ぐらっぱ亭の遊々素敵 (original) (raw)

241118 仏 1902 LE VOYAGE DANS LA LUNE 脚本・監督:**ジョルジュ・メリエス、原作:ジュール・ヴェルヌH.G.ウェルズジョルジュ・メリエス**

1902年にこんな作品を作っていたんですから、さすがリュミーエル兄弟のフランスならではのこと、それだけで感嘆しきりです。

月面に無事到着して喜ぶ御一行、6人の天文学者たち。クレーターならぬギザギザの月面。

緊張の打ち上げは月をめがけ、大砲を打つ要領で。

弾丸型のロケットで月旅行にでかけた天文学者ら、なんと月には原住民がいて、彼らとの戦いをなんとか切り抜けて、同じロケットで落下した海は、もう地球という塩梅。月面から地球と思しき惑星が見えたりしますが、これが真っ黄色!

人工着色された16分ほどの映像、史上初のサイエンス・フィクションでもありますが、これを見た当時の人たちは腰を抜かさんばかりに驚いたことでしょう。幻想的な画面に釘付けでした。

241117 ARCH OF TRIUMPH 米 1948(日本公開:1952) 2h 原作:エーリッヒ・レマルク 脚本・監督:**ルイス・マイルストーン**

あまりにも有名な作品なのですが、これが初見です。うーん・・・あまり感心しない作品かも。時代設定は1938年、ドイツではナチスが台頭し、風雲急を告げる開戦直前のパリが舞台です。凱旋門近辺の、この作品で有名になったカフェ「フーケ」(Fouquet's)が登場します。他にもすぐそばの高級ホテル、ジョルジュ・サンクやプランス・ドゥ・ガルなども。

また**シャルル・ボワイエイングリッド・バーグマン**のコンビも当時かなりの話題を呼んだはずです。が、脚本が荒っぽいのか、編集がうまくいかなかったのか展開に滑らかさを欠いています。

それと、ボワイエはともかくバーグマンの演技がいささか危うい感じが否めません。やはり「**カサブランカ**」と比べると、かなり色褪せた印象が拭えませんでした。

パリが舞台で全編英語というのもねぇ〜〜。バーグマン扮する女性がイタリア出身という設定なので、彼女が死ぬ間際にイタリア語で「愛している!」と呟くのがご愛嬌って感じです。

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いきなり「**闘牛士の歌**」をパワー全開で歌った後は、一転、武満 徹を歌われました。武満作品は彼のおはこでもあり、過去何度も聴いています。

その後は、珍しく映画音楽から。いずれも愚亭が大好きな作品ばかり。流石にすべてリアルタイムで見ています。尤も「ひまわり」は曲だけで、歌詞をつけてあるのは知りませんでした。しかも、英語!

オペラ歌手がこういうものを歌うと朗々と歌い上げてしまいがちですが、この人の歌い方はまったく違和感がなく、すーっと入ってきました。それと松岡あさひさんの編曲が素敵でした。

後半は、一昨日カルメンのレクチャーコンサートで聞いたばかりの宮地江奈さんが登場。メノッティの「電話」のルーシー役。チャーミングなアメリカ娘の格好でして、似合うんですね、これがまた。

可愛らしい衣装を紹介したくて、FBからお借りしてきました。

着替え前に舞台に戻って撮影されたようです。

私服で。演奏前か後か。

2人の軽妙なやりとりが楽しく、ほっこりしながらトリトンスクエアを後にしました。

241114 この会場には何年ぶりでしょうか。コロナ後、初めて来ました。

二期会の人気者、テノール高田正人さんが自分の名前を冠するレクチャー・コンサートをシリーズ化しているのですから、大したものです。今日は講師と歌手で大活躍でした。

レクチャー前半はカルメンが作曲された経緯、時代背景などについての解説があり、知っているつもりで知らないこと、結構ありました。

途中からカルメン役の豊島ゆきさんが入られて、高田さんと意見交換をされ、その後、一旦楽屋に引っ込み、今度は赤いカルメン衣装に着替えて再登場。定番のハバネラを歌われて前半は終了。

豊島ゆきさんは初めて聞かせていただきましたが、カルメン向きの、大変艶やかな、そしてパワフルな発声でした。この方、容姿もまた妖艶で色気たっぷり、純朴なドン・ホセを誑かすにはぴったりでした。

後半は満を持して人気沸騰中の宮地江奈さんが登場。まずは高田さんとの二重唱。ついで、再び豊島さんのセギディリアがあって、宮地さんのソロ。

ラストは聞かせどころのカルメンとホセの命懸けの二重唱となるわけですが、ちょっとしたハプニングが。ここはたっぷり聴いてもらおうと字幕を用意していたのはよいのですが、、機器のトラブルか、かなりのロスタイムがあり、せっかく字幕が出ても、今度は肝心の歌にシンクロせず、愚亭などはそれが気になって二重唱に集中できず、もったいないことをしました。

かなり予定時間をオーバー、9時半ころに終演。いつもはその後、挨拶に出て来られる出演者との交歓もできるのですが、帰宅まで1時間を要する者はあわただしく会場を後にせざるを得ませんでした。

それにしても、定評ある高田さんの話術の見事さには感心しりきでした。もちろん、歌唱でも存分に楽しませてくれました。

241113 ドニゼッティのオペラ「**連隊の娘**」を2日前に見たばかりですが、今日は日生劇場で演出・美術・衣装・照明についてそれぞれの専門家による解説と舞台見学がありました。

コロナ前にもこうした機会があって参加したことがありますが、今回も非常に興味深い内容でした。

定評ある粟国演出はとりあえず措くとして、イタロ・グラッシの美術ばなしは面白かったです。子供の目線が念頭にあって、いろいろな案を探っていたようです。今回は会場が日本なので、囲碁・将棋の盤や駒、石などの案も模索したそうです。

最終的におもちゃ箱に辿り着き、背景や舞台はもちろん登場人物もおもちゃを意識して決めていったようです。そしてそれを衣装に引き継ぎ、**武田久美子**さんが自分なりの総意・工夫をされていったわけですが、その過程が細かく映像・動画で紹介されました。

最後に照明の稲葉直人さんが実際に助手の方に細かな指示を出しながら、色合いや照明位置について最大効果をもたらす当て方を決めていったそうで、これにも相当な時間を費やしたとのことでした。

今更ですが、総合舞台芸術の極みのオペラだけに、各分野とも半年や1年をかけて練り上げていく実態を改めて知らされました。それだけに、コロナのような事態で中止に追い込まれるようなことがどれほど手痛いことか!金銭的損失以上に精神的・心理的な痛手の方が、携わる人たちにははるかに大きいでしょうね。

着席のパネリストたちが順に説明をされました。

本番の衣装が並びました。説明する武田久美子さん。

実際に舞台に上がって、装置や衣装を間近に確認できました。

上空の雲や気球は横から見れば真っ平なのですが、照明を当てて立体感を出しています。

効果的だったおもちゃのトレイン。マリーはこれに乗って登場しました。

トニオのマッチョな衣装とシュルピスの海賊風衣装。
色といい形といい、アイディアですねぇ。

侯爵夫人の後ろ姿。前はパネルなので、お辞儀したりするのは、結構大変!

手前はマリーの衣装。白に決めるまで、少しなやんだらしいです。

これは武田さんのこだわりで登場することになったお猿さん。21は連隊の番号

左は照明の稲葉さん、右は美術のイタロさん。中央は通訳の方。お上手でした。

大型くまのおもちゃ、木目風で見事な仕上がり。この後、そうするんでしょうね。