【ウズベキスタン・タシケントメトロ編】2024夏季中央アジア三か国旅行記⑤ (original) (raw)

ウズベキスタンタシケントでは複数のテーマに分けた形で観光を実施。主なメインテーマは「地下鉄・鉄道・ソ連住宅・ソ連建築・バザール」の五つ。

今回はそのうちの地下鉄、タシケントメトロについて紹介します。

他のトピックはおそらく複数にまとめて紹介するものがいくつかあると思います。

旧ソ連時代、そして独立後にかけて建設・延伸されてきたタシケントメトロは美麗な駅、そしてレトロな車両が魅力的です。

前回の記事↓

gtotaku888.hatenablog.com

1. タシケントメトロの概要

1977年、ソヴィエト連邦で7番目、そして中央アジアで初めてのメトロが開通しました。

それがタシケントメトロ(Uz: Toshkent Metropoliteni, Ру: Ташкентский Метрополитен)。

中央アジアの重要な要所であり、そして独立前後のウズベキスタンの首都であるタシケント。その街中を郊外から中心まで網羅するように走行しています。

なお、現在は窓口でレシート購入し、荷物検査を経て乗車する形式。大荷物では検査の手間がかかるほか、路線に応じて荷物分の料金を取られたり取られなかったりという面倒な仕様ですので、地下鉄駅巡りの際はできるだけ身軽な格好をオススメします。

料金自体は非常に安く、たったの2000スム=約23円(2024年10月現在)で乗り放題。ウズベキスタン独立30周年線のみ乗り換え時に改札を出るため追加で支払いが必要ですが、それ以外はどこまでも乗れます。メトロをはじめとして旧ソ連は交通システムにかかる料金が物価を鑑みてもかなり安価な傾向があり、コスト面での移動のハードルが非常に低いです。

使い心地に関してですが、観光の足としては結構優秀だと思います。バスほど入念に調べる必要が無いですし、所要時間も割と短いです。市内で重要なスポットもほぼ全て巡り、空港のエントランスと南タシケント駅を通らないこと以外はほとんど困らないと思います。

さて、早速路線を紹介していきましょう。

自分が利用した2024年8月時点で開通しているのは、次のマップの通り4種類あります。

■チランザール線(Chilonzor yoʻli/Чиланзарская линия)...1977年開通

ウズベキスタン線(Oʻzbekiston yoʻli/Узбекистанская линия)...1984年開通

■ユヌサバード線(Yunusobod yoʻli/Юнусабадская линия)...2001年開通、ソ連崩壊後に建造されたが、駅の雰囲気はソ連メトロである。

ウズベキスタン独立30周年線(O'zbekiston mustaqilligining 30-yilligi yo'li/Линия 30-летие независимости Узбекистана)...2020年開通、他三つと異なり高架を走行、さらに地上駅のみで構成され、空港南部を通る形でウズベキスタン線に合体し、環状線を成す。

現在でも延伸計画があり、今後ますますメトロの使い心地はよくなっていくでしょう。地下駅の延伸なんかは独立後の現代的デザインとソ連の伝統的デザインが融合するでしょうし、今後の計画に注目です。

なお、基本的にソ連時代に建造された駅はソ連崩壊時に名前を変更され(場合によっては複数回)、現在の駅名となっています(例:十月革命駅→中央広場駅→アミールティムール広場駅)。これは他の旧ソ連から独立した国のソヴィエト式メトロと同じ傾向にあると言えます。

また細かい話ですが、改名や建造の時期がソ連崩壊から時間が経った駅だとラテン文字ウズベク語の標示、建造がソ連崩壊前および未改名あるいは改名が独立前後だとキリル文字ウズベク語の標示の傾向にあります。おそらくウズベク語のラテン文字化の時期の兼ね合いが絡んでいると思われます。駅の標示で二種類の文字が入り乱れているのは興味深い要素です。

2. 車両

現在タシケントメトロには四種類の車両が走行しています。いずれもロシアのメトロヴァゴンマシュ(Метровагонмаш)製の車両もしくはそれを改造したものです。

2.1 81-717/714

青に白線が特徴的な未リニューアルのレトロ車両。新型の81-765.5と同じぐらいの頻度で見かけます。動作時のクソデカ音響はさることながら、とんでもない速度で閉まる「ギロチンドア」は必見!

2.2 81-718/719

1991年より製造された車両で、現在ウクライナハルキウ(ハリコフ)とここタシケントしか走っていないようです。こちらもギロチンドア装備、爆音と揺れで楽しめます。

詳しい違いはあまりわからないですが、動力関連の回路に改良を施しているとかなんとか。

見た目としてはヘッドライトが異なり、停車時のノイズ音も717/714に比べると大きいです。

2.3 改良81-717

717をリニューアルした車両で、見た目が少し新しくなっています。暗めの青いカラーが特徴。乗客の目線だと、ドアの開閉速度や停止時のノイズが改善しているように思えました。それ以外はあまり変わらなかったような。

少なくともけたたましい動作音をホーム一杯に響かせるイェレヴァンやトビリシの81-717/714Мに比べるとずっと静かです。

2.4 81-765/766/767

通称「モスクワ」。2017年から製造されている新しい車両で、外装内装ともに新しく、走行時の振動や騒音、ドア開閉時のリスクも非常に抑えられています。車内も広々としており乗りやすいです。また、車内に山手線のような電光掲示板があり路線を表示してくれる他、タッチ式のディスプレイを使えば路線図を見ることができます。他の車両に乗っていると自分が何駅かすぐわからなくなりますがこちらは初めて乗る人にも優しいかと。特に4本目の環状線は駅の見た目もほとんど同じなので重宝します。ソ連メトロらしい騒がしさや健気さは無いですが便利です。

ロシアにも走っているため、現地には中々行きづらいこのご時世でも疑似的に現在のロシアのメトロを体験できる車両ともいえます。

3. 地下駅巡り

今回の旅行では全ての駅を通過し、地下駅に関しては全て降車。

4路線のうち3路線にフォーカスし、ソ連時代から崩壊後にかけて建設された美しい駅の数々を紹介していきます。

なお、行った範囲でわかったタシケントメトロのホームの特徴・注目点は以下の通り。

・大理石・セラミック調の美しい装飾が特徴的。芸術のテーマは文化や政治、科学、産業、その他抽象的表現など多岐にわたる。

・島式ホームが主流。一つだけ相対式ホームがある。

・ホームに両端から入構できる駅が非常に多い。

・両端からの入構経路確保のためか、ソ連メトロでよくあるホーム末端に施された芸術はほとんどなく、代わりに階段上部の空間に芸術的意匠が施されている。

ソ連メトロでよくあるドーム三本が貫通しホームが三分割されるような形式の駅が全くなく、一つの箱型の空間に細めの柱を立てているホームが主流。

3.1 Chilonzor yo'li(Чилонзор йўли)/チランザール線

3.1.1 Buyuk Ipak Yo'li(Буюк Ипак Йўли)

「大シルクロード駅」の意。旧マクシム・ゴーリキー駅。

ドーム型です。

シンプルながら美しいランプが特徴的。

ランプの中は紋様が掘られています。

3.1.2 Pushkin(Пушкин)/Пушкинская

ロシアの有名な詩人プーシキンの名を冠する純白の駅。プーシキンスカヤ駅となるとモスクワやサンクトペテルブルクにもありますが、デザインは全く異なります。

この駅に限りませんが、ランプのデザインが秀逸です。

まるで蝋燭。

(というか、駅が白すぎて写真がかすみまくりました)

・・・そういえば、プーシキン本人は???

タシケントメトロには駅最奥の壁面アートがありません。

一体どこに・・・

・・・エントランスの階段上部に居ました。

3.1.3 Hamid Olimjon(Ҳамид Олимжон)

ウズベク人の詩人の名を冠した駅。

ドーム型島式ホームです。

ドームしあしらわれた藍色の美しい彫刻が特徴的です。

ランプに着目するとガラスであしらわれた皿状の容器にランプが入り、天井を照らすことでホームの照明を確保しています。

ソ連の地下鉄駅はこのようにランプで直接人が通行する場所に光を向けて照明を確保するのではなく、ホーム上の天井に向いたライトや壁面に上向きに埋め込まれたライトで白い壁を照らすものがあります。

この照明様式こそがソ連地下鉄駅の宮殿のような美しさの理由の一つと言えるでしょう。

3.1.4 Amir Temur Xiyoboni(Амир Темур Хиёбони)

アミールティムール広場駅。旧十月革命駅、および中央広場駅。

ユヌサバード線のYunus Rajabiy駅への乗り換え駅です。

3.1.5 Mustaqillik Maydoni(Мустақиллик Майдони)

独立広場駅。旧V.I.レーニン名称広場駅。

チランザール線でも指折りの純白の美麗駅。近未来的なランプと吸い込まれるような天井のデザインは圧巻です!

余談だが、「広場」という単語はウズベク語でMaydon=Майдон、ウクライナ語においてはМайдан=Maydanとなり、語源を同じくするらしい。そういえばジョージア語ではმოედანი=moedaniだし、タジク(タジク・ペルシア語)語ではМайдон=Maydonだった。
アラビア語やペルシア語から来ているらしく、「広場」を似たような発音で呼ぶ言葉はユーラシア大陸にはかなり多い模様。
にしても、ウズベク語もウクライナ語もジョージア語もアラビア語も全く違う語族なのに単語だけ見たら繋がりが見えるのは面白いかも。

3.1.6 Paxtakor(Пахтакор)

綿花職人の意。中央アジアソ連建造物に多くみられる民族紋様式のモザイク画を見ることができます!大変美しい。というか色がかわいい。

エントランス上部の瞳のような聖歌ランナーアートも見どころです。

あまりにも美しい…。

新宿に瞳あらばタシケントに瞳あり

3.1.7 Xalqlar Do'stligi(Халқлар Дўстлиги)/Дружба Народов

諸民族友好駅。近くにある宮殿の名前です。一時期ブニョードコル駅という名称に変わっていたみたいです。

壁には謎の円と、その一部にレリーフがはめられています。

この円形の謎の痕跡、ソ連崩壊前は旧ソ連構成15共和国の国章がはめられていたそうです。現在は一つも残っていません。

本当か?と思いレリーフを端から数えてみると、確かに構成国と同じ15個の円が残っている

「諸民族友好」というソ連の掲げた共和国の友情・団結をテーマとした駅。

そのソ連が崩壊した今はレリーフには何も残されていないという、皮肉のような地下鉄駅です。

ある意味、独立して残ったロシアの遺産という観点では、ロシアでは見られないものかもしれません。

空白となったレリーフの間に、虚しくもウズベク語で「諸民族友好」という駅名の標示だけが輝く。ソ連崩壊から30年以上経過し、国や民族の結びつきはどこへ向かうのか…。

3.1.8 Milliy Bog'(Миллий Боғ)

国立公園駅。旧コムソモーリスカヤ、またはマラジョージナヤ駅。

美しい彫刻調のデザインとイスラム様式の梁が特徴的。

紋様の彫刻はソ連や民族についての意匠。

3.1.9 Novza(Новза)

旧ハムザ駅。

ドーム状のホームにハニカム状の近未来的な照明が備え付けられています。

3.1.10 Mirzo Ulug'bek(Мирзо Улуғбек)

ウズベキスタンの有名な天文学者の名を冠する駅です。旧ソヴィエト連邦建国50周年駅。駅のデザインは変えていないのでウルグベクっぽいのは特にないです。

こう見ると改名前後で趣向が違いすぎて、駅のテーマが掴みづらい気も。

3.1.11 Chilonzor(Чилонзор)

宮殿のようなシャンデリアが特徴的な駅。

近くにはチランザール地区の住宅街が立ち並んでいます。

見入るようなシャンデリア。

ソ連地下鉄はこうした神秘的なデザインの照明がぶらさがっていることも多いです。

壁には民族をテーマにした彫刻があります。

3.1.12 Olmazor(Олмазор)

旧サビル・ラヒモフ駅。ソ連邦英雄の名前を冠していた駅で、現在も彼が参戦した大祖国戦争にまつわる英雄的意匠が施されています。

3.2 O'zbekiston yo'li(Ўзбекистон йўли)/ウズベキスタン

3.2.1 Beruniy(Беруний)

未来的なドームと美しいランプが魅力的。

3.2.2 Tinchlik(Тинчлик)

平和の意。この駅はなんといっても複雑な壁面アートが見どころでしょう。

3.2.3 Chorsu(Чор Су)

タシケントの人気観光地「チョルスーバザール」の最寄り駅。

青い陶器調の芸術が美しいです。

てかてかしていてかわいい。

3.2.4 G'ofur G'ulom(Ғофур Ғулом)/Гафура Гуляма

詩人ガフル・グラムの名を冠した駅。モスクワのエレクトロザヴォーツカヤ駅的な円系のランプと複雑な陶器調のアートが特徴。

切れた電球は放置してありますがこれはこれでソ連らしいかも。

駅にはロシア語およびキリル文字ウズベク語の標示がある。ウズベク語キリルアルファベットはロシア語キリルアルファベットに文字を追加したものが使われており、たとえばここにはҒ(=G')というГ(=G)を改変した文字が使われる。Fではない。

タシケントメトロの駅は基本的に両側から入構できますが、このように片側が閉鎖されているものもあります。閉鎖されて暗くなっている側はゲームの立ち入り禁止エリアのような不思議な魅力を感じます。

3.2.5 Alisher Navoiy(Алишер Навоий)

ティムール朝の詩人の名を冠した駅。

タシケントメトロで最も宮殿らしく、最も壮大で伝統的な様式のホームで、旧ソ連でもここ以外にこのような駅はないと思います。

高い天井に、引き込まれるような円、そして美しい装飾。

どこを見ても、見とれるばかりです。

壁面には歴史的なシーンに関するものらしきレリーフがはめられています。

乗り換え駅であるため人の往来は非常に多く、落ち着いて過ごせるのはおそらく早朝と深夜ぐらいしかないと思いますが、それでも訪れる価値は十分にあります。

3.2.6 O'zbekiston(Ўзбекистон)/Узбекистанская

ウズベキスタン駅。ウズベキスタンにとって綿花の存在は非常に欠かせないため、国の名を持つ駅にも綿花風のランプが使われています。

ホーム上部にはウズベキスタンの国章が。

3.2.7 Kosmonavtlar(Космонавтлар)/Космонавтов

「宇宙飛行士」の意。旧プロスペクト・コスモナーフトフ(宇宙飛行士通り)駅。

おそらくタシケントメトロではこことアリシェル・ナヴォイ駅が一番有名。

宇宙空間、宇宙主義を思わせる未来的なデザイン、天の川のような美しい天井の装飾、ソ連の宇宙開発の偉人のレリーフと、ソ連の宇宙に対する期待と理想、そして苦労と偉業を感じ取れる駅です。

美しい駅には、ソ連に関連する航空宇宙工学の偉人や宇宙飛行士、偉業を示すレリーフがはめ込まれています。

K・E・ツィオルコフスキー。ロシアの航空工学の権威。

世界初の情勢宇宙飛行士 V.V.テレシコワ

Y.A.ガガーリン 世界初の宇宙飛行士

我が郷の宇宙飛行士 V.A.ジャニベコフ
剛体の回転と慣性モーメントに関する効果「ジャニベコフ効果」で知られる。

A.A.レオノフの宇宙遊泳。
世界初の宇宙遊泳を行ったパイロットとして知られる。

ソユーズ-アポロン
おそらく1975年のアポロソユーズテスト計画のこと。

インターコスモス・プログラム。
ソ連主導で行われた、東側諸国による宇宙開発プロジェクトである。

最初の自動装置(月面探査車)「ルナホート-1」。
ソ連の開発した月面探査車両である。
描かれているのは月と擬人化されたルナホート-1。

人類・知能・宇宙

イカロス
ソ連航空宇宙工学の芸術ではイカロスがよく描かれるような。
(落ちるけどいいのか・・・?)

チーフデザイナ S.P.コロリョフ
過酷なシベリア抑留や身元の秘匿等、
長い間報われずも不屈の開発を行ったソ連宇宙開発の立役者で、
スプートニクやボストークの開発によってガガーリンの世界初の宇宙飛行に貢献した。
アメリカのフォンブラウンの実質のライバルである。

3.2.8 Oybek(Ойбек)

詩人ムーサ・タシュムハメドフのペンネーム「オイベク」の名を冠する駅。

ユヌサバード線ミングオリク駅との乗り換え駅。

3.2.9 Toshkent(Тошкент)/Ташкент

タシケント駅。タシケント中央駅に通じており、観光客が使う機会も多いと思われます。

青い陶器調の彫刻が特徴的です。

個人的にこの駅で気に入っているのが、ソ連時代のタシケントのエンブレム。

農業(綿花)と工業の発展による光がウズベキスタン全体を照らすような力強いデザインが大変美しいです。

エンブレムにはソ連時代の国旗のデザインも組み込まれています。

斜めから見ると立体的なアートであることがよくわかります。

3.2.10 Mashinasozlar(Машинасозлар)

「機械製作技師」の意。旧タシュセリマシュ駅。

茶色の柱に青いグラスのランプが映える、地味ながら美しい駅です。

3.2.11 Do'stlik(Дўстлик)

友好の意。旧チカロフスカヤ駅。一時期タシケントには諸民族友好駅、友好-1駅、友好-2(現テフノパールク駅)と友好に関する駅が三つもあるという状態でした。

3.3 Yunusobod yo'li(Юнусобод йўли)/ユヌサバード線

3.3.1 Turkiston(Туркистон)

2020年建設の新しい地下駅。

今回はシムケントからタシケント郊外へ降り、ここからメトロに乗りました。

駅のデザインとしてはウズベキスタン全土でリニューアルや新設されてきた国鉄の鉄道駅に趣向が似ています。

特に白い基礎の部分に青い紋様を施しているのはタシケント駅やサマルカンド駅と近いです。

3.3.2 Yunusobod(Юнусобод)

テュルキストン駅と同時期の開通。

タシケントメトロで唯一ホームが曲がっています。

3.3.3 Shahriston(Шаҳристон)

旧ハビブ・アブドゥラエフ駅。

タシケントメトロで唯一の相対式ホームです。車両の撮影には向いているかもしれません。

3.3.4 Bodomzor(Бодомзор)

六角形のイスラム紋様が美しいドーム型ホーム。

建築が新しいのもあり、ほどよく伝統的様式と近代的様式がミックスされてます。

Hamid Olimjonと同じく、天井を照らして明かりを確保する形式です。

3.3.5 Minor(Минор)

ホームの中央に柱が立つ形式の駅。

ふと思うとこの形式のホームもあまり多くないかもしれません(中心が通路で、両脇に柱があることが多い)。

3.3.6 Abdulla Qodiriy(Абдулла Қодирий)

ウズベキスタンの劇作家の名を冠する。

美しいランプと梁のような天井が着目点。

3.3.7 Yunus Rajabiy(Юнус Ражабий)

ウズベキスタンの音楽家の名を冠する。

チランザール線のアミールティムール広場駅への乗り換え駅です。

3.3.8 Ming O'rik(Минг Ўрик)

「千本のアプリコットの木々」という意味。

ウズベキスタン線オイベク駅への乗り換え駅です。

細やかなシャンデリアが特徴で、乗り換え用の階段で高いところからホームを見下ろせます。

3.4 延伸線の地上駅の様子

多種多様なデザインが施された地下鉄駅と異なり、新設された地上駅はどれも白く塗装された金属板を張り付けた、同じような外観をしています。経済的ですが地下駅ほどの見ごたえは無く、自分がどこの駅に居るのかさらにわかりにくいのが正直なところ。

ただ、建造時期によって複雑な芸術意匠から経済的なデザインに変化するように駅の趣向が大きく変わるのは、ソ連崩壊前後での経済体制の変化を感じます。

ちなみに、チランザール線の延伸区間にも古い車両は走ります。

これはこれで面白いかも。もちろん普通に揺れます。

4. おまけ:乗車時の様子

ギロチンドア開閉とトルキスタン駅からの乗車の様子を撮影したので、こちらに貼ります。

急速に閉まるドア・発車

トルキスタン駅~ユヌサバード駅の乗車

開閉時のアナウンスは「Ehtiyot bo'ling, eshiklar yopiladi. Keyingi bekat Yunusobod.(ご注意ください、ドアが閉まります。次の駅はユヌサバードです)」。

youtu.be

5. まとめ

というわけで、タシケントメトロの紹介でした。

全駅通り地下駅は全て降りたわけですが、ダイヤの感覚も東京の列車並に短いので観光に上手く組み込めば二日で可能です。

近年着目されているウズベキスタン観光ですが、タシケントに行くなら地下鉄は可能な限り楽しむべきポイントと思います。公共交通機関だからと味気ないイメージで適当に足と使うだけではあまりに勿体ない!

是非この不思議な地下世界をみなさんも楽しんでみてはいかがでしょうか。

では、次回はタシケントの街並みについて紹介しようと思います。