南大沢の映画館に行ったのは数年ぶりだと思う (original) (raw)

映画館自体には、去年の夏ぐらいに、立川立飛の映画館でリトルマーメイドを観たり、去年の冬にワカバウォークゴジラ-1.0を観たり、同じくワカバウォークで今年の春にオッペンハイマーを観たり、昭島の映画館でブルー君は大丈夫を観たりしていた。けれど南大沢の映画館は、たぶん2021年の春ごろだろうか、シンエヴァンゲリヲンを観て以降、3年以上行っていないと思う。あの頃の映画館は、シートが三密を避けるように一つ飛ばしに座ることになっていたと思う。途中の道のりの風景があまりにも懐かしく久しぶりに思えたりあるいはあまりにも街並みが変わっていることに切なさを覚えたりした。劇場内のレイアウトも少し変わっていたし、最近いった映画館のどこと比べても狭くて小さくなってしまっているように思えたりした。10:00公演の回だったこともあり、シアター内には10人も人がいなかった。200人は入るとおもうがほとんど人がいない状況だった。こんな状態の映画館で映画を観たのは久しぶりだった。私はど真ん中の席で観ることができた。非常にいい位置だった。映像はほかの映画館にくらべると少し小さく思えたけれど、ど真ん中に座るとちょうどよかった。最近は何を観ても泣けて涙で眼鏡が汚れてしまうので今日はハンカチを持って行った。ひっきりなしに泣いてしまった。映画自体は2000円で、駐車場が880円だったと思う。むかしからこんなものだったかどうかは分からない。提携駐車場に止まれば、880円は無料で済んでいただろう。auスマートパスかなにかの割引を使えばもう少し安く観られたかもしれない。けれど、そんなにケチっても仕方なかった。映画を観終わった後、ゲームセンター前あたりの吹き抜けの座れる場所に腰かけて、感想をXにポストしたりブログに書き込んだ。むかしもスマホでブログを更新することはあったろうか。たぶんなかった。高校生の頃からずっと、帰り道で感想を考え続けていたと思う。でもすぐに感想を記録しておいたほうが考えやすいと思う。自分は芸術作品から人生のヒントを得るタイプの人間だから、得たひらめきをすぐにメモらないともったいないことになってしまう。

帰り道、通りなれた道を通った。いつも助手席に元カノがいたなと思う。きっと、いつも楽しかったというわけでもなかったかもしれないなと思う。それでも、コンビニの前のバス停で裾の誇りを払っている高齢者を観た時、急に、どうして私はいま独りぼっちなのだろうと急に、そのおばあさんでもだれでもいいからそばにいてほしいと思って哀しみを感じた。そうしながら、実は今見てきた映画が、全体としては、壮大な幸せな別れの物語だったことに思いがいたって、いてもたってもいられなくなったのだった。