細野豪志が「涙の演説」で巻き返す!?
民主党新代表の試練 (original) (raw)

民主党の新代表が1月18日に東京・赤坂のホテル・ニューオータニで開催される臨時党大会で選出される。代表選レースに出場しているのは岡田克也代表代行(61)、細野豪志元幹事長(43)、長妻昭元厚生労働相(54)の3人。

焦点は投票総数の半数弱を占める党員・サポーター票(約23万人)の動向であり、郵便投票で参加する同票は16日に締め切られたので、その結果は判明していることになる。

各労組の支持が面白い

逆転の秘策あり!? photo Getty Images

そして本稿執筆時点では、細野氏が予想以上に健闘、1歩リードしていると報じられた岡田氏との間で熾烈な戦いを演じ、両者は拮抗しているというのだ。そうした中、『日本経済新聞』(1月15日付朝刊)が興味深い記事を掲載した。

「党員・サポ-ター票が勝敗のカギを握る」とした上で、その中でも「労働組合票の比重が高い」として主な産別労働組合がいずれの候補を支持しているのかをチャートで紹介している。

以下、同紙報道による。長妻氏支持を明確にしているのが自治労、日教組など公務員系労組とJR総連、情報総連。細野氏支持を明確にしているのは機械・金属関連の中小メーカーでつくるものづくり労働組合(JAM)、岡田氏支持を明確にしているのは繊維・サービス業でつくるUAゼンセンと造船・金属メーカーでつくる基幹労連。そして電機連合は長妻氏と細野氏に二股をかけている。また自動車労連と電力総連は細野氏と岡田氏に分散している――というのである。

二股をかける(分散する)ということは、それぞれの労組の組織内議員が長妻氏支持と細野氏支持に割れたり、細野氏支持と岡田氏支持に分かれたことによるものだ。平たく言えば、それらの産別労組が事実上、自主投票としたことによる。

もともと民主党代表選の票読みは読みにくいとされる上に、今回の労働組合票の行方は、各労組が支持を明確にしない方が新執行部との今後の関係を考慮すると得策だとの“打算”があるためなかなか見通せない。

永田町の常識で言えば、「リベラル」を前面に押し出した長妻氏を支えてきたのが大畠章宏前幹事長(日立製作所労組出身)や赤松広隆前衆院副議長(旧社会党出身)であることから、決選投票になれば「長妻票」がこぞって細野氏ほど“保守ではない”岡田氏支持に回ると見られており、岡田優勢という見立てになる。