『ビバリーヒルズ・コップ:アクセル・フォーリー』『ネクスト・ゴール・ウィンズ』など最近ダラ観した配信あれこれ (original) (raw)

ビバリーヒルズ・コップ:アクセル・フォーリー』

ビバリーヒルズ・コップ:アクセル・フォーリー (Netflix映画) (監督:マーク・モロイ 2024年アメリカ映画)

あのアクセル・フォーリーが帰ってきた!というエディ・マーフィー出世作ビバリーヒルズ・コップ』シリーズ30年目の第4弾がNetflix映画として配信中。出演はエディ・マーフィーの他ジョセフ・ゴードン=レビット、テイラー・ペイジ、ケビン・ベーコン、さらにジャッジ・ラインホルドやジョン・アシュトンら過去作のメンバーも集結している。

ビバリーヒルズ・コップ』シリーズは好きだったな。評判の悪い第3作もオレは全然好きだったよ。監督ジョン・ランディスだったし。エディ・マーフィー自体好きなんだ。今は往時程の活躍ぶりはないが、たまに出演作があるときちんと観ているぐらいだ。で、この第4作、期待していたよりは地味目に感じたけど決して悪くはない。物語は今やすっかり爺むさくなったアクセルが、弁護士となった娘と警察の汚職事件の解決に乗り出すけれど、永らく会っていなかったその娘とは衝突してばかり、といった塩梅。

こういったシナリオはありがちではあるが、安心して観ていられる要素でもある。なにより最初から最後まで無意味極まりない大量破壊シーンを連発し、大いに笑わせてくれるし作品への意気込みも伝わってくる。アクセルが口八丁手八丁で難関を切り抜けてゆく部分にも「ビバリーヒルズ・コップ」らしさを感じさせる。往年の懐かしいテーマソングが連打され、懐古ムービーの一歩手前といった臭みこそあれ、それもそれほど嫌味には感じない。

ただどうしても、同じくお騒がせ警官シリーズ第4弾ということでこの間公開された『バッドボーイズ RIDE OR DIE』と比べてしまうと、もう一押し欲しかったなという気もしてしまう。それよりもアクセルの声優を引き続き担当した山寺宏一の素晴らしさだろう。山寺宏一の吹き替えがあったからこそシリーズの連続性を感じさせたほどだ。何故なら今作では例の「アクセル笑い」がエディの意向で封印してあり、スタジャンを着ていないとシリーズだと思えなかったからかもしれないからだ。全体的には結構満足だったよ!

ネクスト・ゴール・ウィンズ(監督:タイカ・ワイティティ 2023年イギリス・アメリカ映画)

2001年ワールドカップ予選史上最悪となる0対31の大敗を喫した米領サモアのサッカー代表チームを立て直すためアメリカからコーチが招聘されるけど、実はこのコーチ、しょうもない落ちこぼれだった!?という実話も基にしたスポーツコメディ。主演をマイケル・ファスベンダー、監督を「ジョジョ・ラビット」「マイティ・ソー」シリーズのタイカ・ワイティティが務めている。

なにより特筆すべきは米領サモアの風光明媚なロケ―ション、ここで生まれた選手たちやここで暮らす人々のどうにものんびりとした人の好さが実に好感度を高めていることだろう。監督のタイカ・ワイティティはオレは相当に性善説の人だと思っていて、それが反映されたハートウォーミングな物語になっている。

もう一つ面白いのは、スポーツをテーマとした物語は必然的に勝利するための苦闘や苦悩があるのだけれども、この『ネクスト・ゴール・ウィンズ』はそういった部分のキツさが相当薄め、ということだ。なにしろチームに招聘されたコーチに求められているのは「チームをワールドカップで勝利に導くこと」では全くなくて、「次の試合でせめて1点だけ得点させること」なのである。なんなのこの敷居の低さ!?まあこの「たった1点」すら取れないのが最弱チームたる所以なんだけれど!

たかが1点されど1点、この1点の為に血の滲まない程度に特訓する展開の緩さが心地いいし、その緩さを醸し出すメンバーたちや、半分投げ気味になりながら「しょーもねーなー」と監督するコーチの適度な手綱も心地いい。特にニューハーフの選手の扱いがとてもドラマチックに描かれて素晴らしいのだけれども、このニューハーフ選手、本当に実在していたのらしい。ちなみにDisney+の配信で視聴。