ベジータ「フリーザとカカロットが同時に死ぬ。棚からぼたもちとはこのことだ」 (original) (raw)

秋の夜長にNetflixでアニメ『ドラゴンボールZ』を見た。『ドラゴンボール Sparking! ZERO』が発売されて、みんなが楽しそうにしているのをSNSで見ていたらドラゴンボール熱が湧いてきた。

アニメのドラゴンボールは原作マンガには無いエピソードやシーンが挿入されている。「引き延ばし」というやつだ。私は原作マンガは全42巻しっかり読んだけど、アニメのほうはリアルタイムでまともに見れたのは『ドラゴンボールGT』からなので、『Z』の引き延ばしについては私よりちょっと上の世代の人達からの笑い話として伝え聞いただけになる。

私は孫悟空スーパーサイヤ人になるあたりの展開が好きなのでナメック星編をつまみ食いするようにNetflixで視聴した。親友のクリリンフリーザに殺され、それに激怒した孫悟空スーパーサイヤ人になりフリーザを倒す。マンガだとこの辺の話が単行本一巻分くらいの分量で展開するのだが、アニメだと10話分くらい使っていた。なるほど、これがあのうわさに聞いた引き延ばしか。

その引き延ばしの中で原作マンガには無い笑ってしまう展開が入っていた。

フリーザが暴れまわったせいでナメック星は大きなダメージを受け、爆発一歩手前の状態になる。悟空はスーパーサイヤ人になり圧倒的な力を手に入れるが、ナメック星が爆発してしまうと、**フリーザを倒したとしても悟空は宇宙空間に放り出されるので死んでしまう。**はたして悟空はどうなってしまうのであろうか…?(惑星が爆発する衝撃で死ぬというわけではなさそうなところがすごい。)

地球ではドラゴンボールの力でナメック星から移動させてもらったブルマ、悟飯、ピッコロ、ナメック星人のみなさん、そしてベジータ達が、悟空が今どういう状況にあるのか界王様から知らされる。

「いくら超サイヤ人の悟空でも宇宙空間では死んでしまう…」

「自分の命もかえりみずフリーザを倒そうというのか…孫、お前ってやつは…!」

「いつもそうなのよ、孫くんは…」

といった具合に、皆かなりシリアスに悟空の命を心配している。以前は殺し合っていたピッコロまでもが悟空のことを心配している…素敵やん?(ちなみにピッコロが悟空と殺し合いをしていたころの映像が回想として10分、いやそれ以上の尺で挿入される。)

そこにベジータがやってきて「オレにはカカロット孫悟空)の気持ちがよくわかる」と言い出す。

サイヤ人の血だ。フリーザのやろうと決着をつけなければ気がすまんのだ。超サイヤ人の力を手に入れたならなおさらだ」

ベジータは戦闘民族サイヤ人の王子で、もともとはフリーザの手下としてあちこちの惑星で殺戮の限りを尽くしていたのだが、シリーズ終盤では家族を持ち大幅に改心する男である。アニメだとこんなに早く心がキレイになってしまうのか?と思っていると

スーパーサイヤ人になったカカロットフリーザを殺す。カカロットも助からないだろう。棚からぼたもちとはこのことだ。これでオレが自動的に宇宙最強の男になったのだ!ハーッハッハッハッハッッ!!!

ズコー!まごうことなきろくでなしである。フリとボケが効いている。原作マンガではこんなことは言わない。さらにベジータは悟空の息子である悟飯に対して「生き残ったサイヤ人はオレとお前の二人だけだ。どうだ、オレと組んでこの宇宙を支配しないか?」と持ち掛けている。あっぱれ。

周りの人物達も「こいつなら本当にやりかねない」「なんとかしてこいつを止めなければ…!」という神妙な顔つきのままツッコミも入れないのでますますおもしろい。

いくらベジータでもこんな空気を読まない発言はしないだろうと思ったが、実際は鳥山明さんがテンポをよくするために空気を読んで描いていただけであって、ベジータならこんなこと言ってもおかしくないような気もしてきた。

それにしてもベジータはずいぶんお気楽すぎるのではないだろうか。これもサイヤ人の血なのかも知れない。

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ばいちゃ!