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パソコン通信

略称:パソ通パソコン・ワープロ通信ネットワーク通信とも呼ばれた。

概要

インターネットが「ネットワーク同士のネットワーク」であるのに対し、パソコン通信はその前段階の「単独のネットワーク」であるといえる。
パソコンやワープロを使用し、電話回線などの電子的なネットワークを介して、電子メール*1や電子掲示板(BBS)、会議室(フォーラム)、SIG(Special Interest Group)、チャット、アバターのようなコミュニケーションサービス、ニュースやデータベースのような情報検索サービス、ショッピングのようなトランザクションサービスを利用することを目的とした会員制サービス。広義ではTCP/IPによるインターネット接続も含まれるが、単に「パソコン通信」といった場合は無手順方式*2によるTTYエミュレーションを指すことが多い。
NIFTY-Serve(@NIFTYの前身)、PC-VAN(Biglobeの前身)、Asahi-net、ASCII-NET、日経MIX などの大手商用サービスのほか、多くの草の根ネット(草の根BBS)と呼ばれる小規模や個人レベルのサービスがあった。

特徴

TTYエミュレーションであることから、パソコン通信の操作は基本的にコマンド文字列を打ち込むことで行われる(WindowsやMacintoshの普及と共に端末側のビジュアルシェルも各種開発された。今でいえば専用ブラウザである)。
表示も基本的にテキストオンリーで、画像や音声は扱えなかった。画像や音声はアップロード用のボードが用意されていて、そこからダウンロードしてオフラインで見る形が通常だった(米CompuServe生まれのGIFフォーマットなどもその経緯で生まれている)。
パソコン通信のシステムはそのシステム内でとどまり、基本的には他のネットワークとの相互接続性や操作の統一性も無かった。草の根BBSには自分で開発したオリジナルのシステムの他に単回線の場合WWIV,複数回線の場合KTBBS,RTBBS,mmm(MASH),BIG-Modelといったシステムが主に使われていた。

インターネットはパソコン通信以前から存在していたが常時接続が前提であり、電話代金や回線使用料が高い時代には、主にUUCP*3が使われていた。また、大学間のメール交換やインターネットニュース、Kermitやftpを利用したデータ転送が主であり、WWWといったシステムは存在していなかった。日本でインターネットが一般向けに普及し始めるのはGUIベースのWebブラウザ Mozaic の後身といわれるNetcape Navigatorが出現し、ネットワーク機能を標準装備したOSであるWindows95が発売された1995年以降である。

歴史

アメリカでは1970年代から個人向けコンピュータ通信サービスが存在しており、1980年代前半から日本でも実験的な草の根BBSが始まっていた。当初は300bpsのモデムまたは音響カプラを使い、英文または半角カナしか使えないことが多かった(そもそも漢字を普通に扱えるパソコンの比率が少なかったこともある)。日本における本格的なパソコン通信の利用は1985年のいわゆるNTT回線開放以後になる。85年5月に開局したASCII-NETが本格的大手パソコン通信サービスのさきがけと呼べるだろう。86年にPC-VAN、87年にNIFTY-Serveと日経MIXが開局し、このころからパソコン通信の存在が一般化していくことになる。
80年代末頃からパソコン通信を使ったフリーソフト*4の配布や開発が盛んになっていき、無料のソフトウェア目当てでパソコン通信を使い始める人が多かったようだ。しかしそうしてネットに参加した人々も、やがてチャットやBBSの魅力を知るようになっていく。またWWW以前のインターネットと相互に関わりながら顔文字やネット用語など独自の文化が生まれ、現在のWeb掲示板などにも大きな影響を与えている。
95年にはPC-VANとNIFTY-Serveの会員数が100万人を超えたが、このころがパソコン通信のピークであったと思われる。
しかしインターネットの普及と共にパソコン通信は徐々にインターネットに移行もしくは融合し、その役割を終えてしまう。2005年2月16日にニフティがパソコン通信サービスを2006年3月31日までに終了すると発表したことで、大手商用サービスは姿を消すことになる。

今となってはもうLEGEND OF IDOL。

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