Excelの新関数「LAMBDA」(ラムダ)が一般提供開始 ~Excel数式が本格的なプログラミング言語に (original) (raw)

「Excel」の新しい関数「LAMBDA」

米Microsoftは2月8日(現地時間)、「Excel」の新しい関数「LAMBDA」(ラムダ)とそのヘルパー関数の一般提供を発表した。「Microsoft 365」の最新チャネルで配信中の「Excel」ビルドで利用できる。

「LAMBDA」関数を利用すると、「Excel」の関数で新しい関数を作り出すことが可能。ユーザーが独自のカスタム関数を定義し(「LET」関数を組み合わせれば名前も付けられる)、ワークブックで再利用することができるので、冗長な繰り返し表現が排除されて数式の見通しがよくなるほか、無用な入力ミスを防止できる。

また、これまで「Excel」の数式だけは記述できなかった動的なループ処理を記述できるようになるのもメリット。従来の「Excel」で同様のことを実現しようとすると、どうしてもVBA(Visual Basic for Applications)の知識が必要となっていたが、それが不要となる。

「Excel」の関数で新しい関数を作り出す(後述の「Advanced formula environment」でコードを記述する様子)

さらに、「LAMBDA」関数とそれを引数にとることのできるヘルパー関数を活用すれば、条件に合致するセルだけを集計したり、加工して新しいリストを作り出すことも可能。本格的なプログラミング言語と同等のことが「Excel」の関数・数式だけで実現できてしまう。

「LAMBDA」関数を引数にとれるヘルパー関数

同社によると、「Office Insider」で実施したテストを通じて、「LAMBDA」関数には以下の改善が施されたとのこと。

なお、今回のリリースに合わせ、「Microsoft Garage」プロジェクトで「Advanced formula environment」と呼ばれるアドインの提供も開始されている。これは「LET」関数と「LAMBDA」関数を使って独自のカスタム関数を記述・管理するための実験的スペースで、小さな「Excel」関数の統合開発環境(IDE)ともいえるものだ。詳細は後日、レビュー記事でお伝えする。