9月の出来事 (original) (raw)

最近仕事が忙しくなってしまい、なかなかブログを書く時間が取れない。前回は9月に8月のことをアップした。10月になってしまったので9月のことを少しだけ。

9月には3連休が2回あったので、その間にリジェクトされた論文の書き直しと和文の論文(というかとりあえず理論的な整理)に取り組みたいと思っていた。ところが3連休は見事に予定がびっしりになり、研究的な事はほとんど何もできなかった。

3連休1回目

土曜日は次男の小学校の学校公開日。前日の金曜日に行けなかったので、這ってでも行かなければならない。今どきの小学校(普通の日本の公立)は昔と違ってディスカッションして自分の意見を表明する機会が多いようだ。次男はオーストラリア仕込みのせいなのか、クラスの誰よりもよく発言するし、次男の意見が他の子供たちの考えに影響を与えている様子を見られて興味深かった。オーストラリアの小学校では年長クラスからディベートがあったけど(題材は寿司とピザ、どちらが良いか、などかわいいもの)、日本の学校ディベートよりもディスカッションという感じ。そしてこの日の午後は翌日に着る洋服の買い物に。夜は家族で久しぶりの焼肉(食べ放題)。

日曜日は日帰りで大阪に。数日前に突然、20年前に勤めていた会社の先輩から連絡があり、大阪で還暦パーティをするから参加できないか聞かれた。ちょうど20年前、アデレードでの留学から帰ってきて、初めて働いた会社が大阪だった。当時給料があり得ないほど安く、給料から家賃や生活費を払ったら赤字だったので、1か月で会社を辞めようと思ったところ、色々な人から助けられ、光熱費込みで月1万円で居候させてもらったり、留学から戻ったばかりで服がなかったので、この先輩からはお古の洋服を沢山もらって1年は何とか続けた。大阪は私にとって思い入れが深い場所。朝早く家を出て、夜遅くに帰ってくる。移動時間が1日で7~8時間となり流石に疲れたが行ってよかった。

日帰りで大阪に!

新幹線の車窓から東寺がよく見えた

祝日の月曜日は半分仕事で、渋谷にある清掃工場の見学に。前日夫に子守をしてもらったので、この日は私が子供当番。次男を連れ出した。大阪の会社を辞めて次に仕事したのが渋谷。なんだか自分の歴史をたどっているよう。渋谷も当時と比べると再開発が進み、昔は庭のようだったのに、もうよくわからなくなってしまった。人も多すぎる。東急に支配された街で次男と串揚げランチ。

清掃工場でゴミ収集体験

3連休2回目

誰に言われたわけでもないのに、シカゴの学会で受けた刺激をアウトプットしたくて、8月下旬から週末の細切れ時間を使って、日本語で最新の研究論文の動向をまとめ始めた。あわよくば日本の学会誌に投稿したいなあと思いながら。土曜日にやっと時間ができたので、午前中に集中して取り組んでみた。

全体がなんとなく完成したので読み直してみたら、とても論文と言えるクオリティではなかった。自分なりに一生懸命やったのにガッカリしてしまった。やっぱりサラリーマンしながら週末の細切れ時間に論文書くなんて無理なのかなあ…いくら日本のジャーナル掲載の敷居が低いとしてもこれじゃあ無理だろうと思い、でもどこかにこういったものを発表できる場所はないだろうかと考えたりしていた。

日曜日、長男のメルボルン時代の友達が東京に来た。メルボルンはスクホリ中。4月に来た友達とはまた別の友達だけど、彼もベストフレンドのうちの一人。家に泊まることを強く勧めたけど、日本に滞在中予定がぎっしりのようで1日みっちり遊ぶという話になった。都心の待ち合わせ場所まで電車で行き、電車でまたうちの近くまで戻る。商業施設の本屋で文房具を物色したり、日本食屋でランチを食べたりカフェに行ったりした。日本の長男の友達とはこんな風に時間を過ごすことはないから、メルボルンにいたときの人間関係の濃さに改めて思いをはせる。オーストラリアでよく食べていた懐かしいお菓子などお土産もたくさんもらった。

月曜日の祝日。朝から美容院に行った。なんだかずっと忙しいな。美容院の近くにFlat whiteを出す店を発見。レベルが高くて、メルボルンの有名カフェと同じ、もしくはそれ以上だと思った。この味を日本で楽しめるなんて!また行こう。午後は次男とまた渋谷に。若いころにたまに行っていたJazz clubのBody & Soulが午後のセッションをやるということで、めちゃくちゃ久しぶりに行った。以前は青山にあったけど、数年前に渋谷に移転していた。

メルボルンのカフェを超えてきたFlat white in 国分寺

20年近く前に渋谷で働いていたころ、Body & Soulで初めて聴いて好きになったGrace Mahyaというシンガー。私が好きなSadeの曲はやらなかったけど、その代わりにRadioheadのHigh and Dryをやってくれて大満足(同世代だから好きな音楽が似ているのかも?)。この日ベースを担当していたKenKenという人がめちゃくちゃうまくて、よくわからないけど人間的な魅力もあって、ベースだけではなくドラムもビックリするくらいカッコよかった。家に帰って調べたら、ロック界?では色々なバンドに参加している有名な人みたい。

2ステージ聴いていたかったけど、次男が宿題が終わっていないと言い出し、1stステージで退散。名残惜しかったけど、まあ私も次の日から仕事だから結果的に早く帰って良かった。この日は朝美容院に行き、最高のFlat whiteを楽しみ、午後は渋谷まで遠出してJazz Clubでワインを飲みながら音楽に浸るというなかなか贅沢な1日だった。こういう時間を過ごすために、生活以外のところに使えるお金を持っておきたいなあ(しばらく会社員やめられないかなあ)という気もする。

渋谷に移転した老舗ジャズクラブ Body & Soul

先週末は土曜日に仕事のイベントがあり、国内のとある領域で第一人者と呼ばれる有名なお医者さんや研究者の先生たちと交流する機会があった。グループの中には超ベテランの先生たち(東大の名誉教授とか研究所の所長さんとか)もいたが、同世代~少し上の現役バリバリのお医者さんや研究者の人たちもいて、その人たちと食事を一緒に取りながら、わいわいとお話できたのがとても楽しかった。

若い時に研究費の獲得にめちゃくちゃ苦労した話なども聞いて、なんでこんなに情熱的で優秀な先生たちが、プリンタ1台買うのに奔走しなきゃいけないんだ、と日本の現状が情けなくもなった。研究に集中させてあげて欲しい。日本で研究するためには、科研費というものを使うらしいが、これがバカげた仕組みで、例えば研究室に必要なプリンタを買おうとすると、そのプリンタはその科研費のプロジェクトのための印刷にしか使えないとか。机がないから机を買おうとすると、そのプロジェクトにしか使えない机とか。おかしすぎる。そうすると科研費ではプリンタや机が買えないから、もう少しフレキシブルに使える別の資金を獲得する必要がある(例えば企業の助成金)。聞いていると日本の科研費は、国内の優れた研究者に優れた研究をしてもらうためではなく、研究のアウトプット(だけ)を求めるという浅ましい考え方、かつ研究者にズルさせないようにという性悪説のもとにあるのでは?とまで感じた。人を育てるという点については、企業の方がよっぽどしっかりしている。

分野は全く違うけど、アカデミアの世界を垣間見ることもできて、自分の将来を考える上で参考になった。でも研究者の先生たちって、色々な苦労はあるものの基本的に自分が好きなことしているから年齢よりずいぶん若く見えるし、何より楽しそうだし、話も面白い。ハイレベルで最先端な知識以上に、ポジティブなエネルギーをもらえてありがたかった。