アメリカとその政治を理解するのに役立つ6冊の本 (original) (raw)

（クレジット：ブルームズベリー・プレス、カリフォルニア大学出版局、WWノートン・アンド・カンパニー）

幸福の追求から経済まで、選挙を控えた今、米国についての背景、洞察、視点を提供する本をいくつか紹介します。

2024年の米国大統領選挙が近づく中、国民の間で意見が食い違うことはたくさんあるようだ。意見の相違を理解するために、問題とその背景を詳細に分析した次の6冊の本を検討してみてほしい。これらの本は、独立宣言やレーガン時代に始まる保守政治の変遷から米国の文化的基盤まで、あらゆることを網羅している。また、処方鎮痛薬オキシコンチンのマーケティングによって1996年に始まったオピオイド薬物の流行や、生活費への懸念が広がる中での経済も取り上げている。米国は意見の相違にもかかわらず「私たち国民」という意識を実現できるだろうか。それが11月5日の選挙までに答えが出る質問だ。

『These Truths – アメリカの歴史』ジル・レポア著（2018年）
ハーバード大学の歴史学教授で、ニューヨーカー誌の寄稿者でもあるジル・レポアは、包括的で心をつかむ米国史のタイトルを独立宣言から引用している。「我々は、すべての人間は平等に創られ、創造主から生命、自由、幸福の追求を含む奪うことのできない一定の権利を授けられているという、自明の真理を信じる。」16世紀から2018年までを網羅したこの本は、「建国当時は多民族だった国家と、『これらの真理』を実現する方法を見つけようとした人々の物語」だと、ガーディアン紙のジョン・S・ガードナーは書いている。「後にも先にも、これほど紛争と富で揺れ動いた国はない」と、ニューヨーク・タイムズ・ブック・レビュー紙のアンドリュー・サリバンは書いている。「社会に移民の波が絶えず押し寄せ、よそ者や旅人の国と定義された国はかつてなかった…奴隷制と自由の両方にこれほど情熱を傾けた人々はいなかった」 『These Truths』は、今の時代にぴったりの公民書です。ニューヨークタイムズの2018年ベストブックでは、この本は「容赦ない進歩」の物語ではなく、「理性と信仰、黒人と白人、移民と現地人、産業と農業の交差する流れが、完成には程遠い物語に波紋を巻き起こす、対立と矛盾の物語」であると評されています。

レーガンランド: アメリカの右傾化 1976-1980 リック・パールスタイン著 (2020)
パールスタインの米国における保守主義の台頭に関する 4 巻からなる年代記の最後の巻は、多彩な物語の歴史である。パールスタインは、ジェラルド フォード/ジミー カーター大統領選挙運動から始める。予備選に漏れたレーガンは、フォードを支援することを拒否し、4 年後のカーターに対する自身の勝利の舞台を整えた。「ここにはすべてがある。男女平等修正条項、兄弟ビリー、パナマ運河条約、カリフォルニア州の提案 13 による固定資産税の削減、サプライサイド経済学、「キラー ラビット」、ダイレクト メール、フォード ピント、テッド ケネディ、スリー マイル島、不調、そしてこの激動の時代を特徴づけた他の 100 もの事件や物語」と、ジョン S ガードナーはガーディアン紙に書いている。レーガンランドは「本質的には社会政治史であり、国民の議論を激しく刺激した運動や運動、および女性の権利などの主要な社会変化が米国人の生活に及ぼした影響に焦点を当てている」。続いてマックス・ブートの新しい伝記『レーガン』を読んでみましょう。この本はレーガンと共和党の大統領候補ドナルド・トランプとのつながりに焦点を当てています。

民主主義と連帯：アメリカの政治危機の文化的根源について、ジェームズ・デイヴィソン・ハンター著（2024年）
ハンターは、1991 年の著書『文化戦争』で、米​​国における 2 つの対立する勢力間の分裂を表す用語を作り出した。「米国の民主主義は危機に瀕している」と、ハンターは新著『民主主義と連帯』で書いている。ハンターは 2 世紀半にわたる米国の政治文化を調査し、危機の文化的根源を特定している。それは、すべての人は平等に創られたという約束と、人類の広範な層を排除する慣行との対立である。「ハンターは米国を代表する文化史家だ」と、ニューヨーク タイムズ紙のデイビッド ブルックスは書いている。「ハンターは、国​​の政治生活が文化的基盤の上に成り立っていることを私たちに思い出させてくれる。それぞれの社会には、独自の世界観、善悪に関する独自の基本的前提、国家生活に方向性と目的を与えるよりよい世界の独自のビジョンがある」。共通の敵に反対したり、共通の目標を肯定したりすることで団結を達成することが多い米国文化は、「最も深いレベルで崩壊した」とハンターは書いている。

(クレジット: Regnery Gateway、Yale University Press、Simon & Schuster)

自由とセクシュアリティ、デイヴィッド・J・ギャロウ著（1998年）
2022年6月、ドブス対ジャクソン女性健康機構の裁判で、米国最高裁判所は、憲法修正第14条に暗示されるプライバシーの権利に基づき、女性に中絶の憲法上の権利を認めた1973年のロー対ウェイド判決を覆した。この判決をきっかけに、中絶を禁止する州法案が次々と提出され、同時にロー判決を復活させる抗議活動や行動も起こった。ギャロウの画期的な法史は、コネチカット州の避妊禁止法を撤回するための40年にわたる闘いから始まる。ギャロウは、ロー対ウェイド判決とその前身、後継の判決、さらにはロー判決後の25年間の訴訟を綿密に取り上げている。社会学者で法学者のクリスティン・ルーカーはニューヨーク・タイムズ紙で、 「現代アメリカ人の生活における最も重大な変革の1つを記録した、記念碑的で広範かつ洞察に富み、苛立たしく、挑戦的で多岐にわたる本」と書いている。彼女は「性革命の境界をめぐる闘争の多くは議会と法廷で起こった」と指摘する。ギャロウは、この事件は20世紀の法の歴史における2つの最も重要な物語のうちの1つであると結論づけている（もう1つはブラウン対教育委員会の事件）。次に何が起こるかは、米国大統領選挙によって決定される可能性が高い。

サム・キノネス著『ドリームランド』（2015年）
クィノネスの全米批評家協会賞を受賞した『ドリームランド』は、「この国を襲った最悪の麻薬禍」の謎を解き明かす。「世界史上最も裕福な国の最も恵まれたグループの子どもたちが、痛みを麻痺させる薬物に中毒になり、流行病のような勢いで亡くなっている」とクィノネスは書いている。麻薬による過剰摂取による死亡者数は、1999年の1日10人から2012年には30分に1人にまで増加した。クィノネスの「鎮痛剤、薬物工場、メキシコの密売人、流行病を取り巻く静けさ」の記録は、劇的で悲痛な詳細で語られ、米国中の小さな町や郊外とメキシコの小さな町を「悲惨な相乗効果」で結びつけている。オキシコンチンが最初に登場したと彼は書いている。「ステーキとデザートを食べながら、エアコンの効いた診療所で、パーデュー ファーマの担当者が紹介した。数年後には、ブラック タール ヘロインが、サトウキビ農家の少年たちが古い日産セントラを運転してマクドナルドの駐車場で待ち合わせをする時に口にくわえた小さな膨らんでいない風船に詰められて登場した」。キノネスは、ヘロインの過剰摂取の解毒剤であるナロキソン (現在ではヘロインの 50 倍の効力を持つ合成オピオイドであるフェンタニルにも使用されている) が広く入手できることなど、かすかな希望の光を提示している。究極の解毒剤はコミュニティであると彼は主張する。

ジョージ・ギルダー著『資本主義後の人生』（2023年）
経済学者ギルダーの 1981 年の著書「富と貧困」は、サプライサイド経済学を定義し、レーガン政権の政治に影響を与えた。彼の新しい著書は、知識こそが真の富であるという概念に基づく逆説的な理論を提示している。「ガソリンスタンドにクレジットカードを挿入するとき、実際に購入しているのは、取引を可能にする知識である」とギルダーは書いている。資本主義後の生活の本質は、「政府による金銭管理によって可能になる、生産的な市民、革新者、起業家から政治家、銀行家、官僚への権力の巨大な移行」であると彼は主張する。ギルダーのシステムは情報理論に基づいている。「経済学は人間の欲求と動機に焦点を当て、情報理論は人間の創造性に焦点を当てている」。彼の主要な原則は、「富は知識、成長は学習、情報は驚き、お金は時間」である。ギルダーは楽観主義者の側に立つ傾向があり、テクノロジー、起業家精神、革新が経済発展を推進できると確信している。経済的な懸念は来たる選挙の鍵であり、アメリカ人の大多数（ピュー研究所の調査によると約70％ ）が食料や住宅のコスト上昇を懸念している。