異形コレクション49「ダークロマンス」その3 (original) (raw)
『魅惑の民』菊地秀行
なにこの‥‥‥
登場人物がイニシャルだけなのは、実名出すと面倒くさそうだからなのか、あくまで空似ってことなのか。
それにしても子供に蟻をたからせるとはどういう嗜好なんだろう。
まあ、昔はこの人の作品が面白かった時期もあったんだけど、今は正直……
『再会』井上雅彦
これのせいで読み終わるのが遅れた。
昔、キャラメル味だかコーヒー味だかの茶色いキャンディが存在していた。まるで車の油のような吐き気を催す臭い、吐き気のする異様な甘さ、舐めても中々無くならない異様な堅さ。そしてそれを美味い美味いと言いながら口に入れる母。どれをとっても良い思い出のないこのキャンディーは最近ようやく生産中止になったそうだ。甘味の不足していた時代の人間にはこれが救世主だったのかもしれない。この人の文章はそれに似ている。
というのが大体読む前の感想。要するに出来ることなら読みたくない作品ってこった。
ドンデン返しは有るのは有るが、結局それまでの目の滑るような文章が雑というか…落ちの衝撃度を下げるためにただの雑多な文字列を並べて作品への期待値を上げるために読む気のしない文章を並べているという、これまでも何度か出会ったこの人の作風。せめて途中の文章がジャンル違いの何かを思わせて非常に興味をそそる文章だったなら良かったのだが、単なる意味のない文字列の羅列でしかなく読んでて苦痛でしかない。短編なのに長編読んだ時のような疲労感がある。
もしこの人の作品を初めて読む人が居たら、声を大にして言いたい。これ別に読まなくてもいいよ。読めないのはあなたのせいではない。作者の技量のせいだから気にしなくても良い。お世辞を言う必要すらない。
ついでに言うと私は序文も読んでない。読んでて辛いからだ。面白い小説を読むためにこれを買ったのに、わざわざ面白くない作品まで読む必要があるだろうか?いやない。