鰻一/伊東 (original) (raw)

鰻一/伊東

鰻となればスーパーの冷蔵、並盛950円なか卯うな重だって美味しい。だって鰻だから。7000円台のうな重となれば、美味しいかどうかは別次元。値段に見合うかだ。うなぎの厳しさはそこにある。どうしても料金が高くなるから値段のハードルをクリアできるものが少ない。西伊豆松崎町の帰り、評判の鰻屋さんをご馳走になった。鰻重が7480円もする。

鰻一/伊東

伊東に降りるのは人生2回目。2016年の秋にエヴェレストから帰国したあと交流登山があり、天城山に登った。思い出の地だが、山も料理も温泉も優れている印象がなかった。果たして鰻はどうか。「鰻一(うないち)」は伊東駅の目の前、駅前中丸通りを入ってすぐのところにある。

鰻一/伊東

注意しておかなければ通り過ぎてしまう外観。窓から店主が準備しているのが見える。若い男性。ワンオペでやっている。席は9席のみ。こういうお店は美味いはずだ。

お漬物と鰻の煮こごりと、擦りおろしたばかりの山葵。

同行者がビールを注文するとアサヒスーパードライ。ワイン・ラヴァーになった影響か、40歳を超えてビールが飲めるようなった。そのあと出されるのが漬物と鰻の煮こごりと、擦りおろしたばかりの山葵。漬物はイマイチだが、鰻の煮こごりは美味い。ただし、かなり柔らかく歯応えがないのは気になる。

鰻一/伊東

同行者が「日本酒3種の飲み比べ」を頼んでくれる。銘柄は忘れたが、一番右が最もフルーティーで美味しかった。キレがある日本酒が好きな人には物足りないかもしれない。昔飲んだ「十四代」を思い出した。

鰻一/伊東

白焼き(塩焼き)。一人前8切れを二人でシェアする。これも2000円以上したような。スダチの存在を忘れて、オーガニックで全部食べた。雲を食べるかのようにフワフワが襲ってくる。味というより食感を愉しむ鰻。

鰻一/伊東

メインの鰻重。土鍋のような蓋を開ける。この瞬間が鰻の愉しみ。登山で言えば登頂の手前。

鰻一/伊東

ご対面。飯が少なく、鰻が完全に覆う。雲のよう。そう、食感もフワフワで雲。鰻を食べるより雲を食べる感覚。外国人向けなのだろうか?昔から歯応えのある鰻を好んできた身としては、鰻を食べた感じがしない。超超高級で上等な綿菓子、雲を食べた感覚。これが現代の鰻の好みかもしれない。未来形のウナギを頂いた夜。

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