なぜ清潔に保たれているはずのクリーンルーム内でも微生物が繁殖してしまうのか? (original) (raw)
2018年06月04日 16時00分 サイエンス
なぜ清潔に保たれているはずのクリーンルーム内でも微生物が繁殖してしまうのか?
しかし現実には、クリーンルームにはさまざまな古細菌や細菌が存在しており、中でもアシネトバクターという真正細菌の種が宇宙船内で多く発見されているとのこと。カリフォルニア州立工科大学ポモナ校の生物科学教授を務める**ラケシュ・モグル**氏らの研究チームは、「なぜクリーンルームでの微生物による汚染が止められないのか?」という疑問を明らかにするべく実験を行いました。
研究チームは火星探査機のオデッセイとフェニックスの隔離されたクリーンルーム内から、いくつかのアシネトバクター株を採取して分析したそうです。その結果、アシネトバクター株は栄養が極端に制限された条件下であっても、試験された株の大部分が繁殖できることが判明しました。
by UCL Mathematical & Physical Sciences
アシネトバクターが繁殖の栄養源としていたのは、なんと宇宙船の部品を洗浄する際に使用された洗剤でした。アシネトバクターは洗剤に含まれるエタノールを唯一の炭素源として生分解し、栄養とすることができたそうで、他の微生物にとっても洗剤の成分が栄養源となる可能性があります。
モグル氏は、「今回の実験により、いったいなぜ惑星探査機などのクリーンルーム内に微生物が残存しているのか、という疑問に一定の理解をもたらすことができました」と述べました。今回の研究結果は、今後の惑星探査機清浄において、より一層厳重な清掃ステップを踏む必要があることを示唆しています。
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2018年06月04日 16時00分00秒 in サイエンス, 生き物, Posted by log1h_ik
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