日本の家庭料理はハイスペックすぎる。世界の食卓は意外と質素 (original) (raw)

日本の家庭料理はハイスペックすぎる。世界の食卓は意外と質素

「作らない」という日があってもいい

著者

料理研究家としてレシピ制作活動の傍ら、「コウケンテツのアジア食紀行」「コウケンテツのアジア旅ごはん」「コウケンテツの世界幸せごはん紀行」(全てNHKBS−1)という番組を10年以上続けさせていただいております。わたしが世界各国を旅しまして、素敵な人々と出会い、その地域の家庭料理を教わるという内容です。

今回はそんな旅で学んだ「日々のごはん作り、食卓のあり方」についてざっくばらんに書かせていただこうと思います。

コウケンテツさん

日本の家庭料理はハイスペックすぎる

最近、毎日の献立を考えるのが苦痛だという声をよく聞きます。お仕事、保護者として学校の活動、地域活動、日々の家事、習い事の送り迎え、育児に毎日のお弁当にごはん作り……今のママ(パパも)はやならないといけないことがあまりに多い。実際みなさんどうですか? あまりストレスなく元気にこなせています? それとも全てをひとりで抱え込んでいる状況ではないですか?

なぜ献立づくりはしんどいのか。その理由として、

1) 日本の家庭料理は求められるレベルがあまりに高すぎる、“ワールドワイドハイスペック家庭料理”

2) ワンオペ育児、ワンオペ料理。家庭で料理を担当している方(主にママでしょう)にひたすら負担がかかってしまう

などが挙げられるのではないでしょうか。そもそも毎日違う種類の献立が食卓に上がるのが当たり前だと思われている方が多いようですが、それはちょっと違いますから!

パリの女性「平日は自宅で料理しないわよ」

たとえば――。去年フランスにロケに行かせていただいたときに撮った、パリのあるご家庭の朝食です。バゲットにバターとジャム塗っただけ。これが典型的なパリの朝食。ほとんどのご家庭がこんな感じです。

パリのあるご家庭の朝食

子どもにいたってはシリアルで済ませるケースが多いです。昼も夜もデリのお惣菜など、いわば「並べるだけのごはん」。むしろ「平日は自宅で料理をしないわよ」と宣言されている方が多く、これはかなり衝撃でした。