大摩邇(おおまに) : 東京大学の研究者たちが「研究室で培養した人間の皮膚から、生きている顔のロボット」を誕生させる。怪我の自己治癒もできる (original) (raw)

海外の報道で知ったのですが、まあ冒頭の画像のように、どらかというと、不気味な感じが漂うのですが、英デイリーメールに掲載されていた動画では、この「顔」が笑おうとするのですね。

しかも、このロボットは「損傷に対して自己修復する能力」もあるそうです。

東京大学の竹内昌治教授などによる論文は以下にあります。

生きた皮膚で覆われたロボットの顔のための皮膚靭帯にヒントを得た穿孔型アンカー
Perforation-type anchors inspired by skin ligament for robotic face covered with living skin

個人的には、マッドな世界にも思えまして、どうにも解釈しようがないですが、「科学の進歩」って、こういうことなんですかね。

デイリーメールに掲載されていた記事をご紹介します。

生きた皮膚組織で作られた顔を持つ不気味なヒューマノイドロボットが日本の研究者たちによって作られた

Creepy humanoid robot with a face made out of living skin tissue is created by researchers in Japan
dailymail.co.uk 2024/06/25

「エイリアン」のような SF 映画では、人型ロボットは非常にリアルなので、本物の人間と区別するのはほぼ不可能だが、現在、日本の科学者たちは、これらのリアルな機械の実物バージョンの開発に取り組んでいるようだ。

東京大学の専門家たちは、研究室で培養した人間の皮膚からロボットの顔を作成した。

不気味なビデオでは、奇妙なピンク色の生き物が安っぽい笑顔を浮かべようとしている様子が映し出されている。

科学者たちによると、本物の皮膚を持つロボットは「ますます生き物のような外見」になるだけでなく、損傷しても自己治癒できるという。

この研究は東京大学の竹内昌治教授が主導し、Cell Reports Physical Science 誌の新しい研究で詳細が発表されている。

竹内教授の研究室ではすでに、生体筋肉組織、3Dプリントされた培養肉、治癒能力のある人工皮膚を使って歩くミニロボットを開発している。

「人間と同じ表面材質と構造の顔を作ることで、人間の外観をある程度再現することができた」と竹内教授は語った。

「人工皮膚組織」は、培養肉の開発方法と同様に、人間の皮膚細胞のサンプルを採取し、研究室で培養することで作られる。

ハーバード大学の研究共著者である河井理雄氏は次のように語った。

「これらのヒト皮膚細胞は主に手術中に得られた余剰皮膚から採取されます」

「培養皮膚は人間の皮膚と同じ成分で構成されており、重度の火傷や怪我を負った人の移植材料としても使用されています」

細胞培養から生きた皮膚を作り出すことには独自の課題があるが、最も難しいのは、アクリル系樹脂でできたロボットの顔に皮膚を接着させることだった。

従来の方法では、ミニアンカーやフックが使用されていたが、皮膚コーティングを施すことができる表面の種類が制限され、動作中に損傷を引き起こす可能性があった。

そこで研究チームは代わりに接着に特殊なコラーゲンゲルを使用し、ロボットの顔に特殊な穴を開けて、実験室で培養した皮膚の層が定着するのを助けた。

小さな穴を注意深く設計することで、基本的にどんな形状の表面にも皮膚を貼り付けることができると彼らは言う。

人間そっくりの会話するヒューマノイドが実現するまでにはまだまだ長い道のりがあるが、竹内教授らは、生きた皮膚がロボットにさまざまな新しい能力をもたらすことができると信じている。

顔に皮膚を持つロボットは、自己修復能力、内蔵センサー機能、そして「ますます生き物のような外観」を誇る。

「この研究は、穿孔型アンカーで皮膚同等物を接着・駆動する手法を紹介しており、バイオハイブリッドロボットの進歩に貢献する可能性がある」と研究者らは論文で述べている。

この不気味な存在は、人工知能 (AI) における次なる大きな進歩となるかもしれない。

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