ウレタンマスク、家族以外とお茶…「デルタ株」に感染する行動パターン、最新情報からわかること (original) (raw)

発表された「デルタ株への最新行動様式」

このデルタ株に私たちはどう立ち向かえば良いのか? その大きなヒントは前述のデルタ株の感染力の試算に表れている。

従来株と比べデルタ株の感染力は、京都大学の西浦教授の試算で2倍弱、米CDCの試算で約3倍。この差は何か?

後者は特段何の防御もない、あるいはしない場合の感染力を試算している。それに対し、前者は「実効再生産数」と呼ばれる今現在の状況、具体的に言えば市中の多くの人がマスクをし、店舗入口に消毒薬が設置され、国民の5割以上がワクチンの1回接種を終えている市中の状況を織り込んだ感染力である。

裏を返せば、私たちはデルタ株の感染力をゼロにはできないが、「感染しない」努力次第でその感染力を一定程度相殺することは可能という証左でもある。

では個々人が何をすべきか? 実は政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会がすでに6月時点で「変異株が出現した今、求められる行動様式に関する提言」を発表している。以下、要約して列挙する。

(1)マスクは鼻にフィットさせてしっかりとした着用を徹底し、感染リスクの比較的高い場面では、できればフィルター性能の高い不織布マスクを着用。三密のいずれも避け、特に人と人との距離には気を付ける

(2)マスクをしっかりと着用しても、室内で会話時間は可能な限り短くし、大声は避ける

(3)今まで以上に換気には留意

(4)出来る限り、テレワークとし、職場でも、(1)~(3)を徹底すること

(5)体調不良時は出勤・登校をせず、必要な場合には医療機関を受診

(6)ワクチン接種後も国民の多くがワクチン接種を終えるまではマスクを着用

(7)ワクチン接種後も国民の多くがワクチン接種を終えるまでは大人数の飲み会は控える

いくつか補足しよう。まず、7つの提言全てのベースは「今まで以上に、体調の良し悪しにかかわらず外出は最低限にし、家族・同居者以外とは、1対1であれ、日中の小一時間程度のランチタイム、ティータイムであれ、当面は飛沫感染リスクが高い食事・お茶をするのは止めましょう」というものだ。

〔PHOTO〕iStock

デルタ株では従来株と違い、短時間のマスクなし会話、換気が悪い空間でのマスク越しの会話などでも感染してしまう可能性があるからだ。(7)で「大人数の飲み会」との文言があるため、少人数でランチなら良いだろうと思う人もいるかもしれないが、デルタ株蔓延以前も職場のランチミーティングでの感染も報告されている。