620. エレファント・マン (original) (raw)
引用元:eiga.com
1980年のイギリス・アメリカ合作
今となっては本作での印象は薄くなった感もあるデヴィッド・リンチの出世作
エレファント・マンと呼ばれたジョゼフ・メリック(1862-1890)の半生を描いた作品
翌1981年の日本での興行収入第一位になっている
生まれつきの奇形で「エレファント・マン」としてロンドンの見世物小屋で働かされていたジョン・メリック(ジョン・ハート)
そこを訪れた外科医のフレデリック(アンソニー・ホプキンス)はジョンに関心を持ち、研究対象として身柄を引き受け病院の屋根裏部屋で面倒を見る
どうして奇形として生まれてしまったのか、言葉を話すことができるのか、我々の話している内容が理解できるのか?
最初はまったくの謎だったが、次第にジョンは言葉を理解し喋るだけでなく一般的な知能や芸術を愛する心も持ち合わせていることがわかる
フレデリックはジョンの刺激になればと面会の機会を設けるも、次第にそれが話題となりマスコミが採り上げてからは興味範囲で面会を希望する者や、心無い対応をする者まで現れるようになってしまう
ずいぶん前に一度観たきりだったので、今回2020年の4K修復版をおさらいとして鑑賞
見世物小屋という商売については「彼らはこうするしかお金を稼ぐ手段が無い」という主張が昔は通っていたのだろう
現状と本作を比較すると、教育や啓蒙して意識を変え環境を整えていくことで二次的な不幸を減らすことができるということがわかる
ジョンが体験した不幸を時代のせいで片付けてはいけないけれど、こうした問題は経験と知識が必要になのも事実
ジョンのことを学会で発表して注目の的にしてしまった自分は良い人なのか?或いは偽善者なのか?
Am I a good man ? or a bad man ?
と自身に問う外科医の役を若き日の(といっても40代前半)アンソニー・ホプキンスが演じている
明日は、「アメリカの若者も案外自由じゃないんだな」と思った作品をご紹介