て、午後『UNDERGROUND』を見てきた。今日、午前中『GAMA』を見て、午後、久米美術館で『久米桂一郎 日本絵画コレクション 銘品選』を見てきた。

『トラップ』はどんでんに継ぐどんでん展開のシャマランらしい映画だった。物語の仕掛け上、先が読みにくい映画ではあったが、基本的には一本調子というか後で見返さないと見えてこないといったような小難しさがなく、そこが娯楽として良いともいえるし、じゃっかん物足りなさを感じなくもないともいえる。

『UNDERGROUND』(2024)と『GAMA』(2023)は小田香監督作品だが、見る順番を間違えた。とはいっても、前者は東京国際映画祭の出品作で、後者はドキュメンタリー特集の一本として上映されてて、それぞれ期間中2回しか上映されないので、私のスケジュールでは製作順に見るのは元から難しかったのだが。前者では『GAMA』で使用されていた映像が結構な量(『GAMA』上映後の監督の質疑応答で、30分くらい使用されているとのことだった)使われており、それはまあ見てて何となく想像はついたのだが、前者の主人公の女性の髪の長さが一貫してなかったり、影が実体に先行して現れるような描き方はどういう意図があったのか、見終わってもなかなかこうといった考えにたどり着けずモヤモヤしていたのだが、今日『GAMA』を見て、スコンと抜けるように納得いってすっきりした。それぞれ独立した映画として見る事は可能だけど、製作順につづけて見た方がより大きなイメージの反響があって楽しめるように思える。『UNDERGROUND』は来年2月から上映されるみたいだが、『GAMA』は東京では単独での上映予定はないっぽい?

『久米桂一郎 日本絵画コレクション』は、チラシにあった菱川師宣の『立美人図』に惹かれて見に行ってきた。

8月に見てきた『摘水軒コレクション』の『立美人図』とおなじ構図だけど、こちらは見えている半衿?は肩っぽさが薄れて体がねじている感はあまりなかった。(林原美術館にもおなじ構図の『立美人図』があり、ネット画像で見たそちらは更に肩感・ねじれ感が薄かった)並べて見比べてみたかったので3000円したカタログを買って帰った。

おお!『ヴァンダの部屋』のBDが出る!DVDを買わなかったことを長年後悔しつづけてきた、ときおり無性に見たくなる映画のひとつ。まっくらな画面の奥からライターの火(ろうそくだったかも)がずるずると引きずるような足音とともに手前に近づいてくるシーンだけ、なぜか強烈に記憶している。

昨日の夜、読書からの連想のつぎ読むものリストが、さいきんその場限りですぐに頭のなかから消えていっている事が多い事にはたと思い至った。そこでブログのカテゴリー機能を利用して記録し、いつでもカテゴリーリストから見返せるようにしてみた。『文学の創造』は他の本を探していた時に目について、手にとって読みだしたら、あれもこれもとついつぎつぎと読んでしまった。抄訳とはいえ豊崎光一がプルーストの翻訳していたのにはじめて気づいた。読み始めたら止まらなくなった。プルーストも全編読み返したいが時間がな~。あとムージル(昭和43年発行のこの本ではムジール表記だったが)を読んでみたら、何となくスコリモフスキのアンジェイものの最初の2作が見返したくなったのでリストに書き加えておいた。

三宅さんのブログの19日に、2009年に一日で書き上げたという過去の掌編小説『牛頭変身譚』が掲載されてあり、楽しく読んだ。私は『亜人』以降の文章しか知らないので、この掌編の、こまめに読点を打たれて刻まれていく文章リズムにはじめすこし面食らったものの、前半の一文の長さとその読点により刻まれて言葉が粒だつようなごつごつとした文体から、後半の眠りから目覚めて以降の読みやすい長さにおさまっていく自然な(?)文章の文体への移行が、主人公の人から化け物への移行と合一しており、主人公は人よりも化け物でいる時の方が簡潔でスムースな思考をなしており、根源ではデビルマンみたいな存在(悪魔の数字もでてくるし)だったのかなという逆転した変身=文体(牛頭というタイトルだが、変身は足元から始まる)による優れた変身譚の掌編でした。夢の中と目覚めてからと、二度迷宮彷徨が繰り返されるあたりが個人的にはすごい好きだったし、笑った。