フリーランスとは?代表的な職種や必要な準備、手続きをわかりやすく解説 (original) (raw)
目次
- フリーランスとは
- フリーランスになるメリット・デメリット
- フリーランスは増加傾向
- フリーランスの代表的な職種一覧
- フリーランスになるべきタイミングとは?
- フリーランスになるには?なる前の準備となった後の手続き
- フリーランスが案件を獲得する方法3選
- フリーランスになる前に確認したい注意点
- フリーランスにおすすめの資金調達方
- フリーランスとインボイス制度・フリーランス保護新法・電子帳簿保存法
- 【実態調査】フリーランスの年収や稼働時間は?
- 【体験談】フリーランスの先輩に始めて良かったことや苦労した点を聞いてみた
- フリーランスに関してよくある質問
フリーランスとは
「フリーランス」とは、企業に所属せず、個人で仕事を請け負う働き方です。特定の組織に縛られず、業務委託などの契約を通じて仕事を行います。
厚生労働省のガイドラインにおいては、以下のように定義されています。
フリーランスとは、実店舗がなく、雇人もいない自営業主や一人社長であって、自身の経験や知識、スキルを活用して収入を得る者
引用元 : フリーランスとして安心して働ける環境を整備するためのガイドライン
職種も様々で、エンジニア、デザイナー、コンサルタントなど幅広い職業でフリーランスが活躍しています。
フリーランスの働き方については以下の記事で解説しているので、興味のある方はチェックしてみてください。
フリーランスの働き方とは?仕事の特徴や会社員との違い、職種などを解説
フリーランスと個人事業主の違い
フリーランスと混同されやすい言葉に「個人事業主」があります。個人事業主の定義は「会社などの法人を設立せず個人で事業を営んでいる人のうち、開業届を提出している人」です。
つまり、世間でフリーランスと呼ばれている人のうち、開業届を出している一部の方が個人事業主にあたるといえます。
フリーランスと個人事業主の違いについて、詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
個人事業主とは?なれない人や自営業との違い、メリットをわかりやすく解説
フリーランスとフリーターの違い
フリーターは、フリーランスと同じく働き方を指す言葉で、「アルバイトを中心に生計を立てている人」を指します。
フリーターとフリーランスの大きな違いは、企業と雇用契約を結んでいるかどうかです。
フリーターは雇用契約を結ぶことが普通で、働く場所や作業内容も細かく決められることが多いです。一方で、フリーランスは雇用契約を結ばず、依頼された仕事の成果に対して報酬をもらうことが一般的です。そのため、フリーランスは仕事をする場所や時間も比較的自由であるという特徴があります。
他にもフリーランスとフリーターには、求められるスキルや報酬の決め方など、様々な違いがあります。詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
フリーランスとフリーターの違いは?同じ点やメリットからも働き方がわかる
フリーランスと自営業の違い
自営業者とは、「企業に属さずに自ら独立して個人で事業を営む人」全体を指す言葉です。
フリーランスや個人事業主と異なる点として、自営業者には経営者も含まれます。厳密な定義はないものの、個人事業主やフリーランスを含めた、より広い意味を指す言葉であるといえるでしょう。
これらの言葉の違いについて、さらに詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
フリーランス・自営業・個人事業主の違いは?メリットや定義を解説
フリーランスになるメリット・デメリット
フリーランスとして働くことのメリットとデメリットを紹介します。
フリーランスになるメリット
フリーランスとして働くことで、働く時間や場所を自由に決めやすかったり、スキル次第では高収入が狙えたりします。
働く時間や場所を自由に決めやすい
フリーランスになる1つ目のメリットは、場所や時間の自由です。
契約内容にもよっても異なりますが、基本的にフリーランスは仕事の成果に対して報酬をもらう働き方であるため、特定の職場に通わなくてもよい、毎日同じ時間に出勤しなくてもよいなど、柔軟な働き方ができることも少なくありません。
在宅勤務や休暇の取りやすさなど、ワークライフバランスを取りやすいのはフリーランスならではの大きな魅力でしょう。リモートワークをしながらワーケーションや地方・海外移住をするなど、フリーランスならではの様々なライフスタイルにチャレンジできるかもしれません。
フリーランスでリモートワークをしやすい職種について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
フリーランスでフルリモートワークしやすい分野は?案件の探し方も紹介
スキルに応じて高い収入を狙える
基本給や昇給ペースが決まっている会社員に対して、高い報酬獲得を狙えるのもフリーランスの大きなメリットです。
フリーランスの仕事では、クライアントや案件ごとに報酬設定が行われるので、スキルや実績次第では同じ職種の会社員よりも高い年収を狙える場合が少なくありません。
個人のスキル次第で、かなりの報酬アップを狙える可能性もあるでしょう。
フリーランスの平均年収についてはこちらの記事でも解説しているので、気になる方はご覧ください。
フリーランスの平均年収はいくら?給料アップの方法も解説
案件ごとに仕事を選べる
フリーランスのメリットとして、仕事を自分の意思で選択できる点も挙げられます。
企業に勤める会社員であれば、基本的に働く環境や業務内容を自分の意思でコントロールすることはできませんが、フリーランスは仕事を受けるか断るかを、案件ごとに決められます。
働きやすい仕事や、やりがいを感じられる仕事を選ぶことで、モチベーションも湧き、結果的に仕事の成果や自らのスキルの成長にも繋がりやすくなります。スキルを活かすことや、キャリアアップを目指して積極的に仕事を選べるのは、フリーランスの利点といえるでしょう。
ライフイベントに合わせて働ける
フリーランスは働く時間や場所を自由に選ぶことができる働き方です。そのため、在宅勤務がしやすかったり、都合に合わせて隙間時間で働いたりすることができます。
妊娠・出産・育児や介護などのライフイベントが発生し、働ける時間が減ったとしても、柔軟に対応しながら収入を得続けることができるでしょう。
フリーランスの妊娠・出産・育児に関して詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
フリーランスが妊娠したら仕事はどうする?働き方や利用できる制度・手当を解説
フリーランスで子育てと仕事を両立できる?メリットとデメリットを解説
長い期間働くことができる
フリーランスは会社員と違って定年退職というものがありません。そのため、好きな時期まで、長く働くことができます。
好きな時に始められ、好きな時まで働けるのはフリーランスのメリットのひとつと言えるでしょう。最近は、会社員を定年退職した後に、培ったスキルや人脈を活かしてフリーランスとして独立する人もいるようです。
フリーランスとして活躍している年齢の実態に関しては、以下の記事で紹介しています。
フリーランスエンジニアは何歳まで活躍できる?各年齢の実態を紹介
フリーランスになるデメリット
フリーランスとして働くデメリットには、収入が変動的で安定しにくい点や確定申告などの手続きが増える点があります。
収入が不安定になる
フリーランスにとってのデメリットの1つは、収入が不安定になりやすい点です。
フリーランスの仕事は案件ごとに契約期間が決まっているため、クライアント企業から契約を切られてしまえば、突然収入がゼロになってしまうこともありえます。また、市場動向によって求人案件の数も変わるため、フリーランスは景気の影響を受けやすいという背景もあります。
収入が無くなってしまうリスクを避けるためにも、案件の獲得手段をたくさん持っておく工夫が必要です。エージェントサービスや人脈など、さまざまな手段を活用して受注を確保しておきましょう。
フリーランスの不安定さをカバーする方法に関しては以下の記事をご覧ください。
フリーランスが不安定・やめとけと言われる理由3つと解決策を徹底解説
保険や確定申告の手続きが増える
フリーランスとして働くデメリットとして、保険関係や確定申告など、会社員であれば勤め先の企業が代わりに行っていた公的手続きを自分で行わなければなりません。
近年では便利な会計ソフトや確定申告アプリも登場しているので、これらを活用し、効率よく対応する工夫をするとよいでしょう。
確定申告に関して詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
フリーランスの確定申告まとめ!青色申告と白色申告の違いも解説
社会的信用が低くなりやすい
社会的信用が低くなりやすいこともフリーランスのデメリットです。
フリーランスは、元々収入が不安定なのに加え、景気が悪化すれば企業にとっては契約を解除しやすい存在でもあります。そのため、ローンの審査や結婚など、社会的な信用が問われる場面では会社員と比べて評価が低くなってしまうことも考えておかなければいけません。
特に、フリーランスとしての経験が浅い独立後の数年間は、不便なことも多いかもしれません。重要なライフイベントのタイミングでフリーランスになるのは避けたほうがよいといえそうです。
孤独を感じやすい
契約形態や案件の内容にもよりますが、フリーランスは組織に属さないため、個人で作業をすることも多いです。他者と関わる機会が減ることで、孤独を感じやすい場合もあるかもしれません。
他者とのつながりを持ち続けたい場合は、フリーランスコミュニティに所属したり、勉強会や企業の交流会などに積極的に参加すると良いでしょう。友人ができるだけではなく、案件の獲得につながる人脈もできるかもしれません。
フリーランスの孤独を解消する方法に関しては以下の記事をご覧ください。
【体験談あり】フリーランスの孤独解消法8選と1人で働くメリット
フリーランスは増加傾向
参考:レバテック調査レポート「ITエンジニア・クリエイターの求人倍率、15.8倍と高止まり続く」より掲載
レバテックの調査によれば、2019年12月から2022年12月までの3年間でITエンジニア・クリエイターのフリーランス案件希望者数は2倍以上に増加していることがわかります。
フリーランス人口が増加している背景には2つのポイントがあります。
- リモートワークの普及
- フリーランス向けアプリ・サービスの増加
リモートワークの普及
2020年以降、新型コロナウイルスの拡大によってリモートワークの普及が進みました。
総務省の「令和5年版 情報通信白書」によれば、2022年のデータで企業の「テレワークの導⼊状況」は51.7%という結果になっており、現在でも半分以上の企業がテレワークを導入していることが分かります。
リモートワークの普及により、時間に余裕ができたことで副業がしやすくなったり、情報収集がしやすくなったりと環境の変化があった人も少なくないのではないでしょうか。
ITエンジニアの副業事情に関して詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
エンジニアの副業フリーランスってどうなの?おすすめサービスや注意点を解説
エンジニアの副業は週1・土日だけでもできる?おすすめの案件例や注意点を解説
フリーランス向けのアプリ・サービスの増加
フリーランスという働き方がますます一般的になるにつれ、フリーランス向けの便利なアプリやサービスが増えてきました。
フリーランスの案件探しに役立つクラウドソーシングサービス、簡単に確定申告ができる会計アプリ、働く場所としてのコワーキングスペースなど、新しいサービスが登場し、今までフリーランスのデメリットになっていた問題も改善されてきました。
フリーランス向けのコミュニティやイベントの開催も増えています。そのため、フリーランス同士の出会いも求めやすくなったり、人脈づくりやモチベーションの継続がしやすくなったことで、フリーランスでも安定したキャリアを築きやすい環境も整ってきています。
フリーランスの増加について、詳しい情報を知りたい方は以下の記事もご参照ください。
フリーランスは増えすぎ?増加の背景や案件を獲得する方法などを解説
フリーランスの代表的な職種一覧
フリーランスと一言でいっても、さまざまな職種が存在しています。フリーランスが活躍している主な職種について4カテゴリに分けて、求人・案件の仕事内容や収入の相場、求められるスキルなどを紹介します。
- ITエンジニア系
- マーケティング系
- クリエイティブ系
- コンサルタント系
フリーランスの職種①ITエンジニア系
エンジニアとは技術者を意味する言葉で、ITエンジニアはコンピュータを動かすためのプログラムを設計したり、システムに実装したりするのが仕事です。
ITエンジニアのなかでも、扱う技術や担当するシステムの種類によって職種が分かれています。以下は例です。
フリーランスエンジニアは特に専門性が重視される職業です。例えば、システム開発に参画するフリーランスの場合、要件定義・設計・プログラミング・テスト・保守と工程が分かれており、工程ごとにメンバーが入って業務を分担するのが一般的です。
また、フリーランスのITエンジニアは需要が高まり続けており、スキル次第で収入を上げやすいのも特徴です。フリーランスエンジニアの平均単価は、月約65〜90万円が相場です。そのため、年収換算すると、約780〜1,080万円が目安になります。職種や扱う言語によって単価は異なるため参考程度にすると良いでしょう。
フリーランスエンジニアの平均年収や平均単価の詳細が気になる方は、以下のページをご覧ください。
フリーランスエンジニアの平均年収はいくら?言語・職種・経験年数別に紹介
また、レバテックフリーランスでは保有する案件データをもとに、職種や言語別の単価相場を公開しています。
単価相場を比較
さらに、需要の高さやプログラミングスクールなどの充実を背景に、エンジニアは未経験からでも目指しやすい職種でもあります。具体的な目指し方や学習方法などに関しては以下の記事をご覧ください。
未経験からフリーランスエンジニアになる方法|案件例や必要スキルを解説
フリーランスの職種②マーケティング系
マーケターとは、企業の集客や購買促進の課題を解決する仕事です。マーケティングのなかでも、Webに関する課題を抱える企業は多くなっており、それらの課題を解決するWebマーケターとよばれる職種は求人や案件が多く見られるようになっています。
マーケティング系の職種には、以下のような種類があります。
- Webマーケター
- Webディレクター
- Webライター
- ブロガー・アフィリエイター
例として、Webマーケターの仕事内容は、SNSの運用やリスティング広告などのネット広告運用、Googleの検索結果において上位にWebサイトが表示されるためのSEOのプランニング、Webサイトの最適化など多岐にわたります。
フリーランス向けWebマーケティング案件の単価は、約55万〜80万円が多いといわれています。年収を計算すると、約660万円〜960万円が目安といえるでしょう。
フリーランスの職種③クリエイティブ系
デザインやイラスト、映像などを扱い新しいものを生み出すクリエイティブ系の職種も、フリーランスとして活躍している人が多いです。クリエイティブ系には以下のような職種があります。
具体的な業務としては、例えばWebデザイナーであれば、クライアントからニーズをヒアリングし、希望に沿ったWebサイトの機能や見た目を制作するのが役割となります。
レバテッククリエイターのWebデザイナー案件一覧によると、フリーランスデザイナーの月単価は2024年6月時点で約50〜75万円がボリュームゾーンとなっています。年収では約600万円前後が多いといえるでしょう。
フリーランスの職種④コンサルタント系
コンサルタントとは、クライアント企業の経営課題に対し、解決のための提案やアドバイスをする仕事です。コンサルタントの仕事には以下のような種類があります。
コンサルタントは業界全体で需要が高まっていることや、スキル次第で個人でも大きな成果を出せるため、フリーランスのコンサルタントも多く活躍しています。
具体的な仕事は、ITコンサルタントの場合、IT戦略の策定、システム導入の提案などです。なお、ITコンサルタントは経営やシステム化の上流工程を担う役割であり、業界に関する深い理解や専門知識が求められるので、既に経験のある状態で独立するフリーランスが多い傾向にあります。
報酬単価は月90~125万円程度が目安となり、フリーランスITコンサルタントの年収は単価×12か月で約1,080〜1,500万円になります。
コンサルタントの単価について詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
ITコンサルタントの単価相場は?フリーランスになるメリットや将来性について解説
戦略コンサルタントの単価相場を解説!報酬の決まり方や収入アップのコツ
経営コンサルタントの単価相場とは?報酬の決め方や個人・大手の違い
その他のフリーランスの職種や需要について詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。
フリーランスの仕事一覧!おすすめの職種や必要な手続きを紹介
フリーランスの需要|エンジニアなどの職種の一覧や市場価値を知る方法
フリーランスの収入見込みをチェック
フリーランスになるべきタイミングとは?
フリーランスという働き方は、自由がきいたり収入が青天井だったりなどメリットも多いですが、反対に仕事が獲得できなければ収入がゼロになるリスクもあります。そのため、フリーランスになるタイミングは適切に見極める必要があるでしょう。
フリーランスになるタイミングに正解はありません。それぞれのスキルや経験、置かれている状況などによって判断すべきですが、その際に参考になる基準を紹介します。
- その職種において一定のスキルと経験がある
- 今後のキャリアプランが明確である
- 仕事を獲得できる人脈や経路がある
- 半年分生活していけるだけの貯蓄があるか
「今のスキルでフリーランスになれるのか?」「自分のスキルでフリーランスになるとどれくらいの収入が見込めるのか?」などわからない方は、フリーランスエージェントに相談してみるのも一つの手です。フリーランスエージェントは多くのフリーランスをみてきているため、的確で適切なアドバイスがもらえるでしょう。
レバテックフリーランスでも、無料相談会を実施しています。フリーランスにまつわる疑問や不安に、これまで多くのフリーランスを支援してきたコーディネーターが1対1でお答えします。すぐにフリーランスに転向する意思がなくても、キャリアの相談をするだけでも構いません。カウンセリングではスキルシートの事前準備も不要なため、まずはお気軽にご相談ください。
フリーランスになるには?なる前の準備となった後の手続き
フリーランスになるためにやるべき準備と、なったあとに必要な手続きを紹介します。
フリーランスになる前に準備すべきこと
フリーランスとして会社員から独立する場合、以下の点に注意して準備することが必要です。
- 必要なスキルや実績を作る
- 人脈や仕事のつながりを作る
- クレジットカードやローンの信用審査に注意する
- 独立資金を確保しておく
必要なスキルや実績を作る
自分のスキルや実績の棚卸しをして、フリーランスとして仕事をもらえるほどの能力があるかどうかを確認しておきましょう。
フリーランス向けの案件では基本的に即戦力が求められるため、一定の経験や資格が応募条件となることも少なくありません。自分を適切にアピールし、高単価の案件を獲得するためにも自分のスキルや実績を言語化し、整理しておく必要があります。
スキルが不足している場合、先に副業でチャレンジしてみたり、会社に所属して知識や経験をつけてからフリーランスになるほうが、安心して仕事を見つけやすいでしょう。
フリーランスにおすすめの資格に関して詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
フリーランスが習得すべき資格を職種別に紹介!取得するメリット、あわせて必要なスキルも解説
人脈や仕事のつながりを作る
フリーランスの仕事は、多くの場合、知人や友人、過去の取引先や勤めていた企業など、既存のつながりを経由して獲得されています。
フリーランスには、案件が途切れて収入がなくなってしまうリスクもあります。フリーランスを始める時点で十分なコネクションを構築し、そこから仕事をもらえる状態にしておいたほうが安心でしょう。
昨今では、フリーランス向けのコミュニティや交流会など、人脈づくりに便利なサービスや機会も増えています。積極的に情報収集をし、つながりを広げておきましょう。
フリーランス向けの交流会について、詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
【2023】フリーランス交流会のメリットや選び方、参加前の準備
クレジットカードやローンの信用審査に注意する
フリーランスは、基本的に収入が保障されていないため、安定した給与のある会社員に比べると社会的な信用が低くなりやすい傾向があります。特に、取引実績が少ないフリーランス一年目の期間は注意が必要です。
信用面で困る場面として特に多いのが、金融機関や保証会社の審査が必要なタイミングです。そこで、クレジットカードの作成や、賃貸契約、ローンの契約などの信用審査が発生する手続きは、独立前に行っておくのがおすすめです。
たとえ会社員時代と同じ水準の収入を得ていても、同じ審査に通らないことがあり得ます。フリーランスになってから後悔するということのないよう、リスクを認識しておきましょう。
フリーランスのクレジットカード審査について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
フリーランスもクレジットカードを作れる!審査通過のコツとおすすめカード
独立資金を確保しておく
フリーランスとして独立する場合、十分な資金を確保しておくことも重要です。
初期費用や毎月発生する運転資金を試算しておくと良いでしょう。初期費用としては、パソコンなどの電子機器やソフトの購入費、スキルを身につけるための教材やスクール費用などが当てはまります。運転資金としては、継続的に利用するサービスや光熱費などが含まれます。当面の事業継続に必要な資金、また生活費も含めて半年〜1年分程度の貯蓄があると安心です。
また、案件が途切れたり、けがや病気をしたりといった不測の事態にも備えがあるとなおよいでしょう。
さらにフリーランスの始め方に関して詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
【2023】フリーランスの始め方ガイド|何から始めるか分かる
フリーランスになった後に必要な手続き
フリーランスになった後には、やっておくべき手続きがあります。きちんと確認して、漏れのないよう対応を進めていきましょう。必要な手続きは以下の4つです。
- 健康保険の手続き
- 国民年金への切り替え
- 開業届の手続き
- 青色申告承認申請書の提出
健康保険の手続き
フリーランスの健康保険は会社員のものとは異なり、一般的には「国民健康保険」という保険に加入します。そのため、市区町村の役所で切り替えの手続きをする必要があります。
こちらは、原則として会社を退職した日の翌日から14日以内に国民健康保険への加入手続きを行うことになっています。
また、国民健康保険のほかにも、退職した企業の健康保険に最大2年加入し続けられる任意継続保険や、特定の業種の人々によって組織されている国民健康保険組合に入るなど、別の選択肢もあり、それぞれ内容が異なっているので早めに検討しておきましょう。
フリーランスが加入できる健康保険の種類や、手続き方法について詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
フリーランスの健康保険とは?安くする方法や国保以外のサービスも
【節約】個人事業主の国民健康保険ガイド!高すぎる保険料を安くする方法
国民年金への切り替え
フリーランスになったら、年金についても切り替えの手続きが必要です。会社員が加入する厚生年金から、国民年金へと切り替えることになります。
国民年金の切り替え期限は、健康保険と同じく退職後14日間以内です。市区町村の「国民年金担当窓口」で手続きを行う必要があります。
国民健康保険と国民年金に加入する場合、どちらも市区町村の役所で手続きをすることになるため、両方とも同じ日に済ませてしまうのがおすすめです。
フリーランスの年金の仕組みや手続きについて、詳しく知りたい方は以下の記事をチェックしてみてください。
フリーランスの年金ガイド|老後に備える方法や各手続きも解説
【要対策】個人事業主の年金|支給額や老後の資産対策をまとめて解説
開業届の手続き
フリーランスとして事業を長期的に継続する場合は、開業届を提出しておきましょう。
開業届を出すことのメリットとして、青色申告により税制の優遇を得られる、個人事業主として社会的に信用を得やすくなるなどの理由があります。特に税制面でのメリットは大きいため、基本的には開業届を出しておくことをおすすめします。
開業届を出さないことによる罰則はありませんが、期限としては事業を開始してから一か月以内に税務署で手続きを行うことが推奨されています。
また、後述する青色申告特別控除を利用するためには開業から2か月以内に申請を出す必要があり、そのために開業届の提出が必須となるため、忘れないうちに手続きを行っておきましょう。
開業届の手続きや注意点について、詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
フリーランスの開業届の書き方と記入例|提出するメリットなども解説
青色申告承認申請書の提出
フリーランスは、所得金額を計算して税金を納める手続きである「確定申告」を自分で行う必要があります。そこで、開業届の次に行うべきなのが青色申告承認申請書の提出です。
確定申告には「青色申告」と「白色申告」とよばれる2種類のやり方があり、青色申告をすることで「青色申告特別控除」という最大65万円の所得控除を受けたり、赤字を翌年に繰越せたりといった節税メリットがあります。
青色申告を行うには、事前に「青色申告承認申請書」を提出しておく必要があるため、手続きをしておきましょう。こちらの提出期限は開業から2ヶ月です。税務署での手続きとなるため、開業届と合わせて提出をしておくのがおすすめです。
参考:
No.2070 青色申告制度||国税庁|国税庁
A1-8 所得税の青色申告承認申請手続|国税庁
青色申告の詳細について知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
青色申告とは?やり方や白色申告との違いを解説
フリーランスとして案件を獲得する方法3選
フリーランスにとって、案件獲得の手段を確保することは、収入の安定やキャリアアップの機会を得るのに大切な要素です。案件を獲得する手段には、主に以下の3つがあります。
- 知り合いの紹介
- クラウドソーシングの利用
- エージェントサービスの活用
フリーランスの仕事の探し方に関しては以下の記事でも紹介しています。
フリーランスの仕事の探し方10選!準備するべきことや継続して案件を獲得するコツも紹介
知り合いや元の会社から案件を獲得する
フリーランスが案件を獲得する方法として最も一般的なのが人脈を活用する方法です。
「フリーランス白書2024」の調査によると、最も収入が得られる仕事の獲得経路として「人脈」を挙げた人は27.9%という結果となっています。これは「過去・現在の取引先」と回答した32.7%に次いで2番目に多い回答です。
人脈を活用することで、お互いに相手のスキルや人柄がある程度分かった状態で仕事を始められるため、契約トラブルの確率も少なく、フリーランスにとってもクライアントにとってもメリットがあるのです。
フリーランスとして独立するには、知人や取引先と積極的に関係を構築しておくことが重要といえます。
人脈を作る方法が知りたい方は以下の記事をご覧ください。
フリーランスが人脈を作る方法とは?なしでも仕事を得る方法も解説
参考:「フリーランス白書2024」|一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会
クラウドソーシングサービスで案件を獲得する
クラウドソーシングサービスとは、オンライン上で案件の受発注を行うことができるプラットフォームのことです。
幅広い種類の仕事が募集されているので、自分のスキルや希望に合った仕事内容の案件を見つけやすいという利点があります。
クライアントとの契約手続きもサービス上で完結するので、サービスを利用しない場合に比べて、報酬の未払いやクレームなどのトラブルが起こりづらいのもメリットです。
おすすめのクラウドソーシングサービス:クラウドワークス
クラウドワークスは、日本最大級規模のクラウドソーシングサービスです。
200種類以上の仕事から探すことができ、経験不問の仕事から専門性を必要とする仕事まで幅広く揃っています。全てオンラインで完結するため、副業としてフリーランスを始めてみたい方にもおすすめです。
また、案件が上手く獲得できない際の原因を紹介しています。お悩みの方は以下の記事をご覧ください。
フリーランスで仕事がないときどうする?そうなる原因と案件を獲得するための方法を解説
エージェントサービスから案件を獲得する
エージェントサービスとは、フリーランスとクライアント企業の間に立って仲介をしてくれるサービスです。たくさんの求人案件から各個人に適したものを紹介してくれるだけでなく、単価の交渉など、フリーランス側が手厚い支援を受けることができるのが特長です。
「フリーランス白書2024」の調査によれば、最も収入が得られる仕事を獲得した経路として「エージェントサービスの利用」の回答率は2019年の6.8%に比べて、2024年には13.4%と2倍以上の増加がありました。エージェントサービスの利用によって高単価の案件にマッチングできたフリーランスが、年々増えていることが考えられます。
近年では特定の業界や分野の求人案件に特化したフリーランスエージェントも生まれています。自分の職種や求める仕事内容に合ったエージェントを選ぶことで、より満足度の高い求人案件を見つけやすくなるでしょう。
おすすめのフリーランスエージェント:レバテックフリーランス・レバテッククリエイター
レバテックフリーランスは、IT・Web業界に特化したエンジニア向けのフリーランスエージェントです。レバテッククリエイターは、Web・ゲーム業界に特化したエンジニアやデザイナー向けのフリーランスエージェントです。
豊富な案件の中から、希望の条件に合った案件を提案してくれます。登録や利用は無料なため、「自分のスキルにあった案件が見つかるのか」、「まずは話を聞いてみたい」という方も相談からしてみると良いでしょう。
フリーランスになる前に確認したい注意点
フリーランスになるにあたって、確認したい注意点をいくつか紹介します。
- 未経験から案件を獲得するのは難しい
- 仕事の受注には営業が必要
- 継続的なスキルアップが大切
- 契約書は必ず交わす
未経験から案件を獲得するのは難しい
フリーランスは即戦力が求められるため、いきなり未経験での案件の獲得は難しくなります。
未経験の場合は、本業を続けたまま、まずは副業から挑戦してみるのがおすすめです。また、フリーランスとして独立したい職種で一度企業に就職し、スキルや経験を磨く方法もあります。
フリーランスとして一本で生活していける程度の収入を得られるようになったタイミングで、独立するのが良いでしょう。
仕事の受注には営業が必要
フリーランスは、仕事が割り振られる会社員と違って、自分で仕事を獲得する必要があります。仕事を獲得できなければ、当然収入もゼロになります。そのため、フリーランスには、自身のスキルをアピールし、売るための営業スキルが欠かせません。
営業が苦手な場合は、案件を紹介してくれるフリーランスエージェントを利用すると良いでしょう。
営業スキルに関して詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
新・フリーランス営業方法|先輩フリーランスもできない悩みを解決したコツ
継続的なスキルアップが大切
安定して仕事を獲得できるようになったとしても、フリーランスは常にスキルアップを意識する必要があります。フリーランスは高いスキルが求められるうえ、競合他者との差別化にもなる部分であるからです。
また、フリーランスには指導してくれる上司がいなかったり、会社が用意してくれる研修制度もありません。自主的にスキルアップのための時間を確保し、投資していく必要があるでしょう。
契約書は必ず交わす
クライアントとの契約には、必ず契約書を交わすようにしましょう。
口約束やメールだけのやりとりでは、報酬の未払いや減額、支払い遅延など思わぬトラブルに発展するケースもあります。自分を守るためにも契約書は必ず交わすよう注意しましょう。知人からの紹介であったとしても同様です。
契約書に関して詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
フリーランスの契約書ガイド|テンプレートや業務委託の基礎知識
フリーランスにおすすめの資金調達方法
フリーランスとして独立するには、一定の資金を確保しておく必要があります。しかし、独立資金を確保する方法は貯金だけではありません。そこで、フリーランスが利用できる資金調達の方法を紹介します。
融資を利用する
資金調達の方法としてメジャーなのが、金融機関からお金を借りるという方法です。融資には「大きな資金を確保できる」、「計画通り返済すれば社会的な信用がつく」などのメリットがあります。
フリーランスにおすすめなのが「日本政策金融公庫」と「信用金庫」を利用する方法です。順番に見ていきましょう。
日本政策金融公庫
日本政策金融公庫とは、新事業の支援を目的の一つとしている日本の政策金融機関で、低金利かつ比較的審査が通りやすい融資機関として知られています。
独立して間もないフリーランスには実績がないため、銀行で融資を受けることが困難な場合も多いです。
日本政府が出資している日本政策金融公庫では、1〜2.5%程度の低い金利で資金を借りられる「新規開業資金」や「新創業融資制度」といった制度があります。また、借りるまでの手続き期間も約1〜1か月半といわれており、比較的短いです。初めて融資を受ける人に向いているといえるでしょう。
信用金庫
銀行よりも比較的借りやすい融資の手段に信用金庫があります。信用金庫とは、地域の繁栄のために助け合う目的で作られた金融機関で、中小企業や個人をメインに支援しているという特徴があります。
融資の種類にもよりますが、制度融資を利用できれば年利1%以下の金利で融資を受けられる場合もあり、返済時の負担を抑えたいという人に向いているといえるでしょう。
ただし、金利や条件は運営している地方自治体によって異なるため、正確な情報をきちんと確認しておきましょう。
フリーランスの融資やローンに関して知りたい方は以下の記事をご覧ください。
個人事業主が組めるローン・融資|審査の通りやすいものなども紹介
助成金や補助金を利用する
借り入れよりもリスクを抑えて資金を調達できる方法に、助成金や助成金を利用する方法があります。日本政府は、フリーランスのように独立して事業を始める人を対象にさまざまな支援事業を行っているので、うまく活用することで自己負担を少なく抑えられるかもしれません。
小規模事業者持続化補助金
小規模事業者持続化補助金(持続型補助金)とは、経済産業省が新規事業を支援するために行っている補助金制度で、ホームページやウェブ広告など「販路開拓」の経費に対して補助金を受け取れる制度です。
年度・申請期間ごとに申請要件や対象経費などの条件が変わるので、中小企業のホームページ等で最新の公募要項を確認しておきましょう。
ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金
ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金(ものづくり補助金)とは、小規模事業者を対象に、技術導入費や外注費、クラウドサービス利用などの経費を支援している補助金制度です。
賃上げや生産性向上を目的としており、設備投資やシステム導入費などを中心に補助を受けられるのが特徴となっています。こちらも、年度などによって条件が変わることがあるので最新の情報をチェックしておきましょう。
フリーランスの給付金や助成金についてより詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
【2024年最新】フリーランス・個人事業主向けの給付金・助成金・補助金まとめ
クラウドファンディングを利用する
近年になって普及した資金調達方法にクラウドファンディングがあります。
クラウドファンディングとは、Webサイトやアプリを通じて不特定多数の支援者から資金を集めること。社会貢献やボランティアのイメージが強い方もいるかもしれませんが、他にも様々な目的でプロジェクトを掲載し、ファンを作れるのがクラウドファンディングの特徴であり、メリットでもあります。
CAMPFIRE
CAMPFIRE(キャンプファイヤー)は、音楽、本・漫画、アート、映画、プロダクトなど幅広いジャンルのクラウドファンディングに利用されている、日本最大級のプラットフォームです。
フリーランスの資金調達手段としても使われており、「写真家としてスタジオを立ち上げたい」「事業を法人化したい」など、さまざまな支援の募集が行われていることが分かります。
クラウドファンディングのプラスのメリットは、その後の顧客になる人々とつながりを持てることです。590万人もの利用者数があるので、幅広い人々と接点を作ることができるでしょう。
Makuake
Makuake(マクアケ)は、サイバーエージェントを親会社とするクラウドファンディングサービス。
サポートが充実しているのが特徴で、プロジェクトごとに専属のスタッフがついたり、独自のアクセス解析ツール「Makuakeアナリティクス」が使えたりと、企画者側にとって使いやすいサービスとなっています。
商品系のプロジェクトが多いイメージですが、「映像を制作したい」「サウナ体験を広めたい」など、フリーランスと親和性が高い支援事例も多くあります。
フリーランスとインボイス制度・フリーランス保護新法・電子帳簿保存法
インボイス制度・フリーランス保護新法・電子帳簿保存法、と各制度はフリーランスにどう影響するのでしょうか。対象のフリーランスの範囲に関して解説します。
インボイス制度の対象となるフリーランスの範囲
インボイス制度とは「適格請求書等保存方式」の通称で、消費税の仕入税額控除の新しい方式のことです。施行は令和5年10月1日からの開始となります。
インボイス制度において、適格請求書への対応が求められるのは消費税の課税事業者のみです。しかし、世間では免税事業者が適格請求書を発行できないことにより、取引先との間で立場が弱くなってしまうことなどが懸念されており、全てのフリーランスの方にとって少なからず影響があるといえるでしょう。
インボイス制度について、詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
【図解つき】インボイス制度にフリーランスはどう対応するべき?影響や検討ポイントを解説
インボイス制度に対するレバテックの方針に関しましては、以下をご確認ください。
【レバテック】インボイス制度に対する弊社取引方針について
フリーランス保護新法におけるフリーランスの定義
フリーランス保護新法(特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律)とは、フリーランスとクライアント企業との取引において、フリーランス側を不当な条件や待遇から保護するための法律です。施行時期は2023年〜2024年ごろとみられています。
厚生労働省によれば、フリーランス保護新法の対象となる「特定受託事業者」は、「業務委託の相手方である事業者であって従業員を使用しないものをいう」と定義されています。つまり、業務委託で仕事をしていて従業員がいない事業者の方がフリーランス保護新法の対象にあたるということです。
フリーランス保護新法について確認したい方は、以下の記事をご覧ください。
下請法とは?改正予想やフリーランス保護のための新たな法律も解説
参考:フリーランスとして業務を行う方・フリーランスの方に業務を委託する事業者の方等へ |厚生労働省
電子帳簿保存法の対象となるフリーランスの範囲
電子帳簿保存法とは、2022年1月に改正が施行され、電子メールやオンライン発注などの電子取引における書類や帳簿を電子データで保存することを定めた法律です。
2024年1月からは、紙の書類ではなく電子データとして取引記録を保存することが義務化になるため、世間の関心を集めています。
電子帳簿保存法は、すべての企業・個人事業主が対象となるため、基本的に税務申告をする人ほぼ全員が該当します。
電子帳簿保存法に関しては、以下の記事も併せてチェックしてみてください。
【2024年1月義務化】個人事業主のために電子帳簿保存法をわかりやすく解説
【実態調査】フリーランスの年収や稼働時間は?
フリーランスの働き方について、実際のデータをもとにみていきましょう。
どれくらいの時間働いている?
フリーランス白書2024によると、フリーランスのひと月あたりの稼働時間として最も多かったのは、「140〜200時間未満」で32.4%でした。
ひと月の稼働日数を20日と仮定すると1日あたり7〜8時間働いているフリーランスが多そうです。
会社員とあまり変わらないようにも感じますが、フリーランスは仕事をする時間が固定されていないため、多めに仕事をする日があっても、その分他の日を休暇に回したりなど、プライベートの予定に合わせて柔軟に働くことができます。
フリーランスの稼働時間やスケジュールを知りたい方は以下の記事をご覧ください。
フリーランスエンジニアの1日のスケジュールは?会社員との違い
参考:フリーランス白書2024|一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会
平均年収は?
フリーランス白書2024の調査によると、フリーランスの年収として最も多かったのは、「200〜400万円未満」で26.7%でした。次に多かったのは「200万円未満」で17.9%です。
フリーランスの収入は、職種や案件の内容、経験年数によって変動が大きいため参考程度に考えると良いでしょう。
参考:フリーランス白書2024|一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会
フリーランスになった理由は?
総務省の令和4年就業構造基本調査の結果によると、フリーランスになった理由として最も多かったのは、「専門性を活かせるから」で32.5%でした。その次に多かったのは、「都合の良い時間に働きたいから」という理由で29.5%でした。
合わせて半数以上が、「専門性」や「柔軟な働き方」を挙げており、自身の求める条件を満たす働き方に魅力を感じていることがわかります。
参考:基幹統計として初めて把握したフリーランスの働き方~令和4年就業構造基本調査の結果から~|総務省統計局
【体験談】フリーランスの先輩に始めて良かったことや苦労した点を聞いてみた
フリーランス歴6年のK.Fさん(38)とフリーランス歴12年のK.Kさん(40)に、フリーランスになってよかったことや苦労したことを聞いてみました。
フリーランスになったきっかけを教えてください。
【K.Fさん】
SES会社の社員として入った現場の一つに、フリーランスとして参画していた方がいたのがきっかけで、会社員の働き方との違いに興味を持つようになりました。実は、会社での人間関係や評価制度にもなんとなく疑問を感じていて…。
僕自身もフリーランスにすごく魅力を感じたというよりは、会社員との違いに興味があって「とりあえず1回やってみよう」と転向したんです。やってみて向いていなかったら、また会社員に戻れば良いかと思っていました。
【K.Kさん】
実は大学時代の新卒就活時から「フリーランス」は意識していました。とはいえ、当時は就職を第一に考えていて、フリーランスへの理解が浅かったこともあり、頭の片隅にある「選択肢の一つ」くらいに考えていました。
就職後も2度転職活動をしましたが、3度目の転職を考えはじめた過程で、この納得のいかない転職を繰り返すサイクルから抜け出したいと思ったことがフリーランスに転向した決め手です。
今のつらい環境や状況から離れても、次の会社が合わなければまた転職となり、同じことの繰り返しになってしまうので。思い切って一度フリーランスになってみて、自分の仕事観に合わなかったり、挫折してしまった時はまた会社員としてやり直せばいいと考えていました。
フリーランスになってよかったことは何ですか?
【K.Fさん】
人間関係のストレスが少ないのが一番ですね。案件が変われば人も変わるので、人間関係が固定化していた会社員のころより、フリーランスの今の方が気楽です。
また、契約書をきちんと読み、自分の意志でサインをしているので、契約周りのことが理解できるようになり、視野が広がりました。
【K.Kさん】
会社員と比べ時間に自由が利くようになったのが良かったです。当時は毎日出社していたので、フリーランスになり、在宅案件に参画できるようになったのも嬉しいところですね。
時間的拘束が減り、形式的な社内行事に参加する必要がなくなったのも大きいです。
契約で決められた参画先の業務だけに専念できるようになったことがフリーランスの良いところですね。
反対に、フリーランスになって苦労した点はありますか?
【K.Fさん】
フリーランスになると、保険や年金で出ていくお金が多くなるイメージがありました。これは実際にイメージと変わっていないです(笑)ですが、個人的にはお金が出ていく不安よりも、人間関係のストレスが少ないフリーランスで働ける幸せの方が大事ですね。
あと懸念していたのは、確定申告が大変そうなこと。ただ確定申告については、会社員が年末調整するときの手間とそれほど変わらないと思いました。
【K.Kさん】
有休や育休など、会社員時代にあった福利や休暇制度が使えないところです。長期休暇を取りたい時や、やむ終えず体調が悪くて休む時などは稼働時間(日数)が大幅に減ると売り上げに関わるので大変でした。
今では前もって稼働時間(日数)を見積った上で、計画的に休みを入れたり、普段から体調管理を意識して行動するようになりましたね。
また、フリーランスになりたての頃は確定申告の手続きも大変に感じました。ただ、最近は会計ソフトや電子マネー、銀行などのサービス同士の連携が進んでいるのでお金周りのことはだいぶ楽になりました。手作業・手入力で計算していたときと比べると誤差が出にくく、手続きにかける時間も大幅に減りました。
フリーランスに関してよくある質問
フリーランスの仕事や働き方に関する、よくある質問に答えていきます。
また、フリーランスにまつわるあれこれを解説した記事のまとめを以下にて紹介していますので、気になることや不明点があれば参考にしてください。基本知識はもちろん、営業方法などの実践的な記事や、子育てとの両立などのお悩み系記事も紹介しています。
フリーランスになるには?始めるための3ステップと事前に知っておくべきことも紹介
Q. 起業とフリーランスの違いは何ですか?
起業は「新しい事業を起こすこと」、フリーランスは「自由な働き方」を意味する言葉です。言葉の意味合いは異なりますが、どちらも法律等で定められた厳密な定義はありません。そのため、フリーランスとして独立することと、個人で起業することを同じ意味として扱う文脈もみられます。
詳しくは以下の記事でも解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
フリーランスと起業の違いとは?必要な手続きや注意点なども徹底解説
Q. 副業とフリーランスの違いは何ですか?
副業とフリーランスに大きな違いはありません。実際にフリーランスとして働く方のなかには、会社に所属せず本業として案件を受ける「本業フリーランス」もいれば、別に本業を持っている「副業フリーランス」の方もいます。ランサーズの「働き方調査2023」によれば、フリーランスのうち28.2%が副業フリーランスという結果になっています。
レバテックフリーランスでは週3日からの稼働が可能な副業向け案件も取り扱っています。レバテックフリーランスでは、一人ひとりの環境や希望をヒアリングしたうえで最適な案件をご紹介していますので、お気軽にご相談ください。
また、副業フリーランスとして、派遣社員との掛け持ちをする働き方もあります。フリーランス一本で働くより、収入が安定しやすく、派遣会社の福利厚生制度や社会保障が受けられる点がメリットです。フリーランスの副業や派遣との掛け持ちに関して詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
副業フリーランスの始め方|おすすめ案件一覧や注意点、職種を解説
フリーランスと派遣の働き方の違いとは?メリット・デメリットや掛け持ちする際の注意点を解説
Q. 20代でフリーランスになることは可能ですか?
スキル次第では、20代でフリーランスとして活躍することも不可能ではないといえます。実は、大学生でもフリーランスになることも可能です。
大学生がフリーランスになる方法に関しては、以下の記事をご覧ください。
大学生がフリーランスエンジニアとして案件を受注するには?注意点も解説
しかし、人脈や社会人経験が少ないことから20代のフリーランスが高い報酬を得るのは難しいことも多く、割合としては多くありません。フリーランス協会の「フリーランス白書2024」によると、フリーランスで「20代」の割合がアンケート回答者全体の約10.5%になっています。
職種によっても異なりますが、企業に所属して十分な経験とスキルを身に着けた後の30代以降に、フリーランスとして独立するのが一般的なようです。
フリーランスと年齢について詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
フリーランスは40代から目指せる?知っておくべきポイントやおすすめの職種・平均年収も紹介
Q. スキルなし・未経験でフリーランスになることは可能ですか?
人材不足やクラウドソーシングなどの発達により、未経験でもフリーランス向けの案件を獲得しやすくなってきています。
ただし、難しいのは継続して生活できる収入を稼ぐことです。フリーランスには即戦力としての働きを期待される風潮があり、未経験向けの案件は見つかりにくかったり、単価が低かったりする場合もあるでしょう。
詳しく検討したい方は、以下の解説記事もご覧ください。
未経験・スキルなしからフリーランスになるには?おすすめの仕事の獲得法も
【フリーランス初心者向け】平均年収やおすすめの職種、案件の探し方を紹介
Q. フリーランスが支払わなければいけない税金を教えてください。
フリーランスが納付する税金には、以下の5種類があります。
- 所得税
- 個人事業税
- 住民税
- 国民健康保険料(国民健康保険税)
- 消費税
計算方法や課税対象について、詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
フリーランスが支払う税金の種類は?節税方法や払えないときの対処法も解説
Q. 月収50万円の場合、フリーランスの手取りはいくらになりますか?
一概にはいえませんが、30歳独身のフリーランスの場合、月々の手取りは約40万円が目安となります。
各個人の家族構成や住んでいる地域、確定申告方法や経費など、手取り額は様々な条件によって異なります。計算方法や条件について詳しく知りたい方は、詳しく解説しているこちらの記事をご覧ください。
フリーランス(個人事業主)で月収50万円の手取りはいくら?税金・保険料の計算方法も解説
Q. 日本のフリーランス人口は今後増えるのでしょうか?
DXやIT人材不足、国の政策などによりフリーランスの人口は増えてきており、これらの社会状況が変わらない限り、フリーランス人口は長期的には増えていくと考えられます。
フリーランスの人口については、以下の記事もチェックしてみてください。
日本のフリーランス人口はどれぐらい?割合・年収やアメリカとの比較、増加の理由を紹介
Q. フリーランスから正社員への就職・転職は難しいですか?
フリーランスから正社員への転職は決して不可能ではありません。
ただし、そのためには適切なアピール材料をそろえる必要があります。即戦力として十分な実務経験や、自力で獲得して身に着けた高いスキルなど、フリーランスならではの強みを企業にアピールできるようにしましょう。
フリーランスから正社員への転職について詳しく知りたい方は、以下の解説をご覧ください。
フリーランスから正社員に転職する方法|アピール方法を知って再就職
※本記事は2024年6月時点の情報を基に執筆しております。
最後に
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