データセンターの廃熱を利用して温水プールを温める試みが進行中、年間数百万円のコスト削減に (original) (raw)

2023年03月17日 19時00分 ハードウェア

データセンターの廃熱を利用して温水プールを温める試みが進行中、年間数百万円のコスト削減に

データセンターの廃熱を効率的に利用できるかどうかは、廃熱を使用する施設との物理的な距離に左右されるため、近隣に廃熱を有効活用できる施設がないと難しいという課題が存在します。この問題を解決するため、機械学習やAI関連企業へコンピューティングリソースを提供しているスタートアップのDeep Greenは、データセンターを温水プールの施設内に設置し、廃熱をプールの熱源として利用するシステムを提供しています。

Deep Greenのハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)クラスターを実行する28kWのユニットは洗濯機ほどのサイズであり、サーバーの廃熱は周囲を満たす**鉱油**によって捉えられ、熱交換器を通じてプールを加熱するとのこと。同時に、廃熱をプールに流すことでサーバーを冷却できるため、このシステムはDeep Greenが冷却コストを削減する上でも役立ちます。

Deep Greenのシステムが導入されたイギリス**デヴォン州**のエクスマスレジャーセンターは、データセンターの廃熱を無料で受け取って温水プールの加熱に利用しており、データセンターが使用する電力もDeep Greenが負担しています。Deep Greenによると、コンピューターで使用されるエネルギーの約96%が廃熱として転送され、プールのガス使用量を62%も削減しているそうです。

エクスマスレジャーセンターはDeep Greenとのパートナーシップにより、炭素使用量を年間25.8トンも削減すると共に、暖房コストを年間2万ポンド(約320万円)も節約することが可能です。エクスマスレジャーセンターのマネージャーであるSean Day氏は、近年の燃料費高騰によって2023年の燃料費は10万ポンド(約1600万円)も上昇すると予想されていると指摘。「Deep Greenとのパートナーシップは、過去12カ月間にわたる天文学的なコストの削減に役立ちました」と述べています。

Deep GreenのCEOを務めるMark Bjornsgaard氏は、「私たちはエクスマスレジャーセンターに小さなデータセンターを建設しました。ほとんどのデータセンターはコンピューターが生成した熱を浪費しますが、私たちは廃熱を捕捉して、プールを温めるために無料で提供します」「これはエクスマスレジャーセンターにとって、プールの加熱コストを削減して炭素使用量を減らすことができるため、素晴らしいことです。また、冷却コストがかからずより安価なコンピューティングサービスを提供できるため、私たちにとっても良いことです」と述べました。

燃料費の高騰は多くのプールに打撃を与えており、イングランドでは2010年以降だけで**約400ものプールが閉鎖**されたとのこと。プールやフィットネスセンターの存在は人々の健康を促進し、行政が負担する医療費の削減にもつながるため、公共プールをより持続可能な形で運営することは政府にとっても有益です。

Deep Greenは2023年中に7つのプールにデータセンターを設置する予定でしたが、すでに多くのプールがDeep Greenのシステムに興味を持って問い合わせを行っており、目標を「2023年中に20のプールをアップグレードすること」に上方修正したとのこと。水泳に関する公的機関・Swim EnglandのCEOを務めるJane Nickerson氏は、「Deep Greenは私たちにとって絶対的なゲームチェンジャーになる可能性があります」とコメントしました。

2023年03月17日 19時00分00秒 in ハードウェア, Posted by log1h_ik

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