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ことの発端

日常的に論文を読んだりしてみたいっていう憧れが数年前からあったことに先日気が付いた。最近頭がすっきりしてきたので再度そんなことを思い出せたんだけど、これは僕の純粋な知的好奇心だったんだなと改めて感じられたのでここに記録しておくことにした。何か将来の参考になるかもしれないし、ならないかもしれない。もしこれを読んでくれた方も何かしら感想を抱いたら教えてほしい。

GoによるGAEアプリケーションの開発

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最近Go言語をちょっとだけ触ってみて、ブラウザに文章を表示させるところまではなんとか出来たので、みんなはどんなことをしてるんだろう、他にはどんなことができるんだろうと思って調べたら出てきた。これを読む限りページを作って投稿して更新するみたいな所までは実装できることが分かったので、僕的には収穫だった。きっともっとできる事はあるんだろうけど、この前キャリアの相談に乗ってくれた元技術者の人からはもう少し簡単な言語から始めたほうがいいよと言われたので、調べる優先度は下げている。とはいえ直感的には僕はかなりGo言語が好きだ。

クックパッドのサービス開発を支えるRuby の技術

クックパッドのサービス開発を支えるRuby の技術

僕が学生の頃はCookPadのエンジニアと言えば花形のイメージがあった。さっき書いた僕の人生相談に乗ってくれた人はRubyやTypeScriptからやってみたらいいよと言っていたので、実は今Ruby掲示板を作っている。何か手がかりがあったらいいなと思って読んだ。一見してみると結構ラフな研究会があるんだなあというところにまず驚いた。この感じでものを書いていいなら僕もリラックスして参加できるコミュニティがあるかもしれないと、ちょっとだけ安心した。テストとかチーム開発の心得とかはまだよくわからないけど、まああるんだろうなくらいに今は思っている。

ライフログとスケジュールに基づいた未来予測提示によるタスク管理手法

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最近スケジュールが好奇心でごちゃごちゃしてきたので、こんな自分をどうやってコントロールし、あるいは社会貢献に使おうかというところを最近すごく考えているんだけど(これもその一環である)、スケジュールが決まっておらず単発のエネルギー爆発の連続みたいになってる生活は社会的にあんまりよろしくないんじゃないか、ということで、こんなのを読むに至った。よく読んだら東大の論文だった。拙い僕からすると実装まで持っていけてしかも所感のテストまで持っていけるのがすごいという感じなんだけど、44日もライフログを取らされた被験者くんのプライバシーが若干心配になった。読んでいて面白い文章に直感でたどり着けるようになったのが収穫だった。

商業空間におけるインテリア材料としての観葉植物の利用と役割

商業空間におけるインテリア材料としての観葉植物の利用と役割

もし技術者になれなかったとしても別のキャリアでこういう知的好奇心とか快の追求とかはしていこうと思っていて、その一助になるような論文がほしかった。執筆は87年とかなり古いが、植物が顧客やスタッフにもたらすリラクゼーション効果を何か所もの店舗で検証した論文である。テストのしかたや書き方が一貫していて、仕事ってこのくらいちゃんとしなきゃだめだった…と背筋が伸びるような気がした。あまり日常生活で意識しないでいるとこういう堅いコンテンツからは簡単に逃避出来てしまうので、定期的に触れていきたいなと思った。

対話型進化計算法によるインテリアレイアウト支援システム

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こんな感覚的なものをシステムに落とし込むのすごいな、という感想がいちばん。環境管理学、統計学、数学等さまざまな知見がひとつの論文に集約されていて、異なる学問の知見が融合してひとつの研究の中に共存しうること、それらを用いてちゃんと課題解決に向けた取り組みが実行できてしまうことに驚いた。よく読んだら慶應大学の論文だった。家具の動かし方や並べ方をパターン化していて、「あつまれどうぶつの森」を思い出してしまった。特定のレイアウトを出力するためには予め用意された感性語というプールを使用するらしくて、これと色彩が増えるともっとシステムとしては粒度が上がるみたいだった。今だとAIで似たようなことはできるのだろうか。

未来のコンピュータ好きを育てる

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こちらは15年前の雑誌の特集なんだけど、当時から高校までの教育にプログラミングを、みたいなことは論じられていたことが分かってなるほどそうだよなと思った。今でこそソシャゲが高解像度で出てきてしまって、ここに記述されているような教育用プログラミング言語ってどの程度学生が面白みを感じてくれるのかはわからないけど、そういう取り組みを僕が参加でも企画でもしたらいい経験になるんだろうな、と感情移入だけしたりした。とりあえず何かしらのワークショップやコミュニティへ参加するモチベーションだけ湧いたのはよかった。

まとめ

論文を漁る中で、社会課題に取り組むことや実験をする時の仮説検証、そういう思考回路が久しぶりにもう一度呼び覚まされたことが僕にとって収穫だった。あんまり今の仕事でめちゃくちゃそういう能力を使っているわけではないけど、一回訓練した身としてはこれを強みと捉えてもう一度何かを磨いたほうが人生が楽しい。何か将来の為になりそうな探索は今後もしていこうと思う。

最後に、最近読んでいる本を挙げてこの記事は終わりにしようと思う。

苦しかったときの話をしようか

BtoBマーケティング“打ち手”大全 広告運用で受注を勝ち取る 最強の戦略 88 できるMarketing Bibleシリーズ

マーケターのように生きろ―「あなたが必要だ」と言われ続ける人の思考と行動

時間を「うまく使う人」と「追われる人」の習慣

プロジェクトのトラブル解決大全 小さな問題から大炎上まで使える「プロの火消し術86」

おまけ

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ITと何も関係のない会社に拾われ、健康を取り戻す為だけの派遣社員をして4ヶ月が経った。僕が入った時から数えても、もう何人もの社員がミスや体調不良、人間関係、精神の問題を抱えて辞めていった。こんなに人が辞める会社は見たことがないが、不遜ながらそれが却って僕の経験値となり、どうなると人は病み、職を辞めるのかに関するデータベースが意外と高精度に出来上がってしまった。また、同僚に恵まれたお陰で未熟な自分が貢献できる場所が想像以上に多く、それでも足りないところは面倒を見てもらい、堅実に成長することができた。

半年前は体内時計も壊れて週1でしか働けなかったのに、今はもうこの家を手放すこともなく、家計も黒字に戻った。生活水準を下げる苦しみは想像を超えていたが、自炊と倹約を覚え、回収できない自己投資と不要なサブスクを断ち切る日々が続いた。現在も連日にわたる断捨離の最中である。月の休みは実質6,7日ほどで、とりあえずは一般人のラインまで戻った。

とはいえやはり夢は諦めきれず、この間も東京のIT企業の何かしらに引っかからないかと転職サイトを眺めていた。肩書だけはあるので何件もそれを見た企業の方が連絡を下さり、中には東大発のベンチャーまであった。本当は元気がないのにそれを読んでいるだけで報われた気がした。加えて3ヶ月くらい色々な事業内容を毎日読んでいたので、割と昔に比べれば社会や経済への解像度は高まったのであった。

成り行きで入った近所の会社にこのまま思い入れを持つのも負けた気がして(?)、一旦本命に履歴書と職務経歴書を送ったのだが、先日お祈りされてしまった。改めて自分の不勉強と良い習慣の無さ、色々な影響に振り回されてきた過去を悔やんだ。帰り際、僕はどういう温度感で技術をやっていきたいのか、残業でバスを逃したので歩きながら考えていた。

どちらかというと強い味方や同僚、プレッシャーに揉まれるよりも、その空気に耐えかねているあまり力のない子たちを助けるのが僕は好きだった。野球部の男達が授業中に塊になってしゃべっている所へ行ってよくTAをしていたが、僕はある時期から研究室のメンバーに貢献するよりもそちらに教える魅力を感じるようになっていた。僕は猛者に囲まれたら出来の悪い方であったし、それは思い返すと高校時代の吹奏楽部でも同じで、全く勉強のできないヤンキー集団が全国大会を目指すというドラマみたいな場所に僕自身が属していたから、何かその芽はあったのかもしれなかった。

つまりは、僕は技術に触れるのが好きという1プレイヤーとしての才覚から能力を伸ばすことと、技術に触れられない人達に感謝されることの両軸をモチベーションにした方が伸びるのではないかと思った。別に僕自身がプロフェッショナルになれるとはもはや思わないが、もし技術者として前進するということを第一に考えるのであれば、もしかすると過去に投じた高い温度でひたすら熱中するという作戦だけが、答えではないのかもしれないし、世の中に自分が持ちかける「答え」を最先端まで突き詰めなければ世の中の課題が解決しないなんてことはない。アカデミアと実社会の違いについても再考したほうがいいだろうし、そもそも一流を見る為の時間だったと割り切ってしまえば、適応できなかったショックを引きずる必要も全くないのではないか。

そして何より、そこまで突き詰めなければ納得がいかなかった過去の自分と和解し、自分の未熟さを受け入れ、努力の速度を受け入れた今、もう一度特に拘らずにこの業界に戻ること自体は、おそらく可能であるという事実を一度認めたほうがよい。半年前にpcのキッティングができる倉庫を横目にアパレルの倉庫で働いていたから、なんとなく憑き物は落ちたのだ。そのうえで、自分が幸せである【在り方】は何なのか、負荷は、年収は、難易度は、情報量は、上流か下流か、その道のプロかセミプロか…考えなくてはならない。

追記

専門家というのはそのジャンルにおけるあらゆる疑問や課題に対して適切な解を提示できる者のことを言うのであって、必ずしも難問が解ける人を指すのではない。難問は沢山の知見の組み合わせからも解けるように、まず目指すべきは沢山のランダムな経験をすることではないだろうか。その1問1問が、必ずしも全て難問である必要はないのである。

自宅と出先からweb会議に出るための設備投資について。

最近私用でいろんな人とweb会議をするのだけど、出先から会議に出るとなると環境や機器の相性によっては仕事にならないことがある。

色々迷走した記録を残しておく。

おそと

ラップトップ

ThinkPad T14s。大学で助手をしている時に後輩に触発されて奮発して買った。中古PCしか持っていなかったので今でも大切に使っている。でもずっとスリープモードにしているとバッテリーが焼けるのでやめようね。買い替えると高いから...

スマホ

free wifiが飛んでいればそれを使うこともある(セキュリティ上よろしくない場合もあるが全てのfreewifiを調査していたら利便性もなにもないので、妥協している)。最近は数年前に比べると混雑しているエリアでもそこそこ強度が高くなってきた気がする。wifi7とやらの恩恵なんでしょうか。テザリングはポケットwifiがないので使っているけど、格安SIMだからガンガン使えるというのはでかい気がする。ただweb会議に必要な通信品質がどのエリアにいても出せるかと言われればそんなことはないので、お金に余裕があったらポケットwifiはあったほうがいいと思う。コスパを追求するならカメラオフで申し訳なさそうに出席するしかない。

面談のURLは色んなサービスから投げられてくるので、一旦自分で管理するためにevernoteかslackの個人チャンネル、もしくは時間が定まっている場合にはgoogleカレンダーに飛ばす。こうするとスマホで連絡を取っていた相手からのメモをデスクトップやラップトップからも確認出来て、家にいるときは大きなモニタで、出先にいてもなんとかラップトップで会議に出席できる。スマホだと先方の資料を確認できないので(それ以外の用途だとしても)いろんな端末からアクセスできるオンラインメモアプリはストックしといたほうがいいです。ちなみに私はevernote課金勢。

2年ほど前にY!Mobileに乗り換えた。地方に行くと電波がないところもあるが概ね問題なく使えている。携帯代は月8000円くらいキャリアに払っていたが今は2100円で済んでいる。もう累計15万円くらい浮いていると思うと人生救われてるなと思う。

イヤホン

事故る前に黙って有線にしておこう(本記事の主旨)。

3年前にJabra Elite 75t(web会議用ブランドのbluetoothイヤホン)を買って、何回か落とした気もするけど今も壊れてないので私用にも仕事用にも使っていた。ポジキャンしておくとノイズキャンセリングがかなり優秀。2つ以上ペアリングすることもできるのでスマホとPCに同時に接続することもできる。音質も結構いいので音楽を聴くときも十分これで事足りている。が、2個以上ペアリングするとどうしても品質が安定しないので接続は一つにしたほうがいい。 会議においては、なんでもそうだけど人が多く混雑している環境ではbluetoothイヤホンはうまくペアリングできない。駅前のカフェでスマホテザリングbluetoothのペアリングを使ってなんとか会議に出たことがあったのだけど、全然安定しなくて後悔した。

出先でも後悔しないweb会議環境整備のコツとしては3つ。

今後の為にこちらの有線イヤホンをカバンに忍ばせることにした。https://amzn.asia/d/0V8w9Y7

おうち

デスクトップ

マイクにYAMAHA AG01を使っている。ミュートボタンがあるので簡単にミュートができる。会議アプリに依存することなくハードウェア側から制御できるのは結構楽。本当はピアノと声を一緒に配信するために買ったけど普通に会議でも使う。

カメラにemeet nova。安くてオートフォーカスで1920×1080まで対応しているのでコスパはとてもいいと思う。落としてからオートフォーカスがちょっと微妙になったので大切に扱ったほうがいいと思う。フォーカスが自動のものを買うか、設定で一番ピンボケしないところを狙って使うみたいな方法でしか対策できない。

web会議用のライトも一応モニタについている。2000円くらいでUSBからの給電だけで煌々と顔を照らせるようになる。これがないと朝と夕方と夜、もしくは晴れの日と曇りの日で全然相手に与える印象が違う。

これについては特にweb系の企業では導入されているところもあり、こういったところから印象を良くするための企業努力もあるところはあるっぽい。

僕の家には書斎がある。

同期が謎ルームと名付けたその部屋は普段全く使用しておらず、なんなら誰かが隠れて住んでもバレないくらいにはほったらかしになっている。この部屋には僕が大学院時代に買い込んだ技術書が山積みになっている。新卒の時に読んでおいてくださいと言われた本も、かつての上司が執筆した本も、大学に戻って学生に読ませた本も、同期が引っ越しに伴って譲ってくれた本も、まだある。

研究の後遺症でずっと思考が止まらない脳になっていたのがようやく治ったのは今年の1月の事だった。あれから5カ月が過ぎ、僕は隣町の事務員としてずっと住んでいるこの街にお菓子を配送している。行き帰りのスーパーに僕が出荷した商品が並んでいるのを見るのが最近の楽しみである。

ところで、まだ僕はこのIT業界で成功体験とかいうものを積んだことがない。元々ゲームクリエイターを目指していたが、高校時代スマホが急激に普及して、僕が幼い頃感じた喜びはすっかりレガシーと化してしまった。受験勉強もしていなければプログラミングも電子工作も10代で触れない環境で、ギリギリ僕でもついていけるかもしれないと半ば妥協で選んだ題材がネットワークだった。置かれた場所で咲く努力は、序盤は実った。しかし100人の研究者の前で登壇した後に理研のお兄さんと談笑したあの景色が僕のピークで、そのあとは燃え尽きた体で延々と図書館と近くの本屋を徘徊し、どの技術書も読めないとひたすら焦り、嘆いていた。あれ以上の刺激がないと何をやっても達成感を得られない身体に変わってしまってから、何をやっても面白さを感じられなかった。今日までそういうことを話さずここまで来た。

思えば20歳かそこらで環境が変化したところでついていけるはずもなく、そこで踵を返す恐怖にも勝てずにただただ上ばかり見ていた。どこまで行ってもどこまでやっても、これで僕は成功したと思えなかった。今以上に身体の個体差を努力で埋められるはずだと信じて疑わなかった。能力主義を心から信奉していた。

僕はこの夢を諦めたほうがいいのだろうか。しかし最近になってようやく頭がクリアになったからか、それとも一度諦めて社会人基礎力が0からつき始めたからか、この前全く読めなかった技術書の一部が読めるようになった。やっと読解力が変わったのだろうかと少し嬉しくなった。しかし今日仕事が終わってもう一度読み漁ってみると、その感動ほどインプットすることはできなかった。

ただ何か読める本と読めない本の違いのようなものを感じて、これはヒントになるのではないかと思った。どうも昔の僕は事典的な技術書を好んで読んでいた。それは金もなければ稼ぐ力もない僕にとっては魅力的で、しかし何かを作業するための本ではなかった。というより、当時から社会人になったらもっと実益に即した作業じみた本が読めるようになるんだろうな、という気がしてならなかった。本当に業務で使う為の、身内の人間がその仕事の事情に内通するための血肉とするための本である。研修や基礎固めに使う教科書ではなく。

色々と仕事を渡り歩いて、どこで頼られるにしてもとにかくその場の事情に内通することが重要なのだと気が付いた僕は、この「とにかくやれ」という空気が染みついた本を読む方がいいのだろうなという気持ちに今日変わった。そして、これまで通り教科書的な、事典的な、書いている人が気持ちよくなっているような本というのはおそらく2通りあることに気が付いた。つまりこちらが読んでいてエネルギーをもらえる本と、エネルギーを吸い取られる本である。後者は読んではならない。体調が一瞬で悪化する。

色々と合わない本は売り払って来たが、まだこの書斎には邪念が残っている気がする。物思いに耽るのは30分が限界だ。僕の本当の気持ちはどこだろう。


追記

今年も秋口になって例の好奇心旺盛な自分が戻ってきた。いつもこの時の自分をどう操縦しようか迷い、去年はどこか別の場所にも書いたが色々やってほとんど失敗した。とはいえあれがなければ今年の堅実な僕はいない。

割と僕は投資をする方だ。学生の時買い込んだ技術書もあの時の経験もみんな一生分の投資で、リターンが返ってくるのはこれからなんだとなんとなく今日になって思えるようになった。というより、そのつもりで当時は分厚い本を買っていただろうに、すぐにでも分からないとだめだ、目の前の環境に適応できない、課題を超えられないと焦り、その真の僕にとって不要な焦燥感にずっと駆られながら生きてきただけではないかと気付いた。ずっと手放せずに来たそのへんにある本を、もういちど一冊ずつ読んでいる。装丁も文体も著者の生き方も好きな本ばかりだ。一生かけても彼らにはなれないし、もうなることもないが、その半分くらいになれたら、僕としては大成功ではないかと思う。

そして、おそらくはなりたい自分になれている時、やりたい技術をやっていて嬉しい時、少しでも誰かの力になれた時、僕は十分に幸せを感じられるのだと思う。この業界に身を埋めて、毎日その道のことだけを考えて生きる日々は、僕には早かったのだ。そして、技術に触れれば触れるほど見えなくなっていた僕のなりたい自己像は、決して急速な技術の変遷によって煙に巻かれるようなものではなく、また自分が今触れている技術に自己像を100%投影したり、そこに依存したりするようなものでもなく、もっと直接触れることのできない、しかしどこかに必ずいるような不変の存在のいくつかであり、日々の景色の変化の中でも絶えず実体がそこにあるものであることを、僕自身が決して忘れてはならない。

最近ネットに精神科医の先生がよく動画を上げてくれるので、随分とこころの状態を自分で分析するのが楽な世の中になった。どの動画か忘れたがその中に妬みについて触れている箇所があって、ここ数日妬みとは何かについてずっと考えている。

技術者としてできるものなら復職がしたい。今の目標である。しかし、具体的な目標をイメージするとどうしても昔を思い出して胸が苦しくなる。こんな精神状態で仕事などできるわけがないというくらいに激しい感情が湧く。なんだか言語化さえもできないものに憧れて、言語化さえできないのだから実力など足りなくて、ただネットワークのことだけ考え続けられた、なんなら今の日本のインフラを支える偉大な人達と一緒になれる機会だって何度もあった。その度に自分はどんな道を歩んでどんな仕事をしておけば満足するのか、考えては軸足がぶれ、その圧倒的な実力差に落ち込み、毎日がそれだけで終わっていった。

今朝起きるとあの頃の感情が蘇った。あの景色が輝かし過ぎて、強く望むと却って他の居場所で頑張る気力すら出ない。今でも何かきらきらした上澄みだけを望む自分がいる。ここ半年ほど僕の思い描いていた路線とは全く違う努力を積み重ねて必要なものを確かに手にした自分がいるのに、また過去に戻るのかという落胆があった。今日が平日だったらたぶん仕事に行けていない。そのくらい胸が苦しい。

僕にとって順当な努力とは何だったのか考えることがある。機械が得意でもなければ特別好きでもない。そんなにきらきらしたもんじゃないと割り切れば続けられたのかもしれない。しかし一方で楽しそうに努力している人が隣にいる。典型的な妬みを抱く環境だとずっと気づいていたのに、自分のどこがためなのか言語化する作業が果てしなくて、途方もない時間を感情を処理するだけの時間にしてしまった。またあの展示会に行きたいとホームページを見るも、そこに映る社会人の顔つきはまだ僕には果てしなく遠いように思えた。

ところで、環境は人を本当に強くするのだろうか。

心理学では自分の外にある環境の影響で自分は成功体験を積めたのだと考えることを外的帰属という。上記の命題は正しいが、その感じ方に問題があるとどうしても妬みの感情を持ってしまうらしい。つまり、自分の努力のおかげで自分は強くなったのだと思うようにしなければ、「あの環境にいたから」「あの人がいたからたまたまここまで来ただけ」と思うしかなくなり、それは自分のおかげと感じられる自分とは程遠いのである。

強い人の下につけば自分も強くなれると高校で学んだのでこの道に入ったが、それが安直だった。引っ張られるだけ引っ張られて身体が引きちぎられるような経験をしてしまった。結局それは僕に高すぎる理想と嫉妬、手順書のない膨大な努力を押し付けてきた。これをこれからどう処理するのかはひとえに僕の課題なのである。そしてすべての経験を選択する過程で揺るがない自信を付けなければならない。僕の個人的な安心の為に努力がしたい。今はそれくらいしか考えられない。

モチベーション

自己満足でやった経験を改めて気軽に書こうという試み。つよつよ技術者しか周りにいなかったので何をやっても「おれはこの程度...」みたいな気持ちでものを書いていたのですが、改めてその感情と向き合い、邪念を消滅させる。

経緯

いつ買ったかわからないThinkpad英字キーボード。まったくへたれる様子がない最高の相棒ですが、掃除をしていなかったことに気づき手入れをすることにしました。 もくもくと作業をすることで日々の煩悩を消し、且つ経験値および内発的モチベーションならびに自己効力感を手にすることができます。

キーボード掃除してますか!?掃除手順と知りたくなかった汚れの実態 | Bauhütte®

打つところはキートップ、打ったことを感知するセンサはパンタグラフと言います、復習。なんかほかにも方式はあります。

qiita.com

ポストモーテムを発見した為キートップは外さず掃除することにしました。

どうぐ

生活に困窮しているので完全無料で清掃できる方法を採用しました。アルコール除菌シートとエアダスターが家にあると尚良いです。 最近は電動式エアダスターもあり、清掃がより高尚な行為としてその社会的地位を高めています。こういうのは無視しましょう。

清掃後

たぶん60点くらいの出来にはなったんじゃないでしょうか。ブラックに輝きが戻りました。何より大事なのは普段から汚れないように使うことなのでしばらくこれで大丈夫だと思います。

Fキーと仲良くなろう

全然使ってなかったんですが最近MOSの勉強でFキーが使えなくてイライラしていたので学習しました。

https://tanweb.net/2017/01/22/12802/

デフォルトでthinkpadキーボードはFキーを機能キーとして用いるようです。FnキーとFキーを同時押しすることでこの問題を解決できます。

そうはいってもF1(音量ミュート)、F9(一瞬でシステム設定に飛ぶ)、F10(ブラウザ検索)、F11(指定のタブを最上部に持ってきて作業する)などはかなり使える機能ですので、余裕がある方はぜひ覚えて効率化していきましょう。

長かった転職生活に一旦の区切りが出来ました。

大学に戻って恩師のもと事務作業を1年程していたのですが、僕が元々環境の変化や技術者の大変さに衝撃を受けたのもこの場所だったので、なんやかんやあって体調が再度悪化してしまっていました。とはいえここで手に入れたものや培った経験に思い入れがあるのも事実で、色んな環境や色んな人と一緒に仕事をしてみましたがあの空気には特段の愛着があるんだなとやはり感じています。もっと一緒にいて居心地がいいとか働きやすいとか話しやすいとか、そういう側面で見れば他の環境のほうが心理的安全性が高いなと思ったこともありましたが、やっぱり好きなことや憧れを仕事にするという姿を体現するうえでは、研究室で出会った人達がいつまでも目標というか、変わらず憧れのように思います。あれに近い環境に適応できるものならしてみたいというのが、今でも夢なのですよね。

経験を先取りしすぎたのです

個人的にはもっと自分で色んな人生経験をして色んな世界を見てから、「あの時すごい人たちが何を言っていたのかわかるようになるのだ」とずっと直感的に思っていました。社会人経験のない私が自分の想像できない社会人の暮らしにいち早く取り込まれたのは幸運でしたが、ずっと心の準備は追いついていませんでした。上司や優秀な学生との実力に開きがありすぎて、あるいは実力が付くよりも先に肩書をもらってしまったせいで、自分でお金を稼げている自己効力感がずっとなかったのです。

アルバイト経験や遊びをやってこなかったのも一因で、どのくらい作業をすればどのくらいの対価をもらうのが妥当かという収入モデルも、脳内に作り込めないでいました。その穴埋めをする期間としてこの下半期、ある種人が羨むようなポジションを辞め、最低賃金+100円くらいのバイトから再スタートし、その間バーテンダーやプロミュージシャンとのライブも経験しました。今は大学の隣町の物流倉庫で事務員をしています。

PC作業でうつ傾向が再発しないか心配でしたが、家庭を持つ方がパートで再就職しに来ているのを見たり、近い世代の非エンジニア(つまりは根っからのサラリーマン)と一緒に仕事をしたり、周りで自分の家族の話が話題に出てくるのが当たり前になっていく中で、僕でもいっぱしの人間として少しは力になれるんだという感覚を、社会人になって初めて持てています。

音楽をどの温度感でやるのか

ミュージシャンでやっていけるものならそうしたいと思っていたのですが、セールスの大変さや住んでいる場所の地理的な不利さ、経済的に引っ越す余裕のなさ、そろそろ30歳が見えてきて人生をもうちょっと堅実に立ち回る理性が出てきたことなどから、演奏活動を本業にして生きるのは現実的でないなと感じ、今は活動を制限しています(単純に演奏活動を維持できる経済的余裕がないというのもあり、配信とピアノの練習と月1くらいの活動のみに留まっています)。

体調を維持できる仕事の難易度と労働時間の遵守、また今の自分ならこれくらいは稼げるという根拠に基づいた自信から、ようやく精神的余裕が生まれ、最近になって再度お堅い求人広告を見る気力が出てきました。技術力で登用されることはないと思いますが、社会人基礎力みたいな部分が今になってやっとついてきたので、昔に比べれば少しは世間様に貢献できるんじゃないかなと。明言するものでもないので言いませんが、一応これくらいの収入が稼げる社会人になりたいという目標はあり、今はそこに向かってキャパシティを広げる努力をしています。

日曜なので酒を呑みつつ

www.youtube.com

しばらくぶりにテックカンファレンスでも見たいなあと思っていたらこんなのが出てきました。

28にもなるとしゃべっている人が雲の上の存在じゃなく見えてきて、というか人が加齢する過程を実感を伴って理解できるようになってきたので、割と親近感を持ってこういう真面目な話が聴けるこの頃。

とりあえずあまり難しい話をたくさん聞くと情報処理が追いつかなくなるので、「エンジニアのためのドキュメントライティング」(https://twitter.com/iwashi86)だけ聞くことに。論理的な文章にするために話題とする要素の抽象度を揃えましょうとか、大前提として読み手はほんとうは読みたくないのに課題を解決しないといけないから渋々ドキュメントに手を付けている、つまり流し読みに適した文書を書くべきだ、と言った話が印象的でした。僕もそうなんですが文章を書きたがる人って書くことによって快感を得ているので、それに付き従って闇雲に情報を吐き出していると雑になるんですよね。そうならないよう注意しようと改めて感じました。

さて、もうすぐこのブログも再開する気力が湧いてくるかもしれません。執筆を生業にするわけではないし趣味のテンションと時間配分でやっていきたいですが、やっぱりいい文章は書きたいんですよね。