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F-15 Eagle
アメリカの制空戦闘機。マクドネル・ダグラス社(現ボーイング社)が開発。日本の航空自衛隊は203機導入している。
設計思想
ベトナム戦争はアメリカ空軍に対していくつかの手痛い戦訓を残した。
- 強力な中距離ミサイルを持っていたのに政治的な理由で有効に使えなかった。
- 超音速戦闘爆撃機が旧式戦闘機に格闘戦でばたばた落とされた
これらの反省から、空軍は格闘能力に勝る強力な制空戦闘機を持つ必要があると判断し、最終的にF-15となる大型戦闘機の開発にいたった。F-15の特徴は
- 低い翼面過重
- 大出力の双発ターボファンエンジン
- チタン合金の大幅採用による軽量化
- 高度な電子装置
- 単座戦闘機である
などで、これらにより高い格闘能力と長時間にわたる作戦能力を得ることができた。F-15は上昇能力も強力で、ソビエト連邦のマッハ3戦闘機、Mig-25と上昇記録争いを演じた。
誤算
F-15はその能力から戦闘機として大成功を収めた。しかし、主力戦闘機として君臨する時間が長かったため、いくつかのほころびも出てきた。また、任務の性質も変わりつつある。
スティルス性の欠如
要求仕様がまとめられたときにはスティルス性はほとんど考えられていなかったため、現在の水準からするとスティルス性は低い
コスト高
当初から指摘されていた。当初の空軍希望配備数は削減され、議会の圧力によってLWF(軽量戦闘機)計画/ACF(空戦戦闘機)計画より生まれたF-16が数の上でF-15をしのぐことになる。F-16が世界市場で平時としては空前の成功を収めたのに対し、F-15は輸出先も日本、サウジアラビア、イスラエルと金持ち国限定だった。
横滑り時のストール
大バイパス比のターボファンエンジンを2基積むことで大出力を得たが、空気取り入れ口の配置の関係で横滑りからエンジンストールが発生しやすかった。同じP&W社製F-100エンジンを積むF-16にはこの問題はない。
ライバル不在
ソ連の崩壊によってヨーロッパ上空の制空権をアメリカと激しく奪い合う相手がいなくなってしまった。その結果、高価な格闘戦闘機を多数配備する理由が希薄になった。
爆装能力の低さ
当初から専用の制空戦闘機として設計されたためハードポイントはミサイルと増槽分しか用意されていなかった。空軍の方針変更時にこれが問題になり、結果的に(当初の設計思想から逸脱した)複座戦闘爆撃機型であるF-15E Strike Eagleが重視されることになった。
航空自衛隊の配備基地
2010年現在、以下の8個飛行隊及び飛行開発実験団でF-15J/DJが運用されている。
千歳基地:第2航空団 - 第201飛行隊、第203飛行隊
百里基地:第7航空団 - 第305飛行隊
浜松基地:第1術科学校
小松基地:第6航空団 - 第303飛行隊、第306飛行隊
岐阜基地:飛行開発実験団
築城基地:第8航空団 - 第304飛行隊
新田原基地:飛行教導隊、飛行教育航空隊 - 第23飛行隊
那覇基地:第83航空隊 - 第204飛行隊
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