日雇派遣日記 賃金奴隷な日々(日雇) (580)残念ながら留置場に比べれば賃労働の方が遥かにましだ (original) (raw)

日雇派遣日記 賃金奴隷な日々(日雇) (580)残念ながら留置場に比べれば賃労働の方が遥かにましだ

加藤匡通

十月×日(金)

朝、携帯電話のアラームで起きて一階に下りてすぐに家の扉が叩かれた。こんな早くに誰だろうと思ったら「警察です。」と聞こえた。五時五十五分頃のことだ。

その日から二十日間水戸警察署の留置場に閉じ込められた。

宿泊費も食費も無料と言えば聞こえはいいが、自転車操業日雇労働者には刃物を突きつけられるのと変わらない。母の年金だけでは家賃と公共料金すら払えない。警察も検察も裁判所そういうことに関心もないし責任も感じない。令状逮捕の挙げ句に起訴しないのだからいい気なものである。建築現場だからあまり問題にならないものの、これが理由で失職してもおかしくないが、もちろん彼らがその責任を問われることはない。正直、警察も検察も裁判所も糞野郎だと思っている。

留置場の様子とかはここには書かないので、関心のある人は「茨城育樹祭ビラ弾圧救援会」のブログやツイッターを見てほしい。今回の逮捕のきっかけについては「潮来育樹祭に反対する会議」のブログやツイッターを。

以前逮捕された時はこのブログには書かなかった。今回書いているのは新聞やネットニュースに名前が出たからだ。弁護士接見で新聞記事のコピーを見た時は声をあげて笑った。過大評価過ぎる。

普段、仕事なんかしたくないと言い続けているし、このブログでもよく書いている。だが、留置場に比べれば賃労働の方が遥かにましだ。賃労働は一日の大半を労働に費やすとは言え、自由な時間はある。留置場に自由は一切ない。

留置場の中でラジオ体操をしていた。意識的に身体を動かさなければ座るか横になるだけ、あまり身体によくはないし、仕事に戻っても身体が動かなくなるからだ。しかし房は狭い。現場の朝礼会場でのびのびとラジオ体操出来ることがこんなに気持ちいいとは!もちろんそう思ったのは現場に戻った初日だけだった。

ちなみに、『イリアス』はまだ下巻の初めの方である。