【読書記録】9月2日~15日に読んだ作品のお話 (original) (raw)

先週はちょっと時間がなくてできませんでした。

二週間分、読んだ作品感想をまとめていきます。

1:9月2日~15日に読んだ作品

2週間で読んだのは以下の13冊。

・メイデーア転生物語 7
・ベル・プペーのスパダリ婚約
後宮の死化粧妃
・引きこもりVTuberは伝えたい 1〜2
・白き帝国 2
・僕を振った教え子が、1週間ごとにデレてくるラブコメ
・星が果てても君は鳴れ
・リスナーに騙されてダンジョンの最下層から脱出RTAすることになった
・自分をSSS級だと思い込んでいるC級魔術学生
・君を「ナツキ」と呼ぶまでの物語
・お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件 10
・これはあくまで、ままごとだから。 2

2:読んだ作品についてのお話

※以下画像はAmazonリンク

メイデーア転生物語 7

メイデーア転生物語 7 この世界で一番大好きなあなたへ (富士見L文庫)

表紙から、これは覚悟して臨まねばと心して挑んだ最新刊でしたが、見事撃沈しました。

帰還して記憶を取り戻したマキアの混乱。そんな彼女を見て不安定になるトール。すれ違いが続く中で、マキアが青の道化師に乗っ取られそうになっているという事実が明るみになって。激動の中でも、やはりここで先に覚悟を決められるのは全部自分のルーツを知ったマキアの方で。何をすれば良い? わたしの大切なものは何? 愛しているのは誰? 自分の心と向き合い残す最後の魔法、あまりに悲しく、愛に溢れた魔法でしたよ……。

そして今回、そんなマキアの混乱の中でエスカ司教、シャトマ姫、カノンがそれぞれ見せる愛情やら親心やらにも涙腺刺激されたし。その上で喪失感甚だしい最後の魔法から繋がるリスタートが、今後どうなるのか気になりすぎてヤバいですね。マキアがこれから出会うみんながどんなふうに変わってしまっているのか。それにマキアがどう向き合うのか。今トールが何をしているのかはもちろん、今のトールがマキアを見て何を思うのか。レピス、ネロの動向や想いも気になるところだし。アイリとマキアが再会したときも楽しみなところ。

ベル・プペーのスパダリ婚約

ベル・プペーのスパダリ婚約~「好みじゃない」と言われた人形姫、我慢をやめたら皇子がデレデレになった。実に愛い!~ 1巻 (デジタル版SQEXノベル)

あとがきで作者が言うように、たしかにこれは性癖を詰め込んだ作品と感じましたね。

というのも、本作のメインとなる二人の豹変っぷりですよ。読み始めた頃は愛らしい淑女とクールなイケメン皇子かと思ってたら、プロローグ終わったらいきなり超絶イケメンスパダリにTSできる武闘派お嬢様とデレデレに甘やかされて依存しちゃうイケメンになるんですから。

思わず「え、馴れ初めとかそういうのは!?」って言いたくもなったんですけど、割れ鍋綴じ蓋もかくやなラブラブ夫婦で事件を爽快に解決していく様を読んでいると「あ、これが描きたかったんだ」と自然と理解できましたので、そこを楽しめば良い作品だったなと。特にヒロインがTSして超絶イケメン騎士様になって、ヒーロー側が女装して妖艶の美女になって潜入するパーティーの構図が良かったですね。感想全文は以下のブログ記事にてまとめています。気になったら見てみてください↓

【新作ラノベ感想part191】ベル・プペーのスパダリ婚約~「好みじゃない」と言われた人形姫、我慢をやめたら皇子がデレデレになった。実に愛い!~ - ぎんちゅうのラノベ記録

後宮の死化粧妃

後宮の死化粧妃 ワケあり妖妃と奇人官吏の暗黒検視事件簿 (アース・スター ルナ)

亡き先帝の娘であり、屍を修復する後宮の死化粧師である紫蓮が、後宮内の事件で亡くなった人の遺体の修復を依頼されることから徐々に大きな事件の真相に迫っていくお話でした。

個人的にはこの「死」をテーマにして後宮モノという怪しい空気感で描くのがバチッとハマってるように感じられ。その中で死に向き合う紫蓮の死化粧師としての信念や背景が掘り下げられていくのも上手いなと。更に様々な事件の当事者たちが見せる愛が物々しい中で輝く一方、どんな人であっても死が平等にあるという風にも見えて面白かったですね。

感想全文は以下のブログ記事でもまとめています。気になったら見てみてください↓

【新作ラノベ感想part192】後宮の死化粧妃 ワケあり妖妃と奇人官吏の暗黒検視事件簿 - ぎんちゅうのラノベ記録

引きこもりVTuberは伝えたい 1〜2

引きこもりVTuberは伝えたい (電撃の新文芸)引きこもりVTuberは伝えたい2 (電撃の新文芸)

1巻感想

新人Vtuber真宵アリスとしてデビューした少女の物語。過去のとある出来事をきっかけに引きこもりになってしまった彼女が伝えたいことは……、1冊かけて存分に掘り下げられる彼女の内面とそこから紡がれる言葉の数々がしっかり胸に刺さる! と、同時にVtuberとしてある以上、見てくれるリスナーを楽しませなきゃいけない。ショー・マスト・ゴー・オン、彼女の座右の銘にかけた信念でシリアスを背負ったままにエンターテイメントとして昇華させる様が実に見事でした。

感想全文は以下のブログ記事でもまとめています。気になったら見てみてください↓

【新作ラノベ感想part193】引きこもりVTuberは伝えたい - ぎんちゅうのラノベ記録

2巻感想

自らの過去を語り真のデビューを果たした真宵アリスに事務所から告げられた一言――事務所に顔出して同期に挨拶しろ。引きこもりには過酷なミッションに立ち向かうもどういうわけかFUJIYAMA!NINJA!と立て続けにハプニングが起きて……、という2巻。

まさしく、そうはならんやろ、なっとるやろがい、の応酬みたいな展開はギャグコメディとして満点。アリス自身の引きこもりのクセに何故かめちゃくちゃ身体能力の高い技の数々がお披露目されてドタバタ騒動するのが面白かったですし。完全に戦犯となった方向音痴は無自覚とはいえ、ひどいもので笑いましたし。同期3人との関係性も、お互いにVtuberとして刺激しあいながら良い友人になれそうなので、引きこもりから一歩踏み出して広がる世界を感じられるのが良かったですよね。

白き帝国 2

白き帝国 2 ~約束の戦旗~ (ガガガ文庫)

ページ数の割にはやはり読みやすい作品ですよね。

帝国が滅びてから始まった逃亡生活。ハードな現実があるため一筋縄では行かないものですし、すぐに追い詰められそうに思ってましたがどうにかこうにかやっているようで。特に隠居した軍師のおばあちゃんを引き抜くという展開は燃える。こういう作品における実力派(武力にしろ頭脳にしろ)老人キャラほど頼もしいものはないと思うのです。

一方で、各キャラの変遷がなかなか面白く。本作随一の可愛いヒロインであるアルテミシアは立場的にも精神面的にもじわじわ転げ落ちていきそうな感じで。ジャンジャックがその出自が明らかになり、なんだか野心が芽生えちゃったようで。ガガ王子に関しては危機的状況のリーダーであるにも関わらず何故か両手に花のラブコメ空気を周囲に撒き散らすという所業にわたしのコメカミがピクピクと。選ぶのか両方娶るのかは早くハッキリさせろと言いたい。どちらにしても個人的にはノアが好きなので、彼女とイチャイチャしないのは絶対に許せないだろう。あとは悪即斬兄妹、彼らはかなり貴重な戦力なのは間違いないだろうけど……、相手が笛持ってたらどうしようもないのは大丈夫か?

僕を振った教え子が、1週間ごとにデレてくるラブコメ

僕を振った教え子が、1週間ごとにデレてくるラブコメ (電撃文庫)

いや、デレてはないですよね?

わたしは、てっきりヒロインが主人公を好きなんだけど、何か特別な事情があって告白を受け入れられない……、みたいなものをイメージしてたんですが。この子単純に中学3年生だから恋愛というものを意識できてないだけじゃないですか。そして恋愛を意識してないが故に距離感が近い女の子のそれを”デレる”というのは、勘違い男の痛いそれでしかないのではないでしょうかね……。もちろん、ある程度の好意がなきゃ距離感が近くなることがそもそもないだろうけど、それでも恋愛とそうじゃないものの差はあるでしょうに。

感想全文は以下のブログ記事でもまとめています。気になったら見てみてください↓

【新作ラノベ感想part194】僕を振った教え子が、1週間ごとにデレてくるラブコメ - ぎんちゅうのラノベ記録

星が果てても君は鳴れ

星が果てても君は鳴れ (電撃文庫)

これはとても映画映えしそうな作品。

歌に関連する要素が主人公ヒロインとヒロインの妹の三人の関係を繋ぐ上で重要な役割を果たしていて、中盤から終盤の主人公がヒロインのために奔走したプロジェクトなんかは本当のヴィジュアルと音があったら一層良かったと感じる部分ですよ。また序盤こそヒロイン→主人公へ与える影響が大きかった部分が、読み進めるほどにヒロインの事情が明かされていき、その矢印が反転していくという構図は素直に良いボーイミーツガールを感じられましたし。ヒロインに寄り添うことを決めた告白からの幸せな時間も良かったですね。

ただ一点だけどうにも腑に落ちない部分がありまして……、という話は既にブログ記事でまとめていますので、気になったらそちらを見てみてください↓

【新作ラノベ感想part195】星が果てても君は鳴れ - ぎんちゅうのラノベ記録

リスナーに騙されてダンジョンの最下層から脱出RTAすることになった

リスナーに騙されてダンジョンの最下層から脱出RTAすることになった 【電子特典付き】 (Kラノベブックス)

リスナーに騙されたわけではない上にRTA要素が一切ないという、冒頭から一体何の意味があるのか分からないタイトル詐欺を見せられて困惑させられましたが……、本作は本質的にギャグコメディであるため細かい部分は言いっこなしにして読めば普通に楽しく読めました。

主人公が終始トンチンカンな言動を繰り返すかと思えば、そんな彼がいる世界観もまぁまぁ狂ってやがるのでしっかりと常識外れなギャグ空間というものが形成できていましたからね。

ただ本作はその設定上、主人公に直接顔を合わせて共に行動する人物がいないし、今後もその状況が改善されることがしばらくないだろうから、主人公のギャグに変化が生まれにくく飽きが生じそうなところがあるので。彼に影響された周囲の動きがどう広がっていくかという点で今後が左右されるのかなとは思いました。

感想全文は以下のブログ記事でもまとめています。気になったら見てみてください↓

【新作ラノベ感想part196】リスナーに騙されてダンジョンの最下層から脱出RTAすることになった - ぎんちゅうのラノベ記録

自分をSSS級だと思い込んでいるC級魔術学生

自分をSSS級だと思い込んでいるC級魔術学生 1 (オーバーラップ文庫)

いやー、この主人公おもしろいのにカッコいいですね。

いわゆる中二病拗らせなんですけど、根が真面目で努力家な男が本気で中二病をするとこうなってしまうのかという新天地を見せてもらったような感覚。

真の実力を隠している風を装っているだけで本当に平凡な力しかない主人公だけれど。その尋常じゃない努力だけは本物で、だからこそ口から出る言葉にはただの演技や理想や妄言なんかじゃない彼自身が持つ信念の重みがあって、嘘のはずなのにそんな彼に感化される人がいるんだろうなと。

感想全文は以下のブログ記事でもまとめています。気になったら見てみてください↓

【新作ラノベ感想part197】自分をSSS級だと思い込んでいるC級魔術学生 - ぎんちゅうのラノベ記録

君を「ナツキ」と呼ぶまでの物語

君を「ナツキ」と呼ぶまでの物語【電子特典付き】 (MF文庫J)

うーん、評価ができない! ノベルゲーだったらこの1巻の終わりでやっとOPがあるくらいですよ。申し訳ないですけど、わたしに美少女ゲームをOP前で評価できるほどの目はないのですよ。

とはいえ、主人公と各ヒロインたちを見ていると個人的に気になるのは1巻表紙にもなっている樹宮のナツキさんですね。もう全身から発せられる負けヒロインのオーラ。主人公とは本質的な部分がズレてる分、彼女と結ばれようとしたらその隔たりをどうにかしなきゃいけないですし、更に言えば過去の苦い思い出を越えた上で恋愛に発展しなければならないから……、主人公には他のヒロインとの方が素直に相性は良さそうなんですよ。ただ攻略難易度高い分、彼女が素直のデレるようになったときを想像すると強いと思うので。是非ともがんばってほしいですね。現状勝率めっちゃ低そうだけど。

感想全文は以下のブログ記事でもまとめています。気になったら見てみてください↓

【新作ラノベ感想part198】君を「ナツキ」と呼ぶまでの物語 - ぎんちゅうのラノベ記録

お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件 10

お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件10 (GA文庫)

幸せいっぱい甘々いっぱい。

それは良いことで今更ですが、今回個人的にびっくりしたのは一緒に夜同じ布団に入ってイチャイチャしてるので挿絵2枚あったことですよ。つまりそれ相応の布団イチャイチャの尺の長さ!それでこやつら普通に寝るだけってマジかよ。すげぇよ。

でもこれがお互いちゃんと愛し合ってるからこその向き合い方だと思うと外野から言うことはないんだよ。それにぶっちゃけもう読者的にも真昼とそういうなことをするイメージができないというか、神聖なものを汚してはいけないというか。まぁとにかく一生幸せにしててください。

これはあくまで、ままごとだから。 2

これはあくまで、ままごとだから。2 (電撃文庫)

結局ままごとじゃねぇか!

深紅視点が明かされる2巻、明かされたのは1巻から想像できるようなものでしかなく、さらに言えばそれが1巻でわたしが散々不満を言ったところでしかないという……、読んでて顔がスンッと冷めていく感情が凄まじかったですね。

恋やら愛やらの面倒くささやもどかした複雑な部分を描きたいのは分かりますし、そのためにこういう展開をやってるのも分かりますけど。やっぱりその根底にあるものが根腐れ起こしてたらどうやっても立て直しは厳しいってことでしょうか。

とにもかくにも、この作品に関してはこいつらがこれからどうなってしまうんだっていう気になる気持ちが湧き上がらないのだと、再認識しました。この作品は1巻からそうでしたが。メインキャラが全員、展開のために意図的に歪められたキャラであり、キャラというよりはそういう記号が動いているような感覚があり、ある種のパペット人形を操ってる人がいて演じられる劇を見ているような作品になっているんですよ。それはやっぱりあくまでこの作品そのものがままごとだっていう暗喩なのか。まぁ、わたしは記号を見て萌える趣味もなければ楽しめる感性もないのであれですが。

そしてそういう意味で見るとむしろサブキャラである兄姉や今回登場した奈白の方がよっぽどちゃんとキャラやってて好感持てたりはする。

おわりに

今回は2週間分で読んだ作品の感想をまとめていきました。

このラノが近いと言うこともあって、直近の新作を読みあさってましたが。正直9月の新刊も早く読みたいもどかしさがあります。この感想まとめが2週間おきになっている程度にはちょっと忙しいですが、がんばって時間取りながら読んでいこうと思います。

今回は以上です。