武蔵野の森公園に展示されている「旧陸軍100式輸送機2型プロペラ」 (original) (raw)

以前下記の記事で武蔵野の森公園に展示されている掩体壕を紹介したことがある。

citywalk2020.hatenablog.com

ネットで調べ事をしていたら、武蔵野の森公園に旧陸軍輸送機のプロペラが展示されていることを知った。

以前訪問した時には、既に展示されていたと思われるのだが、その時はまたその存在を知らなかった。

訪問日 2024年9月19日

武蔵野の森公園正門

武蔵野の森公園案内図

受付で見学票に記入する。

まず、展示されていたパネルから見ていこう。

旧陸軍 100式 輸送機 2 型プロペラについて

このプロペラは、太平洋戦争中に旧日本陸軍の主力輸送機として使用された100式輸送機2型(キー5711)に装備 されていたものです。
2009年秋に都立武蔵野の森公園整備工事の現場から、3基のプロペラが出土しました。当初はそのうち2基が三式戦闘機「飛燕」のもの、1基は五式戦闘機のものと判定され、ここに展示されているプロペラは三式戦闘機のものと 考えられていました。その後、この展示の準備中、プロペラ表面をクリーニングしたところ、新たにプロペラの銘板(仕様を記した標識)に100式輸送機の文字が発見され、調査の結果100式輸送機2型のプロペラであることが分かりました。完全な形だと直径は3m26cmあります。
都立武蔵野の森公園や現調布飛行場の前身は、1941年(昭和16年)4月に開港した官民共同飛行場でしたが、8月には陸軍専用となり、首都防衛拠点として軍用機が多数配備されました。調布飛行場には、飛行師団の司令部などが 置かれていたため、戦争末期には100式輸送機によって要人の輸送が行われていました。

1945年8月敗戦を迎え、9月に飛行場はアメリカ軍(占領軍)により接収、武装解除により軍用機は焼却処分となりました。今回出土したプロペラは何らかの理由で地中に埋められていたものと考えられています。

東京都ではこのプロペラを、戦争の悲惨さや平和の尊さを次世代に語り継ぐ歴史遺産として、武蔵野の森公園にて展示保存することにしました。

旧陸軍 100 式輸送機 キー57

100式輸送機は、旧陸軍の三菱97式重爆撃機(キ-21)を改造することにより開発された、陸軍主力輸送機です。1941(昭和16)年に制式採用された1型(キ-57-Ⅰ)は、性能も速度も安定した97式重爆を引き継いでいるため、輸送機としての性能は優秀でしたが、エンジンの信頼性が低いことが問題で した。そこで、新たにエンジンをハ102に換装し、機体の一部も改修した結果、性能や信頼性が向上し、 昭和18年に100式輸送機2型(キ-57-Ⅱ)として制式採用されました。終戦の年まで1型と2型を合わせて、日本の輸送機としては最多の517機が生産されました。

エンジンの出力は、1,050馬力×2、最高時速は470km/hで世界でもトップクラスの高速輸送機でしたが、一方で座席が少なかった(11席~19席)ため、大規模な人員や貨物の輸送よりは、飛行師団 などの司令部や本部の輸送・連絡用や、小規模な物資の輸送用に適していました。
また、生産機の一部は落下傘部隊輸送専用に改装された「ラ装置機」として使用されたり、軍用機としてのみならず、民間機型(三菱MC-20型旅客輸送機)も生産されており、新聞社の通信連絡機としても使われました。

写真

次に展示されているプロペラを細かく見ていくことにしよう。

全体

右側

左側


あれ?

プロペラにシールみたいのが見える。

向きを変えてみよう。

調べてみたところ、クリーニングした時に見つかった銘板だった。

上段から

機体名稱 一〇〇輪 取付角 高
(二型)
ハ一〇二
製造番号
直 径 3m26 製造年月日

掩体壕調布飛行場の歴史」パネル展があり、写真を撮りまくったが、説明書きを見るとSNS等公開禁止と書かれていた。

紹介できないのは残念。