日本のホテルを買いあさる「中国の不動産デベロッパー」の思惑 | 香港の投資家が熱視線 (original) (raw)
香港を拠点とする不動産大手やホテル運営企業が数年前から相次いで日本に進出し、ホテルの買収に力を入れているという。なぜ日本なのか、どれだけの利益を上げているのか──香港紙「サウス・チャイナ・モーニング・ポスト」が取材した。
アジア太平洋で最大の不動産投資市場
日本は低金利環境のもと、観光地として人気が高まっていることから、2024年は国内のホテル投資が過去最高を記録する見通しだ。
香港と中国本土が景気減速に見舞われ、さらには中国と欧米間で地政学的リスクが高まるなか、香港を拠点とする投資家にとって日本のホテルは堅実な分散投資の機会を提供している。
不動産コンサルティングを手がけるジョーンズラングラサール(JLL)の推計によると、日本のホテルへの投資額は2024年に過去最高の6000億円に達するとみられている。JLLが関わったホテル取引は上半期時点ですでに3780億円相当に達し、前年同期比で64%増加している。
不動産サービス大手シービーアールイー(CBRE)のアジア太平洋地域調査責任者、エイダ・チョイは「日本の底堅いファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)が引き続き投資を引き付けています」と指摘する。
CBREのデータによると、2024年上半期は日本がアジア太平洋地域で最大の不動産投資市場となり、総額135億ドルの投資資金を集めた。そのうち26億ドルは海外投資家によるものだという。
第2位の中国は総額133億ドルを集め、うち9億ドルが海外からの投資だった。
銀座のホテルで年8%のリターン
アジア第2位の経済大国・日本でホテルを買いあさる投資家には、中国と香港でホテルを所有・運営する不動産投資会社「漢国置業」のほか、香港上場の不動産大手「遠東発展」やホテル運営の「帝盛酒店集団」を率いる邱一族などが名を連ねる。
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