ペルー・ボリビア(9) コパカバーナを経てラパスへ (original) (raw)
9/27
8時ごろ ホテルにてピックアップ
PeruHop社のバスにて、コパカバーナを経てラパスへ
途中、コパカバーナを経て太陽の島観光
22時ごろ ラパス着
La Casona Boutique泊
朝4時半ごろには起床。
昨日は見ることのできなかった展望台からのプーノ市街の景色を、バスが出発する前になんとか見に行こうという算段だが、なんとか時間通りに朝起床することができた。早速身支度をして、ホテルを出て展望台に向かう。
展望台へはしばらく人通りのまばらな道をいく。Google Mapに従って歩いていくが、大通りから小道に入ったあたりで少しずつ傾斜がきつくなってくる。プーノの町は標高3820m、すでに富士山よりも高いところにいる。息切れが激しい。
急な上り坂をいく。ちょっと一息
心臓破りの坂をなんとか上り切って、先ほどの大通りに再び合流。ここからは公園への遊歩道となる。なんとか上り切って展望台に到着すると、気性の荒い2頭の犬が吠えかかってきた。しかしながらこちらが景色を眺めるためだけに登ってきたことを理解したのだろうか、吠えるのをやめて遠くからこちらを見ている。
階段を登ると、ジャガーの像が目立つ展望公園に到着
展望台からはレンガ色の直方体が綺麗に並ぶプーノの街並み、そして奥には太陽の光を反射するチチカカ湖が見える。とても美しく印象的な景色だ。来るのは大変だったが、本当に来て良かったと思う。夢中でたくさんの写真を撮った。
素晴らしい景色が広がっていた
展望台のある公園を下っていくと、先ほどの二頭の犬が公園入り口まで付いてきた。こちらに吠えかかることも特にない。懐かれたのだろうか。かなり下までこちらの様子を伺うようについてきたが、途中で自分の縄張りから外れたのだろう、姿を消した。
朝のPlaza Mayor de Puno
先ほど登ってきた急な坂を降り、ホテルに戻る。
朝食を済ませ、荷物をまとめてロビーへ。3日前に迎えてくれた女性ガイドが待っており、本日のバスチケットを渡してくれた。PeruHopというバス会社が運営する観光バスで、当初は含まれていなかったはずであるが、太陽の島の観光も含まれているらしい。ラパスへの到着は夜かなり遅くなるそうだが、この女性、上機嫌だった3日前と比べると朝早いからかやや不機嫌そうで、ラパスの状況について何か知っているかを尋ねたが、特に知らないです、とのことだった。
朝食
ホテルのフロント
迎えの車が来て、女性ガイドと別れ、ホテルを出る。リムジンバスで湖のほとりの駐車場へ。バスが待機しており、荷物を預けてバスに乗り込む。乗客は若い人が多く、賑やかだ。席は特に指定されておらず、空いている席に座り込んだ。程なくして、バスは出発。
出発すると、バスガイドが本日の旅程や、ボリビアでの入国手続きについて説明してくれた。入国手続きに加えてオンラインの税関申請をしなければいけないらしい。バスのナンバープレートの番号なども入力させられ、入力し終わるとQRコードが生成された。太陽の島はオプショナルツアーとのことで、20ソルを別に徴収されたが、これはガイドの勘違いですでに料金が支払われていたらしく、程なくして返却された(本来太陽の島は旅程に入っていなかったのだが… まあ、ありがたく行かせていただこう)。
車窓
バスは若者が多いこともあって、なんだかソワソワした雰囲気だ。特にカンザスかどこかから来たと周囲の話しかけやすそうな女性を見つけては大声でベラベラ話す米国人青年がおり、自分の親はネブラスカ出身だとか、graduate schoolを卒業してどうのこうのとか、誰も聞いてないことをひたすら延々と喋っている。喋っていないと落ち着かないタイプの人間なのだろうがとにかく五月蝿く、耳栓をして音楽でも聞いていることにした。若者特有のこういう他人との出会いを求めてソワソワしている感じが昔からどうにも苦手なのだが、私もかつて、それこそ大学生の頃もそうだったのだろうか?私はその段階を経ずに社会人になってしまった気がする。まあ、あの段階を経たいとは思っていなかったけれども、若気の至りでしか挑戦できないものというのも、確かにあるのだろう。
チチカカ湖のほとりを数時間走り、11時過ぎにはペルー・ボリビア国境に到達した。国境ゲートには地元のインディヘナが座って時間をつぶしており、とても平和的な雰囲気だ。ガイド曰くコパカバーナよりも、この国境での両替を推奨するとのこと。手持ちのソルをほとんどボリビアーノに両替し、ペルー側の出国審査、ボリビア側の入国審査と続く。特記すべきこともなく、あっさりとボリビアに入国した。
国境。ペルー側より
ボリビアに入国
ここからは10分程度で、コパカバーナの町に到着。町の外れにあるホテルにバスは駐車した。バス会社とホテルが提携しており、ここに荷物を置いて、太陽の島の観光に向かうという。
コパカバーナという町の名前は「place to relax」を意味するアイマラ語の「Kotakawana」に由来する。ブラジルにもコパカバーナという同じ名前の町があるが、これはこのボリビアのコパカバーナにちなんでつけられたものとのことだ。まずはバス会社の提携しているTaipi Utaというレストランで昼食。席は団体で予約されているようだが、当然自費である。レストランの2階に上がってテラス席を占拠し、スパイシーなTroutのグリルと(ジュースの中で一番安かったので)レモンジュースを注文した。
コパカバーナ。リゾート的な雰囲気も漂う
昼食
日陰のテラス席ではひんやりとした風が吹いている。高度が高いこともあって日差しは強いが、真昼間でも風は存外冷たく肌寒い。あとからやってきてテラス席に座った例のマシンガントークアメリカ人青年が、ガイドの若い女性二人と話し込んでいた。常にベラベラ喋っているこんな詐欺師のような男が、南北米大陸では好青年に見えるのだろうか?外国人の考えることはわからぬ。
港の目印となる錨のモニュメントに集合し、ガイドに導かれて太陽の島への観光に出発。
太陽の島へ出発
太陽の島までは2時間ほどかかる。細長く伸びる半島に沿って船は進み、しばらくすると島が見えてきた。太陽の島である。船は船着場に着岸し、島に上陸。上陸してすぐのところにインカ帝国時代に作られた太陽神殿がある。ここで島への入場料10ボリビアーノを徴収された。この太陽神殿はいまだに祭りの時に使われている現役の神殿らしい。ガイドブックには入場禁止と書かれていたが内部に少しだけ入ることができた。島に作られた段々畑もプレインカ時代からのものであるそうだ。
太陽の島に上陸
インカ時代の神殿が今も使われている
坂道を登っていき、島を散策する。散策するといっても、意外と広い太陽の島のごく一部を散策するのみである。坂を登り切ったところに広場があり、ここで記念撮影。ガイドが島についての解説をしていたが私はほとんど聞いておらず、眼下に広がる景色を眺めていた。なお、かつてコロナ禍か何かの時に韓国人観光客がこの島で行方不明になったことがある、島内でのいざこざに巻き込まれたのかもしれない、などという話だけは記憶している。本土から長い送電線が引かれているのが印象的だった。
しばらく道なりに歩いていき、途中で道を右手に折れ、再び坂を下っていく。島の滞在時間は2時間ほどと、観光としては短すぎるくらいだ。一部のツアー参加者はこの太陽の島に宿泊するそうだが、ほとんどの人はここで太陽の島観光を切り上げることになる。沢の水がひかれ、たくさんの木々や花々が生い茂る中、綺麗に整備された小道が付けられている。まるでイングリッシュガーデンのような、美しい田園風景だ。
美しい風景
坂を下り切ったところでしばらくトイレ休憩となり、その後船に乗り込む。滞在時間はタキーレ島未満、本当に短い滞在だった。船は元来た道を戻り、再びコパカバーナへ。
船着き場付近の光景
相変わらず距離の割にコパカバーナまでは時間がかかり、コパカバーナの港に着く頃には太陽は少し傾き始めていた。徒歩でバス停のあるホテルに向かい、荷物を回収してトイレを済ませる。トイレの窓から見たチチカカ湖の風景がとても綺麗なのが印象的だった。
18時ごろに、バスは出発。バスは二台あり乗客は二手に分かれるが、私は古いオレンジ色のバスをあてがわれた。バス停を出発すると、九十九折りの道で景色がどんどんひらけてくる。コパカバーナの市街地が小さくなっていき、チチカカ湖のきらめく湖面が、眼下のはるか下に見えた。残念ながら景色が良いのが私が座っていたのと逆のサイドで、ほとんどまともな写真を撮ることができなかったのが実に惜しい。
コパカバーナが遠ざかり、日も暮れていく
しばらくするとすっかり日が暮れ、ティキーナの港に着く頃にはすっかり真っ暗になっていた。ここで一旦バスを降り、乗客はボートで、バスは筏で湖を渡る。バスに乗り込んでいた全員が乗り込むには狭すぎるのでは?と思ったが、実際は特に問題なく20-30人程度の乗客全員がボートに乗り込んだ。ボート内は明かり一つついておらず、ただただ船の揺れに身を任せるのみである。
ティキーナに到着。バスを降り、船で対岸へ
次第に日が暮れて、ほどなくして真っ暗になった
ボートはバスが来るかなり前に対岸に到着し、ここでしばらく待機。たくさんの人々が待機する広場には、地元の人々が営む軽食屋が並んでいた。ろうそくの火を灯したその風景には、とても風情がある。スクランブルエッグやソーセージなどを焼いたもので、7ボリビアーノとのこと。
特にお腹も空いていなかったので、ここではこの食べ物を試すことはなかったが、今となってみては食べてみても良かったかもしれないと思う。相変わらず例のおしゃべりな米国人青年が他の女性にこの料理についての知識自慢をしていたので、食べる気が失せてしまったというのもまあ、否定はできない。笑。
港に並ぶ売店。ふと空を見ると天の川が広がっていた
広場にバスがやってきて、バスに乗り込む。ここからは1時間ほどで到着するかと思いきや、エルアルトが近づいてくると道端に大量に捨てられているゴミが燃えていたり、ゴミを野良犬が漁っていたりとなかなか不穏な光景が広がっていた。バスも混雑を避けてか、大通りを直線的に進まず、まるで迷路を進むかのように小道を何回も曲がって進んでいく。
エル・アルトを抜けて、ラパス中心部へ向かう高速道路に入ると、右手には素晴らしい夜景が広がっているのが見えたが、残念ながらこちらは私の座っていた側ではなく、写真を撮ることはできなかった(事前調査不足である。このバスは、後半は絶対に右側に座ったほうがいい)。
反対側の車窓には、美しいラパスの夜景が見えた
程なくすると中心市街に至ったが、バスはまだ開店している床屋の多いホテル近傍の一角で私をドロップして、2ブロックくらいだから歩いていけるでしょ、的な感じで去っていった。金曜日の夜のラパス市街は酔っ払った雰囲気の怪しげな人が多く治安が良さそうには到底見えず、そそくさとホテルに向かう。大通りに面したホテル入り口に入ると、美しいパティオが広がっていた。ロビーにて、早速チェックイン。自分の部屋へ向かう。時刻はもう10時を回っていた。
明日はティワナク遺跡への日帰り観光後、ロコたびで連絡を取っていた日本人ガイドに導かれ、ラパスの夜景ツアーへ。素晴らしい旅の締めくくりとなることを期待しつつ、夜も遅く疲れているので寝ることにする。
ホテルに到着。おやすみなさい