SECRET INVASION CAPTAIN MARVEL (original) (raw)

SECRET INVASIONの影の立役者として、キャプテン・マーベルの名前を出す人は多いでしょう。本編ではサンダーボルツを救出し、スクラルの大艦隊を撃沈させる大活躍を見せました。そんな突如として現れたキャプテン・マーベルの再登場と正体に迫るのが、本作SECRET INVASION CAPTAIN MARVELです。誰もが羨む栄光の英雄は、確かにそこにいました。
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〈あらすじ〉

死んだはずのキャプテン・マーベルが蘇った。世界中がその復活を歓喜の声で迎える。忍び寄るスクラルの大侵略の前に、キャプテン・マーベルが取った公道とは? 英雄は確かにそこにいたのだ。

〈英雄の正体〉

時はシビルウォーの頃まで遡ります。超人登録法賛成派が作り上げたネガティブゾーンの施設から、突如初代キャプテン・マーベルが現れたのです。戸惑っているのはキャプテン・マーベルだけではありませんでした。アイアンマンを始めとする賛成派ヒーローの反応を見る限り、自分は既に死んだはずの人間だと悟ります。どうやらこのキャプテン・マーベルは、ネガティブゾーンの実験中にこの時代までタイムスリップしてきたようです。自分はどのように死んだのか?問い詰めるキャプテン・マーベルに、ヒーローたちは答えます。キャプテン・マーベルは癌で死んだのだと。恐らく蘇ったキャプテン・マーベルの体内にも癌は宿っており、同じように死ぬ可能性があると。トニーはキャプテン・マーベルが蘇った経緯を鑑み、その復活を誰にも知らせないよう施設へ匿います。ところがシビルウォー終戦にて施設が破壊され、その姿が世に放たれます。そんなキャプテン・マーベルは、健忘症に悩まされていました。記憶の一部が抜け落ち、どうしても思い出せないのです。どうしたら思い出せるのか? そんな時、風邪を巻き起こすヴィラン、サイクロンが襲いかかります。どうにかサイクロンを撃退したキャプテン・マーベルは、ニューヨークで次々とヴィランを倒します。まるで己がキャプテン・マーベルであることを証明するかのように。
f:id:ELEKINGPIT:20240517130653j:image次々とヴィランを倒すキャプテン・マーベル。その姿を市井の人々は歓迎した。

何故自分は記憶を取り戻せないのか? アイアンマンに助けを求めるキャプテン・マーベル。ところがそんな時、キャプテン・マーベルをクリー人が襲いかかります。クリーはかつてキャプテン・マーベルを裏切り者として死刑に処そうとしていました。では何故キャプテン・マーベルの復活がクリーに伝わったのか? そんな疑問も解消できないまま戦闘に移ります。ところが敵の様子がおかしいことに気付きました。武器がクリー製のものではなかったのです。クリーと思われた敵の正体は、スクラルだったのです。スクラルがクリーに化けてキャプテン・マーベルを襲撃したのでした。アイアンマンと協力してなんとか撃退することに成功したキャプテン・マーベル。何故スクラルがキャプテン・マーベルを襲ったのでしょうか? 心当たりのようなものはありました。これまで倒してきたヴィランは全員、死んだはずのヴィランだったのです。特にコバルトマンはシビルウォーのきっかけとなったスタンフォードの悲劇で死んだはず。なにか陰謀が隠れているのでは? キャプテン・マーベルは、服役中のコバルトマンに会いに行きます。コバルトマンは笑います。そして真実を語りました。これまで戦ってきた相手は自分も含めてスクラルだと。そして、キャプテン・マーベルもスクラルが変身した偽物だと言うのです。自身は否定しますが、健忘症も突然現れたこともスクラルであれば説明できます。この事実に、トニーもキャロルも黙って見ているわけにはいきません。2人はキャプテン・マーベルをネガティブゾーンへ帰還させました。しかしそこから戻って来る過程で、キャプテン・マーベルはすべての記憶を取り戻します。自分はスクラルだと。
f:id:ELEKINGPIT:20240517213610j:image記憶を取り戻したスクラルキャプテン・マーベル。真実を知ったその時、キャプテン・マーベルが取った公道とは?

〈心の侵略〉

シビルウォーから始まり、スクラルの大侵略直前までを描いた本作。体も心も変身した最強のスリーパーエージェントというのがキャプテン・マーベルの正体でした。スクラルにとってこの大侵略がどれほど壮絶なもので、そして大きな覚悟を持って行われたことがわかるでしょう。一方、スクラルとしての記憶を失っていたスクラルのキャプテン・マーベルは、本物として行動していました。ヴィランを倒し、数時間戦争を止めたキャプテン・マーベル。単に完璧な擬態と切り捨てても良いですが、その瞬間のキャプテン・マーベルは間違いなく地球人にとってヒーローだったに違いないでしょう。その後のキャプテン・マーベルは、Secret invasion本編の通り。味方であるはずのスクラルを1人でバッタバッタとさんざん薙ぎ倒し、倒れ伏す隠れた英雄のような活躍を見せました。何故キャプテン・マーベルはこのような行動を取ったのでしょうか? SHIELDのエージェントに正体が露見し、銃を向けられたキャプテン・マーベルは、それでも自身をキャプテン・マーベルであり続けるという覚悟を語っていました。記憶を取り戻してもなおキャプテン・マーベルであり続けようとしたスクラル。その心も魂も、キャプテン・マーベルが侵略してしまったのです。どれほど高潔な魂なのでしょうか。正義は体ではなく心、そして魂に宿るのです。