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時代小説

明治時代以前の日本、主に江戸時代を舞台とする小説。

歴史との関わり方によって「歴史小説」と区分されるが、具体的な境界線があるわけではない。一般的には以下のような構図で理解されている。

歴史小説

「歴史」が主題である小説。史実に即した形で描かれる。

時代小説

「歴史」を物語の背景あるいは借景とする小説。あまり史実にはこだわらない。

もっとも、「史料の空白部分」*1というのは必ず存在するものであり、そこを埋めなくては作品は成立し得ない以上、「史実」の語をどう取るかは曖昧な部分がある*2
もちろん「史実」から大きく離れたものを「歴史小説」と呼ぶことはほぼないが、「史実」に非常に近いものでも「時代小説」と呼んでいることはよくある*3

もっと言ってしまえば、

文芸評論家の福田宏年さん(『戦国城砦群』[井上靖著・文春文庫]の解説)によると、日本の文壇および読書界では、森鴎外の昔から、「歴史小説=歴史其儘→純文学、時代小説=歴史離れ→大衆文学」という考え方が定説化していたようだ。

といった程度の問題でしかない。

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