令和7年度共通テスト 地理総合,地理探求 試作問題解説 (original) (raw)

問題は大学入試センターからダウンロードしてください

www.dnc.ac.jp

第1問

問1

私は見たら分かる間違い探しのような問題をウォーリー問題と読んでいる。

(余談だが共通テストの休み時間にウォーリーを探せを読むのは恐ろしく効果的だ。なぜなら、すぐに集中できるから。そして何より周りの人間に「なんだコイツ!」と思わせ、平均点を下げられるかもしれない。コツは1分間のタイムリミットを設けることだ。)

この問題はウォーリー問題だ!

難民は、両年ともアフリカや①西アジアの国々で多く発生している...

どう見ても正しいです。本当にありがとうございました

2000年と2020年の図を見比べると、この間に、②新たな内戦・紛争や政治的迫害がは生じている...

シリアとミャンマーで急激に増えているのでどう見ても正解です。

ちなみに、シリア内戦は**アラブの春**の影響で始まった内戦で現在まで続いているので知ってる人も多いと思います。ミャンマーでは最近(2021)クーデターがあったように政治的に不安定です。

③難民の出身国周辺の国であるも見たらわかります。

④は共通テストっぽい問題です。わたしたちの知らない指標を持ってきて計算させるパターン。

GDP1ドル当たりの難民受入れ数は、難民受入れ数/GDP per capita となりますよね。

1時間当たりの移動距離が時速になるのを考えれば自明です。

単位の話なので地理関係ないです。

ドイツは絶対分かると思いますが、ウガンダはどうでしょうか。ウガンダが分かれば、GDP per capitaはドイツの方が大きいのは自明なので、先程の指標は小さくなるので④は誤りだと分かります。

分からない場合でも、GDP per capitaの差を考えればルワンダの受入れ数は倍以上は多い必要があるのは分かるので消去法で解くこともできます。ドイツより受入れ数が明らかに多い国はトルコとパキスタンぐらいでルワンダではないですよね。

ウォーリー問題は明らかに違う選択肢が一つあるので、そこを見つければ絶対解けます。

問2

これはウォーリー問題と双璧をなすクソ問題、常識問題。

③完成品メーカーは、紛争鉱物が含まれいるかを最も特定しやすいため...

そんなわけあるか!

紛争ダイヤモンドなど紛争鉱物の問題は今までに絶対教わったはず。知らなくて普通に考えて分かる何のおもしろみも無い問題です。

ちなみにコンゴ民主共和国はコバルトの生産量が世界1位(全体の約7割)です。

問3

オーストラリアの文とグラフを選べとのことですが、これは易しい問題ですね。

2002年まで内戦が続いた隣国から...

島国である豪にとって隣国という表現は少し違和感。豪の隣国はパプアニューギニアやNZやインドネシアだろうか? それらの国の内戦はあまり聞いたことが無いはずです。

豪ではなさそう?

移民国家であり、1970年代のベトナム戦争で発生した難民を多く受け入
れた。2001年以降は保護を求めて流入する難民への対応を厳しくした。

移民国家の時点で漂う豪感。でも断定はできないという感じでしょうか。

北アフリカなどから多くの難民が流入している。2010年以降,難民数や
負担が増大し、国内では受入れに否定的な意見もある。

これはヨーロッパの特徴。植民地支配された国は公用語がその旧宗主国の言語であることが多いので、移民として旧宗主国に行きやすいというのは有名な話。実際、今のパリは移民がとても多い。

よってウはイタリアと分かります。

アかイどっちだろうという話ですが、ここでアンゴラ内戦を知っているでしょうか。米ソ代理戦争の一つです。ザンビアの隣国はアンゴラ。よってアはザンビアと分かるのですが知らないと思います。

知らない場合、豪の移民で一つ重要なポイントがあったのを思い出して欲しいです。豪の移民はほとんどアジアからなんですよね。地理的に近いのでアジアとの結びつきが本当に強い。ここからイが豪と分かります。

次にグラフですが...

それぞれの特徴が顕著すぎてすぐに組み合わせが分かります。

イ, Cなので⑥ですね。

問4

これも常識問題。ふつうに③。

第2問

問1

ウォーリー問題。図見なくても①が正解と分かる。稲むらの火あるじゃん。他の選択肢も超簡単な知識しか聞いてない。

問2

またウォーリー問題。自然堤防と後背湿地の特徴なんてド常識。図見るだけで④。

問3

地図記号を聞いている問題ですね。最近、自然災害伝承碑が地図にかかれて来ているのでその関連ですね。

①の図。「田畑が水に沈み海のよう」から田畑があるはずだが無い。よって違う。

同じ理由で④も違う。

次は②。田畑はあるが果樹園が多いつまり水はけの良い土地で「水がしきりに吹き出し」が起こるのかが疑問。水が少ないからため池を作っているんじゃないのか?

最後は③。海潮っていいながら川にしか見えないが地下水が吹き出て来たら海にも思えるのかもしれません。明らかな海があったら簡単すぎますしね。

田畑も水もあるので資料1は満たしています。よって正解は③。

ちなみにこの場所は、徳島県の東部。地図には見えませんが、すぐ東に海が。

中喜来春日神社敬渝碑|レキシルとくしま (tokushima.lg.jp)

安政南海地震の記録です(南海トラフ地震の一つ)。津波が来たみたいですね。

問4

アは前線なので雨系。イは西高東低つまり冬なので雪。

Jは輪中などにある水屋っぽい。つまり水害対策。

Kは火山灰シェルター。初めて見たので私はわかりませんでした。

Lはおそらく雪よけのトンネル。

5つをすべて分かるのが理想的ですが、分からないと思います。特に写真の側。だから模試や赤本の解説はすべてを知っている前提なので参考にならないのです。そのときの考え方を紹介します。

まず、アは前線(梅雨前線か秋雨前線)で雨、イの西高東低は冬と分かりたい。なぜなら中学生で習う内容だから。そして、下の写真から気象現象を同定するのは困難だから。それはつまりこの問題はアとイの季節を同定するのが核では無いことを意味します。

この問題形式は2つのグループに分けてそのペアを同定する問題ですが99%片方は簡単です。だって両方難しいと手のつけようがないでしょ?

この場合、季節気象現象なのでパターンが少ない季節の方が簡単になりやすい。

簡単な方は誘導のようなものです。

そう考えたとき、アとJはすぐに分かります。アは気象条件までわかっているので雨対策を選べばいい。明らかに建物に高さがあるので水害だと考えるのが妥当。逆に、KとLから雨や水害対策の方法が思い浮かばない。

次にKとLのどちらが冬の気象条件かですが、Lは雪ガードと考えられませんか?

雪で一番怖いのが積もった雪の重量でものが潰れること。そして雪崩で生き埋めになること。山なんて雪崩の温床。道が塞がらないようにガードしているとも考えられる。

だから②を選べる。

のような感じです。地理は知識が無い場合、考察で補うしかないのです。だから満点が非常に取りづらい。

※続きは後日書きます。すみません。