鈴木賢「アジアが互いに学び合う時代 なぜ台湾に注目するのか」水戸市国際交流センター (original) (raw)

辰年八月初六。気温摂氏23.9/31.4度。晴。水戸市国際交流センターで「台灣很有趣」といふシリーズの一つで鈴木賢教授(明治大法)のこのセミナーあり。末席を汚し拝聴す。

アジアが互いに学び合う時代 なぜ台湾に注目するのか – 水戸市国際交流協会

水戸市はこの秋に台湾の台南市と友好交流都市になるさうで、それがあつての台湾月間。国家間外交の困難な台湾にとつて都市間交流はまさに外交の基盤づくりであつて台南市にとつての友好交流都市締結で水戸市は50数番目で茨城県でも何番目か。水府にとつては「飛虎将軍」が台湾との結びつき。

「飛虎将軍」故杉浦茂峰氏について - 水戸市HP

これについては数ヶ月前に拙筆の記述家永真幸『台湾のアイデンティティ』文春新書 - 富柏村日剩も参照いたゞければ。

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鈴木賢先生は台湾理解の基本の「き」のやうなところから台湾の近代史と現状をきちんと語られる。台湾は国家か。国家成立の条件として領土、国民と政府はあり「国際承認」だけが実際にはあるが減少。日本政府が(台湾を)国家承認してゐるか何うかは「個人が台湾を国だと考えるか何うか」とは別次元の問題。

一つの共同体に生きる人々が主体的意識に目覚め、自己決定を求める意識を高めている。平和的に、自分たちの存在をきっちりと包み込む政治体制を求めている。(野嶋剛)。

「転型正義」といふ概念について。移行期の正義(Transitional Justice)。専制体制独裁〈体制〉から民主化するにあたり、かつての人権侵害について見直し調査(真相究明)、責任追及(責任の明確化)、正義の回復(謝罪)、賠償(補償と被害者救済)、再発防止策などをおこなふこと。日本がまさにおざなりにしてゐること。これができぬのは日本が近代市民革命も経ず民主国家といひながら実質的にはまさに自民党専制体制独裁にあることなのだ、と思はされた。さうした点も含めに日本は先進国、アジアのトップランナーではない。それゆゑアジアが互いに学びあはなければいけない時代にある。