【トビリシ編】アルメニア・ジョージア周遊⑧ (original) (raw)

今回はジョージアへ入国、早速首都トビリシの観光を行いました。

今回からジョージア編となります。

前回の記事↓

gtotaku888.hatenablog.com

ジョージアは街の構造を筆頭にアルメニアとは全く違う物が沢山見れました。

トビリシというと旅行系のサイトが鮮やかな街並みを紹介しがちですが、それだけに期待して訪れると間違いなくがっかりするか、驚きます。もちろん古風で美しい街並みは確かにあるのですが、町全体で見るとそんな場所はごく一部です。個人的には、**トビリシはカオスの街。**

…ということもあり必ずしも綺麗な側面だけではないですが、面白い街ではあると思います。逆にそこを逆手に取り、どういう街か事前に知ってどこを楽しみに行くか決めた方が楽しめるかもしれません。あるいは、意外性に賭けるか。

BGM↓

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1. 雨のトビリシ徘徊!ソヴィエト建築を巡ろう①

急にそんな話かよってことから始まるんですが、トビリシ駅を降りた後店で飲み物を購入した際、釣りが無くて困ってたらおっさんが急に勝手に支払って、カスみたいなダル絡みを受けるという・・・なんか言うこと成すこと妙だったし観光客狙いの人間だったんでしょうね。ジョージア語しか話せないのにアジア人男性を中国バーに連れようとナンパしてるとはご苦労なこった。何言ってんのかわかんなすぎて翻訳アプリ使ってやったらスマホがつばまみれになったことの方が不愉快でしたけど。

隙見て撒いたんですが、その際に傘を失くしてしまいずぶ濡れ・・・これがトビリシの洗礼か・・・。

めげずに市内を巡ろう、ということで、傘を探し回って地下街で購入し(杖代わりにしてたら最終的にこちらもほどなくして損壊)、ソ連時代の建築物を見ていくことにしました。

にしても、トビリシもトイレがどこにあるのかよくわからない・・・。

トイレが大体ある公園がイェレヴァンよりさらに少ないので、更に探し回らないと見つけられません。

なんとか有料トイレを見つけつつ、歩いていきます。

↓雨の中ずぶ濡れになりながら歩いて撮ったブレブレの写真

陰鬱な空に歓迎されました。歓喜の雨が降り注いでおり大変寒いです。

これこそが旧ソ連トリップの醍醐味、そうでも思わねえとやってらんねえぜ!

とまあ気を取り直してはじめに向かったのはジョージア博覧会会場。

科学的モニュメントも。

宇宙や祖国の発展をイメージしたソヴィエトモザイク。

ただ、かなり警察が多く厳戒態勢のようだったので速めに去りました。ゆっくり見れなかった・・・。

こちらはトビリシを流れるクラ川。

クラ川沿いをしばらく歩き橋を折り返すと、色々ソ連建築が目に入り始めます。

謎のモニュメント+ソヴィエト時代のコンピューティングセンター(右)・ジェンガのようなジョージア銀行本店(中心奥)が一気に見れるポイントがあります。

奇妙な建築物が沢山見られるという点でトビリシの絶景スポットということで。

さて、しばらく歩いて地下鉄に乗ることに。トビリシ地下鉄は1号線とサブルタロ線の二つの路線で構成されており、イェエヴァンに引き続きソヴィエト的メトロを体感できます。車両も同じ81-717M/714(多分)で、発着時の音がめちゃくちゃうるさいです。

ホームは支柱が無い広々としたプラットフォームが多めでした。イェレヴァン同様装飾が美しいです。とりあえず、今回の旅行中撮影した駅の画像を添付。

技術大学駅

「駅広場-2(サドゥグリスモエダニ-2)」駅

(二枚ともデリシ駅)

ルスタヴェリ駅

歯車アートのあるグルマゲレ駅も行っておけばよかった~。今回はあまり多くの駅に行けなかったので、今度また来たらもっと駅巡りしたいところ。

ちなみに乗り方についてはブログ①の準備編にあるように、カードにプリペイド式でお金を入れて時間式でバスとメトロ乗り放題、という形です。

メトロの州立大駅(ここは普通の駅)で降り、次の目的地へ。

こちらはトビリシでも結構有名らしい生活用の高架がかかった集合住宅。中にはエレベーターが駆動してるらしいです。

こちらはジョージアのソヴィエトモザイクの芸術家で有名なツェレテリのモザイク。労働組合文化センターにあります。

ツェレテリはアブハジアの奇妙なバス停でも有名。

2. 自由広場・旧市街・ナリカラ砦

次に自由広場駅まで向かい、自由広場へ。

途中ジョージア国立博物館に入場し、ジョージアの自然や考古学、ソヴィエト占領博物館を見学。特に展示は撮ってませんが、やっぱり博物館は見る価値があります。

このあたりから、これまで見ていた景色とは全く違うものが目に入り始めます。

自由広場から旧市街方面へ向かうと、オシャレな建物が続きます。よくハリボテと称されますが・・・。

これはソ連時代の彫刻?

旧市街方面に行くと建築の雰囲気がまたまた変わります。

ところで、これはトビリシ全般に言えることなのですが、旧市街だろうがソヴィエトマンションの並ぶ通りだろうが大通りの綺麗な建物だろうが、割とお構いなしにスプレーで落書きがされまくっています。まあこれに関してはこの国に限った話ではないのかな・・・。

ちなみに上の写真の道路、かなり古そうな旧市街用の旧道の上に無理矢理バイパスを通しているので、バイパス大国の我が国もびっくりの意味不明道路になっています。もはやどういう構造なのかよくわかりません。

これもまたトビリシの雑多さを象徴する一つの風景かもしれませんね。

このあたり適当に路地に入ると雰囲気のある旧市街に早変わり。フランスの街とか好きな人には映えるんでしょうか。自分も結構好き。

旧市街・教会・現代建築の混在する風景。

トビリシでも有名なシオニ大聖堂。ごちゃごちゃした街の中に堂々と建っています。

下の写真の通りはぼったくりバーしかないと聞いていたので近寄りませんでしたが、実際どうなんでしょう。まあでもこの近辺で食べるのはトビリシ駅前よりも明らかに高そうでした。

次に、旧市街近くのトビリシの有名観光地「ナリカラ砦」へ向かいます。結構な坂を登るので、それが嫌ならロープウェイ使用を推奨。

ナリカラ砦自体は結構いい雰囲気の石造りの要塞なので、見ごたえはあります。

上からの眺めは良いです。この日は曇ってましたが。

塀か坂を登ってさらに上を目指すこともできます。

こちらはトビリシのテレビ放送タワー。ソ連によくある形式の塔で、山から街を見下ろします。

砦からは各方面トビリシの街を眺めることができますが、よく見るとやっぱりカオス・・・。

荒野の中に円形に建設されたイェレヴァン、海岸沿いのバクー(未訪問)とは異なり、河川によってつくられたであろう谷に首都が建設されているため、山の間にひしめき合うように建物が建ち、トビリシ駅の裏を筆頭に斜面にも数多くの市街が建設されています。

こちらは、個人的に気に入ってる凛々しい野良犬の写真。

二日目に撮った綺麗めな写真も紹介します。

個人的にはナリカラ砦は結構好きな観光スポットだったので、トビリシに行く機会があればオススメです。

また、砦の近くにはアルメニアでも見たようなジョージアの母の像があります。ただ、山の上にあって近くから見やすいようになっていません。

ここでキラキラした日本人観光客っぽい女性が自撮りしてましたけど、こんなカオスな街でも上手くやっているんでしょうか。自分は正直結構疲れたんですが。

さて、市街に戻りましょう。

そういえば、降り際に黒猫に出会いました。ジョージアアルメニアも猫は大事にされているみたいです。

(この写真も気に入ってる)

色んな旧市街の姿。

ナリカラ砦の近くには他にもいくつか見どころがあります。

赤い福音教会の廃墟。1989年になんらかの理由で倒壊したものだそうです。敷地内は意外にも整備されており、何人かがれきの上に登っていました。

古い建物だけでなく、近代建築もあります。

トビリシでも有名なm^2と書かれた風船とリケ公園の劇場です。

ここの近くには2017年に寄贈されたベルリンの壁が展示されています。実物は初めて見ました。

まあこんな感じで色々あるので、トビリシを楽しむならやはりナリカラ砦近辺はオススメだと思います。

3. ルスタヴェリ通り

最終日に寄った帝政時代の建物が残るらしいルスタヴェリ通り。地下鉄からすぐに行くことができ、街並みも美しい方。治安は微妙らしい。

4. ソヴィエト建築を巡ろう②

一日目の最後に寄ったものからソヴィエト建築を紹介。

モザイクビジネスセンター。奇妙な意匠が特徴的です。

ホステル・ファブリカの彫刻。

次は最終日に見たものについて。

こちらはソ連時代に建築されたらしい結婚式場。ちょっとかっこよすぎるかな・・・

近くに寄る方法はわからず。まあ多分入れないんでしょうね。

ジョージア国立大SEU棟。これ大学なのか・・・。

入れなかったスターリンの地下印刷所。

扉が禍々しい+1917点

おまけ・トビリシ鉄道駅。

鉄道基地には現役で走ってそうなものから「使ってるのか不明なぐらいボロい食堂車」みたいなのが結構転がってます。

5. 屋外民族博物館

トビリシに行くならおすすめの博物館・屋外民族博物館へ向かいます。名前だけだと「屋外?」という感じですが、日本でいう古民家のある有料郷土公園だと思っていただけるとイメージしやすいかと。

そういえば、道沿いに行くと遠回りだと思って公園近くの森の中の道を歩いていたのですが、途中から明らかに道じゃない場所に入ってしまい・・・。

まあ、着いたしいいか(適当)

こちらが博物館。再現された古民家が立ち並び、いくつかの建屋には学芸員が居て説明を受けられます。

中世の建屋がメインですが、なんだかどこも良い香りがします。外装内装共に趣深くて、居ようと思えば長い時間居られます。

こちらはニンニク。シュクメルリとかに使うようです。日本で有名ですよ、と言うと某大使が色々やってるよね~みたいなこと言われました。あちらでも知ってる人は知ってる?

コーカサスの民族衣装「チョハ」。チェルケスカ、チョア等ともよばれます。

かっこよくて好きなんですよね~みたいなことを学芸員に言ったと思います。

公園内はいくつかバリエーションがあります。

これは赤ん坊が使うゆりかごの古典的トイレらしいです。

カーペットが美しい。

暖炉には火が。いい香りでした。

近くには金具の鍛冶の実演が!みるみるうちに金具の形状が整っていきます。もちろん、暑いです。

他の敷地内の風景たち。

建屋の中に居た小さな学芸員たち。

にゃーん(思考停止)

かわいくて平和。

犬も居ました。この子は大人しかったので許す。

ゆったり見れましたし、学芸員の方とも色々お話できたので良かったです。

6. 街の雰囲気・・・トビリシはどう見えたか?

この記事で繰り返すように、結局混沌とした街であると思います。

一点で振り向けばこんなにも景色が変わります。

数キロ歩けばこれだけ街が変わります。

この国の状況について垣間見ることができるものも多くあります。

EU旗、NATO旗はあたかも一員であるかのように大量に見かけます。

丁度このブログを書く一月前あたりからジョージアで「外国エージェント法」を巡る混乱が起きていますが、これによりEUに対する国家の在り方の乖離が浮き彫りとなり、加盟の可能性は潰えたとも言われています。もしかすると最後の希望が途絶える直前に訪れたのかもしれません。

この近辺がデモで埋め尽くされていると思うと、ちょっと現実離れした感覚にもなります。

また、とにかくトビリシはロシアを非難・ウクライナへ連帯する落書きが多いです。

こちらは「クリミア通り」。チェチェンの取材を行っていたものの暗殺された人物を由来とする「アンナ・ポリトコフスカヤ通り」なんかもありました。

一方で、ロシア語の看板も普通に見かけます(特にソ連住宅の多い地域の自動車整備工場など)し、ジョージア人同士もロシア語で会話していることも結構ありました。

やっぱりこう、単に「ロシア離れ」では片付けられない何かをジョージアに居る間はずっと感じました。自分程度の知識では上手く表現できませんが・・・。

インフラなど、生活必需のシステムもかなりソ連時代のものが残っていたように見受けられます。

7. 料理

最後に重要なトピック「料理」を紹介。

ジョージア料理、というと一部が日本でも名が知れているものがありますね。シュクメルリとか。もちろん、それ以外にも美味しいのは沢山あります。

ジョージアで初めに食べたのは、道端のパン屋で買ったイメルリ・ハチャプリ。冷えて飢えた体にとっても効きました。

この日、地元向けっぽい食堂で食べたハルチョー・オジャフリ・ヒンカリ。パンも食べました。食いすぎだろこいつ・・・。

(ハルチョ―。ビールが合います)

地元客で忙しそうでしたが、店内は顔なじみも多かったみたいです。

注文時、慣れないアジア人観光客が来た(実際そう)と思ったのか、ジョージア人の学生に「助けようか?」と声をかけてくれました。メニューも確かに普通は知りませんからね。にしても、やっぱ親切な人はとっても親切・・・。

(オジャフリ。結構ジャンクな味でビールが合います)

まあ下調べ済みでアルメニアともあまり変わらず特に困ってないので、大丈夫よと返答。向かいに別の客が座ったり、結構ローカルなりにワイワイした店で楽しかったです。

(ジョージアと言えばヒンカリ。がぶりと行きましょう。あと、ビールが合います。)

話題のシュクメルリ。ただこの料理はパーティ向けのごちそう料理なので、適当にその辺の店で頼むとバカデカいサイズが出てきます。マジで重たい。完食で対抗。

味はおいしいです。ここは結構濃いめでした。

こちら滞在中最後の食事。

3枚目のスープはチャカプリといい、とてもサッパリして肉が美味しいハーブ・梅・羊肉の煮込み。

心残りとしては・・・ヒンカリを最後に食べれば良かったことですね。

ジョージア特有のクソデカ市販ビール。こんなんばっか飲んでるからビール腹のおっさんまみれなんだろうが(自分の腹を見る)。

夜景と一緒に呑もうともしましたが、寒すぎてそれどころではなくさっさと部屋に戻りました。

(コップが無くてコーラのボトルに無理矢理ビールを注いだ図)

おまけ:帰国後に触発されて作ったヒンカリとオーストリ

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ハルチョーとイメルリ・ハチャプリ

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日本では正直食べられる場所が少ない、自作オススメです。

スープは正直加減もあるので難しいけど・・・。

8. まとめ

一つの街にごった煮のように様々なものが詰め込まれたトビリシは最初はどうなっちまうんだこれと思ってましたが、終わってみると面白いところでした。

また時期置いて来てみたいですね・・・ジョージア西部やヴラジカフカスも気になっているので、その時かな。

さて、トビリシに到着した後にはムツヘタ・カズベギ・ゴリとトビリシ近辺の観光スポットを巡りました。次回以降も書いていきます。