高専生が京大生になって1年半〜2年間の振り返り〜 (original) (raw)

約2年ぶりのブログ。ふくほです。

高専を卒業して無事大学生になってから1年半くらい経ちました。なんかブログを書きたくなったので、今までの振り返りなどを書いていこうと思います。
大学編入が決まってるけど編入後どんな生活しようかなあと思ってる高専生の参考になればいいなと密かに思っています。個人の話が多すぎてならないかもだけど。全体はめちゃくちゃ長いので、読んでくれる方は気になるところだけ目次から飛んで読むことをおすすめします。過去の振り返りは日記風に常態で書きます。また、これは個人の心の中を書き殴ったものであり、所属機関の意向とは一切関係がありません(言ってみたかっただけだが)。個人の認識を書いているだけなので、大多数になにかを強いる意図はないです(追記)

今回はこれまでのブログの中で一番ひとりごとっぽいと思います!

もくじ

筆者について

筆者は某市立高専から京都大学に2023年編入学した、どこにでもいる普通の高専卒業生です。京都大学は2年次編入なので、筆者は大学に入って2年目ですがB3です。高専の時に所属していた学科は電子系でしたが、数々の回路実験を通して(楽しかったけど)自分が電子系の何かを極めることは難しいと判断し、大学から情報系にチェンジしました。(高専からの大学編入で専門が変わることは実はよくあります)

大学入学前くらい

合格発表は昼にひとりカラオケで見て、夜までずっと歌って満足して帰ったので高専に合格したことをずっと報告し忘れていた。1週間報告してなかったので、落ちたと思われていたらしい。ちゃんと受かってました。本当にすみません。
9月は合格した喜びに浸っていたので、給付型奨学金を10月くらいから探し始めた。わしまる大学さん、本当にありがとうございます。進学したいけど金欠な高専生にもぜひ触れてほしい情報である。
引越し先を決めるのに手こずった。もともと後回し癖があるのと、寮にするかアパートにするかで悩みに悩んで、結局1月くらいにアパートを契約。学生の街の家探しバトルに無事勝利、編入生の特権。今思うとかなりいい立地の場所に住めたと思う。これから下宿する人は、
- 家賃を抑える意思があり、チャリを使うなら駅から遠い場所にするべき(遠出して終電に帰ってくる日以外は不便に感じない)
- コンビニと病院が近くにあるかは確認しておき、遠かったら覚悟した方がいい(インフルエンザとかになっても看病してくれる人がいません)
あたりは日常生活にダイレクトに効いてくるので意識したらいいと思います。

高専の卒研が楽しかった。卒論や予稿は指導教員の先生がめっちゃ添削してくれるので書きがいがあって面白いし、TeXの知見も増える。先生本当にありがとうございます。発表会に出ると、ほぼ同じ基礎知識を勉強したはずのクラスメイトが全然ちがう研究をやっており面白い。5年生は高専5年間の中で1番面白かった。

情報科学の達人の受講生として情報処理学会のポスターセッションに出た。学会って楽しいよね。全力で発表していたら賞もいただけた。この研究自体は今は続けられてないけど、これを活かした実務に取り組めており、本当にいい経験をさせていただいたなと思っている。中高生あるいは高専生で情報科学をもっとちゃんとやりたい人にはすごくおすすめのプログラムである。
www.nii.ac.jp

達人ポスターセッション出ました🙌
お疲れ様 & ありがとうございました pic.twitter.com/VqyhPBQxLN

— ふくほ( 'o' )!!! (@fukuro_hoho) 2023年3月4日

え!高専のメアド全然見てなかったから今知ったんだけど、情報科学の達人で優秀賞(何人かいる中の1人)を頂いていました!ありがとうございます

— ふくほ( 'o' )!!! (@fukuro_hoho) 2023年4月17日

そんなこんなで無事卒業したよ。

引越し~ 大学入学

引越しの日は大変だった。家族総出で軽トラを出して荷物を運んでくれたけど、ダンボールを家に搬入したら家族は全員帰ってしまったので、1人で家具の搬入と組み立てをした。ベッドの組み立てが難しかったし、組み立てないと寝れないので必死だった。
ちなみに、引っ越す前に服を圧縮する練習をしていて(?)、サメを圧縮した写真をツイートしたらなんかバズった。

引越し準備の一貫で試しにサメを圧縮してみたけど、なかなかコンパクトで良き pic.twitter.com/a9Qwn9m3wd

— ふくほ( 'o' )!!! (@fukuro_hoho) 2023年3月18日

交付された学生証を取りに行った。新入生の学生証は、新学部生、新大学院生、編入生の順番に並んでおり、かつ編入生が1人なせいで事務さんに「あなた本当に情報学科の学生ですか?」と聞かれた。そんなドッキリある?多分そうですと答えた後で事務さんが私の学生証を見つけ出し、無事学生証をゲットした。顔写真付きの学生証に感動した。

引っ越してきて3日目くらいに、高専編入生の集まりに参加した。国立大6つ(東大含む)を受けて全部合格したのにあえて京大に来たことで有名な先輩と初めて会った時、あまりにもブログと同じ口調で喋ってくれて感動した記憶がある。

入学式に行った。めっちゃ雨降ってた。親子で来てる人がいっぱいいて、10代後半~20代になっても保護者同伴ってあるんだなあと思った。塾バイトの広告めっちゃ配られた。お菓子かティッシュがあるものだけ受け取った。裏口入学ヅラしないように頑張った。

新入生の顔をしてサークルの新歓に行きまくった。新入生です!新入生なんです!って言って歩いて、新歓勧誘の人に履修の話をされたら学年がバレる。高専の友達の中学同期が上級生にいて気まずいことがたまにあった。普通に入学してたら3回生、サークル3年目だからね。また、どこかのテニサーは編入生の新歓の参加を断られた。まあどうせ入らないからいいんだけど。

2回生前期

授業が始まった。最初の方は2限の日は9時15分、1限の日は7時30分くらいに起きて優雅に朝ごはんを食べて投稿していた。授業数はとにかく多かったが、単位認定の上限のせい?か高専の時にやった内容をやり直しているものが多かった。木曜と金曜の5コマ全埋まりは本当にアホ。これから大学生になる人は、ちゃんと体力的に出席が続けられるような時間割の構築を意識した方がいいです。

ちょっと時間割変えた pic.twitter.com/XDxESk7LjS

— ふくほ( 'o' )!!! (@fukuro_hoho) 2023年4月15日

プログラミングするサークル(?)に入った。ガチプロが多すぎて横転。音楽の趣味がめっちゃ似ている友達ができた。それとは別で、達人時代のご縁でエンジニアのインターンを始めた。これは1年半くらい経った今もとても楽しく続けている。
平和で健康な毎日。

2回生夏休み

映画プリキュアオールスターズFを観た。初代から飛び飛びだがだいたい追ってる私からすると、感動要素が多すぎて大号泣。本来プリキュア映画の入場者特典は中学生以下しかもらえないが、中学生に擬態することもできなかったので駄々をこねていたら、幼稚園児の弟が入場者特典くれた。本当に大人気ない…。

高専2年生のときに無知識状態で買ったWindowsPCが悲鳴をあげていたので、Macbook Airに替えた。すごく軽くて性能も良いので気に入っている。周りに情報系の人が増えたことでこういう時に有益な情報をたくさん教えてもらえるようになって、本当にありがたい。

初めて、1人で関東に行った。生まれてから約20年間ほとんど関西から出たことがなかったので、東京の方言(?)は「テレビに出ている人とアニメに出てくるキャラ」が使っているものだと認識していたが、駅にいる子供が関西弁を喋っていなくて衝撃を受けた。それに梅田よりも人が多い。日本の人口が1億人を超えてるのは神戸みたいな街がめっちゃいっぱいあるからだと思ってたけど、東京に人が集まりすぎているからなのか。田舎に住んでいるとカーボンニュートラルを達成できていないのが不思議でならないが、東京の街を見ると納得する。

2回生後期

マブダチが結婚した。このマブダチとマブダチの旦那さんが交際を始める日になぜか私も一緒にお茶をしていたので(??)、とても嬉しい気持ちになった。婚姻届のサインのうちの1人に選んでもらえてさらに嬉しい。この夫婦もそろそろ結婚して1年くらい経つが、驚くほどお互いへの思いやりが強い。びっくりするくらい喧嘩してるけど、その根底はいつもお互いへの思いやりなのでみていてほっこりする。いつもほっこりさせてくれてありがとう。これからも幸せでいてほしいととても思う。このマブダチについては別にブログを書いて語りたいな。本人からも許可いただいたし。

大学で1番2番を争うほどに面白い授業(2つ)は2回生後期に受けた。1つめはシェイクスピアの「冬物語」の原文を読む授業。担当教員は、岩波文庫の訳本を書いた先生。どういう表現の訳に苦労して、どういう表現が先生のお気に入り、みたいな専門家の裏話を聞けてとても面白かったし、古い英語を初めて読んだので言葉の変化を感じた。シェイクスピア冬物語に載っている古い英語を読んでいると、現代の英語はかなり喋りやすいように変化しているように感じて面白かった。レポートも毎回フィードバックがありよかった。全京大生に進めたいE1人社科目です。2つめは、神経心理学のゼミ授業。実験後の5限だったが、少人数で雰囲気が良かった。前々から脳科学に興味があるものの、神経心理学の授業は他の科目との兼ね合いでとることができずもどかしく思っていて、ちょうど良かった。自分の発表をがんばったら、あとは他の人の発表を聞いて質問をいっぱいするだけの楽しい授業。最後に先生からのコメントも入ってなるほどとなれる。他の受講生とも割と顔見知りになり(顔見たらわかる程度だが)、いい授業だったなと思う。

かなりの数の授業を受けたが、単位は耐えた。年間で他学部聴講を合わせると68単位取った。インターンやりながら、サークルやりながらだったのでかなり体力勝負だった気がするが、ここまでできた自分をシンプルに褒めたいと思った。

前期後期この時間割,完走しました!🙌(フル単) pic.twitter.com/ZoaOJ0XVph

— ふくほ( 'o' )!!! (@fukuro_hoho) 2024年2月19日

2回生 ~ 3回生の春休み

インターンが楽しすぎて、稼働を増やした。プログラミングサークル(?)が、プログラミングバイトに進化した。毎日実装天国である。実装力・自走力は今でも全然追いついてない気がするので精進するし、実装できるだけの人間は求められてないことを働いていてとても感じるので、もっと世の中に必要とされる人材にならなければと痛感した。今もだけど。ちょこちょこ遊びに行ったりしたが、かなり自分の働き方を意識して過ごした長期休暇だったと思う。

3回生前期

2回生の時と比べて、授業数が半分に減ったものの、難易度がぶち上がった。高専時代の貯金、無。2年次編入でほんまによかったと思った。今見返したら上回履修が2つと3回生配当が6つだったので、かなり頑張ったんじゃないかと思う。

生まれて初めて、セカオワのライブに行った。深海3回参戦。セカオワは小6のときに紅白でDragon Nightを聴いてからずっと追っていたが、金欠かつ友達がいなくてライブには行けてなかった。大学に入って初めてセカオワ好きの人に会えたので、連れて行ってもらったらもう感動。イントロ1秒聴いただけで泣き崩れるオタクになってしまっていた。本当にありがとうございます、また行きましょう絶対。ライブから半年くらい経ったけど今でもまだ余韻に浸れるくらいによすぎた。語彙力がないオタクになってしまっているのでライブの感想はこの辺にしておきます。

人工知能学会に行った。個人的に特にオーラルセッションがお気に入りだった。東工大の岡崎先生のLLMの事前学習についてご講演は、めっちゃメモをとりながら頷いて聴いた。私も事前学習してみたくなった。特定のタスクにめちゃくちゃ長けてるやつ、作りたすぎ(作れるとは言ってない)。一方で、わからないことも多すぎてまだまだだと感じた。AIエンジニアを名乗っていいか不安なくらいにわからないことが多かったので、技術キャッチアップはまだまだこれからの課題である。

3回生夏休み

わんだふるぷりきゅあ!ざ・むーびー!を観た。ひろプリのキュアウィングが大好きな私、号泣。また弟から入場者特典をもらった(プリキュア映画では中学生以下しか入場者特典の光るリングをもらえない)。ごめんね。

すごい頻度でラーメンとまぜそばを食べた。京都在住万歳。体重は狭義単調増加。まあ、ラーメンにはお肉がいっぱい入ってるので、実質全部タンパク質なんじゃないかと思っておく。

インターンが楽しかった。この夏休みも遊びに行ったりはしたものの、働き方を意識することが多かった気がする。今所属している組織は、「偉い人」に決定権があるというよりは、「合理的な理由」に決定権があり、この合理的な理由をみんなで見つけ出しているような感じがする。組織なのでどうしてもある程度の立場ができてしまうが、それは会社として価値を生み出すために作った座組であって、その人が威張るための座組ではないということをみんなが理解している。私は「経験が浅い人はとりあえず経験がある人に従っておけ」という風潮が苦手すぎてものが続けられないことが過去に多々あったが(特にスポーツ)、今の私の周りの人は、経験から掴んだ肌感を言語化して論理的に説明してくれる人ばかりで本当にありがたい。「とりあえず従え」ではなく、納得するまで言葉にして論理立てて説明してくれる。こういう人についていきたいと思うし、私もこういう人になりたいと心から思う。さらに、視野が広くて、他の人を適切に頼れる人は強いと感じる。目先のタスクに目をやるのではなく、なんのためのタスクなのかを俯瞰した上でそのタスクの存在意義にすら懐疑的になれる。また意地を張って自分一人でなんとかしようとするのではなく、他の人の得意分野を把握した上で適切に頼れるし、その時の情報伝達もぬかりがない。こういう人になりたすぎるな、精進します。

最後に

ここまで読んでくださり本当にありがとうございます。
この前まで大学に入ることが目標だったのに、そんな過去も忘れて毎日前に進めるような環境なのは本当にありがたいことだなと日々感じます。生活面においても、学業においても、お仕事においてもそうです。(追記: あくまで個人の認識であり大多数にこれを強いる意図はありません)大学はあくまで学問をやる場として、卒業すれば学位をもらえる場としての通過点にすぎません。自分が大学に在籍していること、合格したことが重要なのではないと私は思います。重要なのは大学に在籍しながら何をするか、あるいは学位を得てから何をしたいかだと思っています。ストレート卒業してアカデミアに残るもよし、ストレートで卒業して就職するもよし、計画留年して研鑽を積んだり起業したりするのもよしだと思います。大学生の期間は一般的にモラトリアムであると言われますが、見方を変えれば自分を大きく成長させる期間にすることもできるはずです。特にこれから大学に入る人なんかは、大学に行って何をしたいのか?卒業後はなにをしたいのか?(あるいは、必ずしも卒業しなくてもいいと思っています)を明確にしたうえで、大学生の期間を無駄にしないようにしてほしいなと思います。2年次編入でいろいろするの楽しいよ。後輩の相談なら乗るのでDMください。
さて、これからですが、ブログで確定なことを書くわけにはいかない気がしているので、頑張ります!とだけ、書いておきます。特に大学に入ってから、自分の実力不足を痛感する機会がかなり増えたので、迂闊に大きなことを言えなくなっている面もあります。小学生が「将来石油王になる!」と言ったらかわいいで済むが、いい歳の大人が「これから石油王になる!」と言ったら変な目で見られてしまうのと似た感覚でしょうか。建前上成人してから何年か経ちますが、まだ心は成長しているんですね。なんとなく将来設計も考えているものの、まだ不確定要素が多すぎて決定しきれずにいますし、こんなところで宣言してしまって方向転換したらかなり笑えない気がします。

まだまだひとりの人間としても、学問を学ぶ者としても、エンジニアとしてもひよこなので、これから自分がいいと思ったものを取り入れながら伸ばしていきたいと思います!!それでは!!