矢切の開発可能って本当?都市計画審議会のご報告、その2 (original) (raw)
(続き)矢切地区の地権者と物流倉庫側とで、土地の売買契約が進んでいる(多分、、、)中で、街づくりの方向性、面積で市内の約4分の1を占める調整区域の方向性を決める都市計画マスタープラン・調整区域編が審議されていきました。
そして、焦点となる矢切地域の中の特に6号線沿いについては、基本的には
「農地等の自然的環境の調和・保全と既存の生活環境の維持」との方針が出される一方で、
国道6号線及び東京外郭環状道路に近接したエリアについては、
「その立地特性を生かし、地域の農業振興との共存、周辺道路への交通負荷、景観との調和など周辺環境の配慮するほか、浸水リスクに対する防災対策を十分に行ったうえで、産業振興に資する計画的な土地利用を許容する
ことなどで地域の活性化を図ります。
との一見すると相反するような方針が出されました。
この太字部分をめぐって、議論が巻き起こりました。
これまでの議論を私なりに要約しますと
地権者側
農地を守るといっても後継者がいない。したがって、農地の管理も大変になってきている。こうした現状を分かってもらいたい。
「土地を売る」という地権者の権利も守ってもらいたい。
開発に反対する意見
日本の食料自給率の低さからも、さらなる農地の喪失は避けるべき
=開発を容認すべきではない!
物流倉庫側との売買契約の存在を知りながら、開発を容認していくのはいらぬ疑惑をまねく。市が特定の業者を有利にしているとみられる。
マスタープランに賛成の意見
全体的には、緑、農地を守るとなっている。
開発についても、同様な開発なら容認していくかといった具体的な指針は、今後のガイドライン策定の中で決めていくので、今回のマスタープランが可決したからといってすぐに物流倉庫が建つわけではない。
主にこうした意見があったと思っています。
採決前に、「矢切地区を除いた修正案」の提出!
こうした議論がある中、採決の日である28日、委員である関根ジロー議員から、今回のマスタープラン案から、矢切地区を除いた修正案が提案されました。
今回のマスタープラン案の審議の後半では、議論はほぼ矢切地区となっていましたので、矢切地区だけはもう少し議論が必要と考え、私もこの修正案に賛成しました。
しかし採決の結果、残念ながら修正案は否決となってしまいました。
マスタープラン案の採決が行われ、、、、
続いて、マスタープラン案についての採決が行われ、私は反対をしましたが、採決の結果は賛成多数で可決となりました。
なぜ反対?
この日の審議の中で、意見として私が話したことを書きます。
今回のマスタープラン案について、全体としては賛成。基本方針の緑、農地の保全も市街化を抑制するという調整区域の目的にも合致していると考えます。
なので、今回のマスタープランは、決して開発を容認していくものではなく、物流倉庫など、具体的な用途については、今後のガイドライン策定で議論され決めていくものと認識しています。
しかし、こうした審議会での認識とはうらはらに、これまでを見てみると、報道では「開発容認へ!」と出てしまうことは想像できます。
こうした報道から、現行でも調整区域内でも、農地以外、例えば雑種地などの購入は法的に出来るので、一部、物流倉庫側との間で実際に売買がなされてしまうのではないかと考える。
そうすると、今後のガイドラインでの協議において、どうした開発なら容認していくかと考え、その結果、たとえば、道の駅など農業にもプラスとなるような開発なら積極的に認めていこうとしても、物流倉庫側が実際に地権者となっていれば、難しくなってしまうのではないか、そうしたリスクはあるのではないか。と話しました。
原ゆうじの考え!
地権者の権利は当然守らなくてはいけないと思います。
(実は、我が家も調整区域の旭町に少しですが土地を持っています)
又、上矢切地区は水田がメインですので、これを守る。採算を図っていくのは、非常に厳しいとも思います。
畑にするには、土を入れ替え、さらに1~2年は土を寝かさないと、売れるような野菜は育たないとも以前、農家の方から聞いています。
かと言って、出来れば農地、緑、景観も守らなくてはならない。
そこで、市が一旦、公共用地として購入していくのも一考かと思っています。
現行の物流倉庫との売買契約を見てみても、その値段であれば、市街化地域と比べれば格安なので、現実的であるとも思います。
そして、例えば道の駅、農業関連の施設誘致、農地として希望者に貸し出し。あるいは一旦スポーツグランドでの運用などはどうかと思います。
又、そもそも上矢切だけの問題でもないような気もしています。
矢切地区全体をどうするのか?が重要です。
東京に最も近い100ヘクタール以上の一連の土地です。その価値は莫大と思います。
地権者の権利を守りつつ、どのようにしていくのか?
今後のガイドライン策定の中で、考えを述べていきたいと思っています。