銀色の念書 (original) (raw)
今週のお題「絵本」
子供が生まれてたらここ最近絵本をほぼ毎日読み聞かせするようになり、絵本と向き合う時間が大人になって以来初めて増えた。
単純明快な物語から、大人も考えさせられるような深いものまで案外たくさんある。自分が子供の頃はそこまで深く読んでいなかったので印象は薄いが、改めて大人になってから見返すとエグい内容だったり勧善懲悪ものだったり理不尽なものもあり、子供の頃は疑問に思わなかったが躾の為か酷いなとも思った。
近年は子供の意思を尊重するような子育てが主流で、いわゆる個性を伸ばす教育というやつだ。全然ありだし絵本業界にもその波が来ていると思う。
どの業界でもトレンドがあって時代と共に生きているんだなと再認識した。
本で知識や識字、語彙力の向上に繋がるし、絵本も想像力や視点や視野が広がると思うので、これからも子供と絵本を読んでいきたい。
B'z 16th Album ACTION
幸せなんだ。幸せなはずなんだ。幸せなはずなのに。
※独断と偏見で感想や解釈を語りますので、ご理解いただいた上での閲覧をお願いします
Discography
B'z
Title: なんという幸せ
16th Album ACTION 2007.12.5 Release
Music/Arrangement/Guiter: 松本孝弘
Lyric/Arrangement/Vocal: 稲葉浩志
Arrangement: 徳永暁人
Bass: Sean Hurley from Vertical Horizon
Drums: Jeremy Colson
Organ: 小野塚晃
Saxophone: 勝田かず樹
Trumpet: 佐々木史郎
Trumpet: 小林太
Trombone: 河合わかば
Thema
ワーキングプアを想像させるような歌詞。
子供と配偶者への幸せのために生きる。自分なんて身を粉にしても構わないと歌っている。その人ベースの幸せについて考えさせらせる。
Sound
昭和の渋めのブルースやブラックミュージックを基調としたスタイル。そして、タイトルとは裏腹にどんよりとした空気感が漂う作風。
一応サビで盛り上がりはするが、なんとも煮え切らない感じ。けど、それがこの楽曲の良いところでもある。
幸せそうではあるが心が疲弊している様子を音のみでここまで再現できるのは流石プロ中のプロとしか言えない。
Lyric
なんとも言えない悲痛の叫びのようなシャウトから曲はスタート。イントロからして幸せそうには見えないなあ。
かわいい寝息たてて眠る愛しい子
なごり惜しげにゆっくり明かり消すよ
子供がいる主人公。夜遅くに帰宅して、我が子を愛でる時間もなく就寝。さっそくワープアを思わせるような歌詞の登場。
明日も一緒に笑いあえますように
仕事でクタクタだけど、子供と妻の笑顔のために頑張る!
働きまくろう がむしゃらに赤い血をにじませて
あなたのことを守るのは この世でオレしかいない
ああ なんという幸せ
愛おしい家族のために、仕事に心血注いでいる。どんなに辛くても家族の笑顔の為なら頑張れる!その家族を支えるのは俺しかいない。勝手に自分で自分を追い込んでいる。それを幸せだと認識していて、少し盲目な様子が窺える。
しっかり夢はあるけど なかなかどうして ねえ
思いどおりにならなくて泣いてもしょうがない
仕事で壁にぶち当たって思い通りにいかない。とにかく精神的に辛い様子。さっき幸せと言っていたのは虚勢か?
先に楽しみが あれば体も動く
けど家族の笑顔のために今日も働く!ゴールが見えていれば苦でもないと言わんばかり。
愛しまくろう全身で クタクタになるほど
不満なんて一切漏らさない グイグイ全部飲みこもう
ああ なんという幸せ
仕事も家庭も全力すぎて絶対無理してる。全部内に抱え込んで飲み込んで生きている。そして『僕はなんて幸せなんだ!』と自分に言い聞かせる。
自分も悩み事など抱えこむ癖があるので気持ちは痛いほどわかる。心配かけたくないしね。この歌詞の主人公は責任感強すぎるけどね。
今度の休み ステキな指輪をあげるからね
海辺の観覧車のっかって 必ず手渡すからね
ああ なんという幸せ
子供がいるけどまだ指輪はあげてなかった。結婚式やキチンとしたプロポーズはできていなかった様子。もしかしたら貧困家庭なのかも。働きまくって休む暇もなさそうだしね。
そんでたまの休みも家族のために惜しまない。健気だな。
どんなに辛いことも笑っておこう
誰にも絶対に負けない愛情がある 今ここにある
ここの歌い方がめちゃくちゃ好き。無理して飲み込んでいるネガティブな感情が今にも溢れ出すように歌う表現力がド迫力で圧巻。
愛があればどんなに辛いことも乗り越えられる!と自分に言い聞かせる。この曲調的にいつかガタが来そうな若干の不安はある。
かわいい寝息たてて眠る愛しい子
なごり惜しげにゆっくり明かり消すよ
愛する我が子のために、また今日も頑張る。歌詞だけみると幸せそうなのだが、アウトロが不穏でバッドエンドを想像してしまうのが何とも言えないやるせなさを感じる。
総評
なぜか癖になる楽曲。暗いながらも愛を頼りに生きている姿が健気で逞しい。
結婚して子供がいる人に聴いてもらいたい。独身時代はまったく惹かれなかった楽曲だけど、結婚して子供が出来たら共感できてしまう箇所があって評価が変わった。けどまあ各家庭によって捉え方がかなり変わりそうだな。
今週のお題「好きなパン」
パン屋巡りは好きだ。いろんな種類の美味しい食べ物に出会えるからね。幸いにも自宅付近や周辺地域には有名でおいしいパン屋さんに恵まれている。
好きなパンはその日の気分やコンディション、予定で選びがちだ。
まずは「カレーパン」。手放しで好きなパンのひとつ。ピリ辛のルーでカリカリのパンが揃っていれば最高!近場には安価な値段なのに牛肉がゴロッと入っている有名な店や、自分好みの辛口カレーが入っている店もある。
次点で「焼きそばパン」。これは好きと言うより思い出深いパンかも。学生時代はよく焼きそばパンばかり食べていた印象。学校の購買で友達と食べたり、朝の忙しい時も包装紙をうまく使って歩きながら食べたり、部活や帰りの道草で食べたりと案外いろんなシチュエーションで食べていた印象。片手で食べれるのが良かったな。
最後に「惣菜パン」。一括りで言ってしまって申し訳ないが、基本的に甘いパンよりしょっぱいパンの方が好き。メンチやコロッケ、時には唐揚げが挟んであるものなど、とにかくお腹を満たすためのパンが好きだ。脱線するが、言ってしまえばハンバーガーも惣菜パンなのではないか?
甘いパンは正直そこまで好きではない。普通に好きだけど特別好きなものはない。甘いものを食べるならお菓子ってなるからね。強いて言うなら「クロワッサン」か「メロンパン」かな。
最近はグルテンフリーな生活をしつつあったので、なかなかパン屋巡りはできてなかった。そろそろ解禁してまた巡ってみようかな。
9mm Parabellum Bullet 4th Single ハートに火をつけて
全てを燃やし尽くして灰になろう。ほら。
※独断と偏見で感想や解釈を語りますので、ご理解いただいた上での閲覧をお願いします
Discography
Title: ハートに火をつけて
4th Single ハートに火をつけて 2012.10.24 Release
5th Album Dawning 2013.6.26 Release
Music: 滝善充
Lyric: 菅原卓郎
Thema
とにかく自分に火を焚きつけて、不屈の心を持って生きてみようと言っている様相。
Sound
ロシアンな雰囲気漂う曲調のロック。若干ラテンみも感じる。コサックダンスが似合いそうだと感じた。コサックダンスはロシアじゃなくウクライナだけど。
こういう耳に残るインパクトあって癖のあるダサカッコいい楽曲は好み。けど、どこか哀愁があるメロディーが魅力的。特に楽曲後半がね。
あと音の厚みがあって良いね。ギターのメロディーとバッキングがお互いの音域をカバーし合ってる。
Lyric
イントロからノリノリでいい!非常にキャッチー。
君はとてもついてる 悪い癖がついてる
自分に自分は見えない
君はとてもついてる 深い傷がついてる
そしてそれを忘れてる
君の悪癖を僕は知っている。君が気になって見ているから。そして、何かしら大きなネガティブな側面があることを見抜いている。見抜くぐらいの仲。お互いに心を許すけど一つ隠し事がある様子。まあ誰にでもあるよね。
ボロボロにやぶれて 剥がれた過去のカサブタが
今更痛み出しても 一人では塞げない
ボロボロに打ちのめされて過去の大きなトラウマが再発。けど一人じゃどうすることもできない。
辛いよな。人は一人では生きていけないという現実を突きつけられる。
だから火をつけて ハートに火をつけて
二度と消えないように
孤独を燃やして 秘密を燃やして
灰にならないか 灰にならないか ほら
むしろ目を背けずに向き合って忘れないようにしよう。一人でソレを抱えていること、秘密であること、それらを灰になるまで燃やしてしまえと焚きつける。
自分だけで消化せずに二人で解決していこうと説く感じが、楽曲の激しさとは裏腹に言っていることは優しい。急かしてる感あるけどね。
君と僕はついてる かたく結びついてる
一筋縄ではいかない
君と僕はついてる 互いに嘘をついてる
二枚の舌がこんがらがって夜が更ける
運命共同体のように関係の二人。離れられない関係。けど全てを曝け出すまでの関係までには至っておらず、気を遣ってなのか互いに嘘で固めている。気持ちはわかる。
んでディープキスと二枚舌のダブルミーニングが上手いね。そんで男女の営みへと突入。
この後にギターソロ。焦らす構成だねー。ここら辺はラテン調で捲し立てるように弾く。この焦燥感がたまらない。
ザラザラ目が慣れない 手触りだけの真夜中は
結び目ほどけたあとも 一人には戻れない
暗闇のベッドの上で弄り合う。しかし、二人の関係は解けた。けど一人にはなりなくない。
もう依存してしまっているのか。まだ助けが必要なのか。とにかく一人は嫌だ。トラウマの再発か。
だから火をつけて ハートに火をつけて
二度と消えないように
不安を燃やして 時間を燃やして
灰にならないか 灰にならないか ほら
解けた約束がもう二度と消えないように、不安や時間を糧にして灰になるまで生きようとする!ここの踏ん張っている感が曲調と合っている。
ここでもギターが炸裂!盛り上がる。
二人を燃やして すべてを燃やして
愛し合わないか 愛し合わないか 灰にならないか
脅迫めいているぐらいに「○○しないか?」と提案の嵐。切羽詰まっているギリギリの攻防と、背水の陣で自分も燃やす姿を想像してしまう。
総評
ノリの良い癖になるメロディー。面白いしカッコいい!
ダンサブルで歌謡曲みもあり民族音楽的要素も兼ね備えたキャッチーなメロディーのロックは、一度聴いたら頭に焼きついて離れない!アダルトな一面もある歌詞も相乗効果で効いてる。
自分は鬼滅の刃の煉獄さんを連想してしまう。「心を燃やせ!」とリンクする。
あとは漫画繋がりで言うと、呪術廻戦の虎杖のイメージソングとしても話題になっていたね。
シンガーズハイ 3rd Mini Album Serotonin
深淵を覗く時、深淵もまたこちらを覗いているのだ。的な。
※独断と偏見で感想や解釈を語りますので、ご理解いただいた上での閲覧をお願いします
Discography
シンガーズハイ
Title: ニタリ
3rd Mini Album Serotonin 2024.7.31 Release
Sound
イントロは和ロックとアングラな世界観が混ざったようなギターリフ。このカオスなメロディーがとても癖になる。
サビに近づくにつれてテンポが速くなる感覚、緩急織り交ぜた疾走感あるロック。ただサウンドと歌詞とが相まっておどろおどろしい楽曲にも聴こえる。タイトルも怪しげだけどね。
あと途中サビいかないで間奏入れる焦らしプレイがいいね。もどかしさがなんとも言えない。
Lyric
4発のドラムのカウントから始まり怪しげなイントロがズンと響き、一転してノリのよいロックに転調して歌へと繋がる。
再現性のないストーリー 夢を見てた
何か一つも守らずに生きていけたなら
冷たい肌 強く抱き締めてた
怖がらないで どうせ逃げられやしないから
寝起きから物語が始まる。
現実ではありえないような夢を見てた。悪夢にうなされていたのか?
冷たい肌。帰らぬ人か?守るものができて、それを失ったからこそ、守らない人生もあったのかなと現実逃避気味。辛い現実から目を背けてしまう気持ちはわかる。けど結局そんな守らない人生はないと行動に移す。
ただ怖がらないでと言うが、めちゃくちゃ怖いな。抱き締めておきながら逃げられないよって言うの。
あなたのことを教えてほしい
美しさも醜さも全てを見せてよ
何もかもを愛してみせるよ
ほら あなたはもう私だけのものだから
とにかくあなたを知りたい。知的好奇心とかではなく、あなた愛しているからこそだ。しかも、綺麗なところ以外の醜い部分まで。全てを受け入れる勇気を持ち合わせているのか?
それにしても私だけのものって怖い!けど、全て愛してくれている全肯定の無償の愛のようにも感じる。いや、怖いけどね。
笑って 泣いてないでおいで
最低な世界に行こうぜ
仮面外したアンタの顔見せて
嘘臭い演技なんかもういいよ
いつでも闇はアンタを覗いている
泣き止んで笑顔で新たな場所へ行こうと。「最低な世界」とは綺麗事ばかりではない現実世界のことかな。下衆な輩もいるが常に目を見張るが、そんな奴等なんか気にせずに素顔を見せてよと懇願する。「仮面」は匿名性のあるSNSとかのアバターとかアイコン的なことかもね。
笑って 泣いてないでおいで
最低な世界に行こうぜ
洒落臭えな ほらアンタの顔見せて
ルールのない自由は要らないね
気づけばいつもアンタを覗いている
とにかく素の姿を見たい。ストーカーのようでもあるが気にかけているようでもある。複雑だ。
そして、ルールがあるからこその自由を謳う。多分冒頭の「守らずに生きる」に通じるね。守らないで生きることは、ただの一時的な逃避行動。そんな「自由」ならいらない。あなたと真剣に向き合う、あなたと共に生きるというルールがあってこそ「自由」だと説く。多分あなたと私の二人の世界こそ、誰にも介入できない領域で「自由」を謳歌できると言っているのだろう。
現実感もない こんな筈じゃなかった
何一つ縛られずに生きていけたなら
熱帯びた手握って確かめてた
振り向かないで どうせ誰も居ないんだから
夢見心地の現在。ルールなんてのに縛られないで生きていたらどうなっていたんだろうと想いに耽る。まだあなたを説得できてないのかな?
そして、一番とは逆に生気を取り戻したかのように手に熱を帯びる。孤独だけど何か覚悟は決まった様子。
あなたのことを教えてほしい
美しさも醜さも残さず見せてよ
何もかもを愛してみせるよ
ほら 笑って 泣いてないでおいで
私のことだけ見て
「全て」「残さず」見せてよと繰り返しあなたへアプローチを仕掛ける。そして私だけを見てほしいと諭す。私にはあなたがいないと自由を謳歌できないから。偽りの演技や悲しみの涙を流すのではなく、自由を目指して共に笑顔になろうと。
この後にサビにいかず間奏を挟む。思考がグルグル巡るような表現に感じた。
あなたはもう私だけのものだから
笑って 泣いてないでおいで
最低な世界に行こうぜ
仮面外したアンタの顔見せて
嘘臭い演技なんかもういいよ
いつでも闇はアンタを覗いている
笑って 泣いてないでおいで
最低な世界に行こうぜ
洒落臭えな ほらアンタの顔見せて
ルールのない自由は要らないね
気づけばいつもアンタを覗いている
一目惚れというか心を奪われている感覚か?私なりの「自由」を求める一心不乱な心情が最後まで歌われている。
自由論とは人それぞれ考え方は違うがみんな持ち得るもの。今回はあなたと共に生きることこそが自由。それを目指して愛を探求する様子になっているのかな?この貪欲に愛を求めすぎている感じ、狂気。
アウトロがないのはスパッとしていて清々しい。
総評
一見すると怖い内容の歌詞だが、あなたへの一途な想いと自由を求め踠く姿を懸命に描いている。
ノリの良いロックに自然と身体が揺れる。サビは思わず飛び跳ねてしまう。
MVはノイジーでアングラな雰囲気。ホラーと宗教チックな編集が楽曲の魅力を表現しているようだ。
Linkin Park 3rd Album Minutes to Midnight
諦めてしまった。自分自身を嫌になって。
※独断と偏見で感想や解釈を語りますので、ご理解いただいた上での閲覧をお願いします
Discography
Title: Given Up
3rd Album Minutes to Midnight 2007.5.16 Release
Thema
チェスターなき今、この曲を聴くと闇に立ち向かう姿を想像して感動すらしてしまう。そんなチェスターの暗く醜いネガティブな部分が炸裂して楽曲としてぶつかってくる。
とにかくテーマはタイトル通りの「諦め」という全てを無に帰す悲しき行為。自ら命を投げ捨てることだ。
Sound
ゴリゴリのハードでメタルなロックチューン。ダークで重いメロディーとチェスターのドスの効いた声が合わさって最高の楽曲になっている。綺麗で繊細な声からグランジな雰囲気溢れるしゃがれ声まで出せるなんて。とにかく感服。外連味のないシンプルな楽曲で凄みやリンキンらしさが出せるのは驚愕するしかない。
リンキンパーク特有のラップやミクスチャー要素が無くシンプルめなハードロックなので、そっちを求めているファンにはなかなか刺さらない模様。自分はリンキンパークの音楽性が多彩でジャンルレスなスタイルが魅力的と感じるので、彼らのやりたいことやっている感じが伝わればどんなスタイルでもいいと思うんだけどね。
Lyric
煽るような拍手と鎖の音が鳴り響く。アンダーグラウンドでダークな雰囲気から始まる。ギターリフもシンプルでありながら重苦しくていい。
Wake in a sweat again
Another day's been laid to waste
In my disgrace
Stuck in my head again
Feels like I'll never leave this place
There's no escape
悪魔にうなされたように汗をかいて目を覚ます。そして、何もできなかった昨日を悔やみ恥じる。そんなネガティブな感情が頭の中にこびりついて離れない。身体も言うことを聞かない。逃げられない恐怖の底に沈む。
ノリの良いメロディーに潜むドス黒い感情が湧き出ている。自分は精神的な病いや大きなトラウマはないが、そういったことを経験した人ならこの歌詞の感覚が理解できるのかな。
チェスター自身も苦労したエピソードあったもんな。辛かったろうに頑張って吐き出してくれた。
I'm my own worst enemy
そして「自分自身が最大の敵だ!」という結論に達する。
アスリートが自分を追い詰めるニュアンスとは違う感じだ。クソみたいな自分が嫌だという自己嫌悪感かな。自分で自分を嫌いになるネガティブの究極形。自分自身で人格否定をするなんて。
I've given up, I'm sick of feeling
Is there nothing you can say?
Take this all away, I'm suffocating
Tell me what the fuck is wrong with me
そしてサビで咆哮する。「もう諦めたんだ」と絶望。こんな気分に陥るのは嫌だし、何も言えない現状にも。悲観しすぎて息をすることさえ困難な状態。
何が正しいのか、何が間違っているのか。そんな苦悩の連続と後悔の念に押し潰されそうになっている。
チェスターの苦悩や葛藤が歌に乗ってダイレクトに伝わってくるね。
I don't know what to take
Thought I was focused, but I'm scared
I'm not prepared
I hyperventilate
Looking for help, somehow, somewhere
And no one cares
何かに夢中になっていたはずなのに、いつの間にか何をしていいのか分からなくなっていて恐怖に怯える。そして、動悸が激しくなり過呼吸となる。助けを求めても誰も振り向いてくれない。
辛い現実だね。過去の強いトラウマと酷く爛れたメンタルを想像してしまう。歌う度に心にくるものがある的なチェスターのインタビューを目にしたが、確かに鬼気迫る歌唱力とサウンドが心臓を抉るようだ。
I'm my own worst enemy
やっぱり自分自身が最大の敵だという結論に至ってしまう。辛いな。
I've given up, I'm sick of feeling
Is there nothing you can say?
Take this all away, I'm suffocating
Tell me what the fuck is wrong with me
またネガティブな感情に襲われる。双極性障害の躁鬱状態の鬱の部分がクローズアップされている印象。
どん底や絶望と言う言葉が嫌というほど合ってしまう。
God!
「神よ!」ともう頼る人がいない様子。藁にもすがる思いで叫び祈る。一抹の希望を求めて。悲痛な声がヘヴィなサウンドの間から割って入るように響き渡る。
Put me out of my misery!
Put me out of my misery!
Put me out of my
Put me out of my fucking misery!
「苦しみから解放してくれ!このクソみたいな苦しみから解放してくれ!」と何度も切に願う。かっこいい反面、暗い一人で抱え込んでいる闇が垣間見える。
ここの約17秒のロングシャウトは圧巻。誰にでもいいから届いてくれと言わんばかりに力を振り絞って叫んでいる。
I've given up, I'm sick of feeling
Is there nothing you can say?
Take this all away, I'm suffocating
Tell me what the fuck is wrong with me
そして、また繰り返してしまう非情さ。これは止められない。人間生きていれば良い時もあれば悪い時もある。その悪い部分がデジタル社会では簡単に広がる。どんな時代でも悪い部分を押し付けてはいけないし、安易に広げてはいけない。そう痛感する。
総評
歌詞を理解せずに聴くとダークでスクリームしているような声が気持ちいい感じで歌い上げているように感じるが、意味を知ると悲壮感や絶望感にまみれていてネガティブな爆弾が炸裂しているように感じる。負の感情にもがき苦しむ葛藤が生々しく、チェスターの本音がぶつかってくる感覚。
とにかくリンキンパークの中で一番好きな楽曲です。激しくエネルギッシュなギターで、繊細かつパワフルな歌声で、すべてがカッコよくて、重苦しい空気感が脳内を刺激する。カラオケで歌うとストレスが吹き飛ぶ。
MVはライブ映像を切り繋いだものになっている。チェスターが恋しい。
B'z 22th Album Highway X
生きている実感や愛を感じたい一心。つい無意識に空想してしまう。
※独断と偏見で感想や解釈を語りますので、ご理解いただいた上での閲覧をお願いします
Discography
B'z
Title: Daydream
22th Album Highway X 2022.8.10 Release
Music/Arrangement/Guiter: 松本孝弘
Lyric/Arrangement/Vocal: 稲葉浩志
Arrangement: Yukihide "YT" Takiyama
Drums: Brian Tichy
Bass: Rhonda Smith
Organ/Mellotron: 小野塚晃
Theme
直訳は空想。アルバム『Highway X』の一番最初に制作された楽曲ということもあり、時期的にコロナ後の世界を空想しているようでもある。
Sound
気怠い感じのギターサウンドから始まる。夢なのか現実なのか?まだ定まっていないような雰囲気だ。
ただサビになると激情のパワーロックバラードへと変貌する。特にドラムは激しすぎてヘッドが破けるんじゃないかって心配するぐらい力強く叩いているように感じる。ブライアンのドラムテクが光る、特に静から動へのダイナミックな転換が凄まじいね。
Lyric
イントロは朦朧とした柔らかいギターサウンドから始まる。弾き語りのような感じでもある。
見えない疲れに捕まえられ
床の上崩れ落ちる
君の震える肩を抱いても
気が晴れることはないよね
どっと疲れが溜まっていて、倒れてしまった。助けてもらったが、そんな君も疲れている様子で申し訳なさでいっぱい。
お互いもう満身創痍のようだ。
どうか気づいてくれ
君はまるごと
赦されているよ
なにか過去にいけないことをして、わだかまりでもあったのか?なんだろう?けどとっくに赦している。
自分は赦しているけど相手はそう思っていない系のすれ違いは、側から見ていても辛い。
さあもうここから抜け出して行って
ふたりで浴びよう命薫る風を
Here We Go 気の済むまで深呼吸するんだ
愛しい涙の跡に ByeBye
二人で愛と生きている実感を感じていたい。そして心置きなく堪能したい様子。
辛くて泣いていたが、もうそんなのとお別れしようと言っている。
コロナ禍の終焉後を想い描いているようでもある。息苦しい世界との訣別。
何もかもが遠く過ぎ去り
僕らは目を覚ます
過去の辛い出来事や楽しい出来事もすべてが霞むくらいの世界へ行く。
もしくは風を浴びた前述の歌詞が空想で、現実に引き戻されたってオチか?これだったら辛いな。
誰も見ないテレビの音が
鳴り響く部屋の冷たさ
涙が出るほど笑ってたのも
間違いなく君だったのにね
過去になにか一悶着あったと感じさせる歌詞。
昔は一緒にテレビ観て笑い合ってたのに、今は自分すら観てない。ひとり寂しい様相が窺える。そして悲しさを埋めるために『君』への想いが溢れてくる。
さあもうここから抜け出して行って
ふたりで浴びよう命薫る風を
溢れそうな言葉飲み込んだなら
ただ静かに君を見ていたい
あなたへの様々な感情や想いを飲み込んで、ただただ君を見守るだけ。
『春』と似たような歌詞。けど意味合いが若干違うっぽい?
何もかもが遠く過ぎ去り
僕らは目を覚ます
そんな過去を空想して目を覚ます。
この後のギターソロとオルガンが創り出す雰囲気が何とも言えない不完全さで、消化しきれない想いを表しているようで聴き手に刺さる。
誰も気にせず出鱈目でいいんだよ
たやすくはないけど
変に気にせずに生きていいんだよ、赦しているんだから。そう優しく説いている。ただ容易くはないと一歩俯瞰して言っている。こういう歌詞が稲葉さんっぽいなあとつくづく思う。
さあもうここから抜け出して
ふたりで浴びよう命薫る風を
Here We Go 振り向いたりしなくてもいいさ
今は名前を呼ばなくていいさ
何もかもが遠く過ぎ去り
僕らは目を覚ます
楽しかった出来事やこれから起こる辛いことも全て受け入れて生きている実感を、ふたりで命燃やして浴びるように生きていたいと歌う。前述の歌詞で俯瞰して言ってたと思っていたが、警告的な意味合いだったのかな?
最後には過去の栄光などに頼らず覚悟を決めている。
時間を忘れて抱き合ったのも
間違いなく僕らだったろ
あれ?さっきまでのは空想だったのか?それともしばらく経った後のエピローグ?サウンド的に覚悟を決めて突き進む的な感じはしないから、上記の2つのどっちかかな?
何とも言えない最後で終わる。
総評
アルバム『Highway X』の中で好きな曲のひとつ。こういう独特のブルージーでマイナーな雰囲気の曲は好みです。
フワフワとゴリゴリが織り混ざったロックは、何故か自分には刺さって癖になっている。