小さな汽車と小鳥の瞳 (original) (raw)

煙室前面です。

ベースは丸棒から切削し孔を開けたもの。
孔は割り出し機を用いてセンタードリルで位置を出し、ボール板で開けました。
外周のボルトとクリート孔はどちらも径0.35です。
煙室扉は旋盤でヤスリで形を作りました。
ナンバープレートは数字の入った適当なパーツがなかったので、旋盤で切削したベースにダルマヤの切抜数字を貼りました。
それにしてもツールマークがひどいです。刃物台を調整しないとまずいレベルです。

煙室扉には先にヒンジをつけてしまいます。
板の上に方眼紙を挟んでネジで固定し、帯板とパイプを組み合わせ、上下を線材で繋げた形で付けます。
まず仮固定し、良ければ0.3でピンを打ってハンダを流しました。
傷が多くなっているのは仮固定を何度かやり直した時に傷つけたからです。

クリートは自作です。
まずt0.4に0.35の孔を並べて開けます。
間隔は少々ずれても構いませんが、後の仕上げに関わるので一直線になるようには気をつけます。
孔を開けたら孔のギリギリまで削ります。
次にt0.2を少しずらして貼り合わせ、孔を開け直して0.35線を差し込んだら出来上がり。
あとは切り出して一つ一つヤスリで形を整えました。
この作業は面倒で気が滅入りますが、ある程度の数をまとめてやってしまった方が形が揃いやすいです。

完成です。
ベースと扉は中心部で1.5x1.0のパイプで繋ぎました。
ヒンジはずれないように軽くとめる程度です。
クリートはロックタイトで固定しました。
実際にクリートが扉をガッチリと固定してくれます。
1箇所、クリートの位置を調整する前にロックタイトが固着してしまって焦りました。
どうやっても外れません。熱を加えればいいのですが、この状態で加熱するわけにもいかず、根元で切断して孔を開け直しました。
ロックタイトの強力さを再確認した次第です。
煙突、ドーム類はトビー製品のパーツをそのまま使います。
これもお友達に頂いたもの。大いに助かりました。

上回りが一段落したところで、後回しにしていたロッカーアームとガイドヨークに着手しました。

ロッカーアームは以前手掛けて中断していた8100ジャンクキット改造の時に作ったものをそのまま流用して省力化できました。

ここで大問題が発覚。
ちゃんと模型化設計図を書かずに適当に形式図から寸法だけ拾って作ってきたツケが回ってきたのです。
まず弁室の高さが高すぎで、どう考えてもロッカーアームからバルブロッドを入れることができません。
やむを得ず弁室を外し、各部削って高さを下げました。
これでもバルブロッドの穴は弁室の最低位置になり、何ともみっともなくなってしまいました。

最初に作ったものと比べると2mmほども低くしました。
いい加減な工作の見本です。

次は全体の高さの修正。
上下を合わせてみると、どうも車高が低く見えます。
形式図に載せてみたり、見本にしているトビーの製品と並べたりしてみてもしっくりきません。
考えた末、無理のない範囲で車高を上げることにしました。
単純な加工でできる範囲として、キャブ取付板の下に0.5mmのスペーサーを入れる、煙室サドルの受けが0.3mm板であったことが幸し、0.5mmを貼り足しました。
これで0.5mmの車高上げができました。
もう少し上げたかったところですが、色々と触る部分ができてしまうため断念しました。
この辺の修正は試行錯誤のやっつけ工作の連続で記録写真を撮っている余裕はありませんでした。
ガイドヨークは0.5洋白から切り出しました。
これも現物の寸法を図りながら、あちこち削って合わせるという拙い手法です。
上手くはめ込めた所で動かしてると全く回りません。
シリンダーブロックをいじくり回しているうちにスライドバーが傾いてしまい、それをガイドヨークで無理やり押さえつける形になってクロスヘッドが滑らなくなったためでした。
これも何度か組んでは削りを繰り返して、ようやく転がりテストで合格するまでにすることができました。
あ〜疲れた。

今回での教訓。
今更ですが、事前にちゃんと図面を書いて検討すべし!

キャブ内の作業の邪魔になるかとこれまで放置してあったキャブの後妻板をつけました。

ここまできて、ポカをやらかしていることに気づきました。

矢印部にはRがあるべきなのに、直角に削ってしまっています。

同じ厚みの板を貼って、かろうじて誤魔化しました。
イモ付けでは心許ないのでt0.2で裏打ちしてあります。
よく見ると裏打ちが目立ちますが、やむを得ません。

次はバックプレートです。

バックプレートはt2から削って角の丸みを出しました。
t2ではハンダ付けするのに難儀するため、裏は厚み0.5ぐらいまで削り取りました。

屋根はt0.5を曲げました。
屋根をキャブに固定するためと、屋根カーブの変形を防ぐため、補強の骨組みを入れます。
前後の梁はt1を現物合わせで削って作りました。
妻板のカーブに極力合わせることと、窓にかかる部分を切除することぐらいに気をつければいいだけの単純な作業で、難しくはありません。
後梁ができたら、次も現物合わせで洋白の1mm角線で縦梁を作ります。
これは前後梁が固くはまり込む長さに調節します。

わずかに長めの方が、後から修正しやすいので無難です。短すぎたらやり直しになります。
仮とめしながら何とかして梁を組み上げます。

梁がキャブにきつめにはまり込むことを確認したら、屋根と合体させます。
この方式で屋根を嵌め込むと、少々のことでは屋根は外れません。

屋根には雨樋(0.35線)、天窓をつけました。
天窓は弁室の予備がちょうどいい寸法だったので、少し削り直して利用しました。

後ろから見たら、開口部が大きくてバックプレートがよく見えます。
バックプレートのディテールを付ける楽しみができました。

少々季節外れになってしまいましたが、今年の4〜6月に撮影した小鳥たちです。

桜とメジロ

桜の蜜を吸うヒヨドリ

ビンズイ(多分)

キビタキ

オオルリ

シリンダーのステイにシリンダーを取り付けます。
頭の薄いM1.4ネジを真鍮で作り、ステイは少し窪ませてネジを埋め込むようにシリンダーを組み付けます。その後ハンダで固めてしまい、少し飛び出した頭部はヤスって平にしておきます。

弁室は一体で切削したものです。
ボイラー座もこのタイミングで固定することになります。
狭い範囲にブロックがいくつか集中するため、不用意にハンダでつけようとすると隣が外れてしまいます。
面倒ですが、低温ハンダで仮とめ、その状態でピンを打つ穴をあけ、一度外してピンを差し込んで、しっかりと固定する、という流れで行いました。

バブルロッドとピストン棒の穴(正式には何て呼ぶんでしょう。ピストン棒案内とかでいいのかな)にはパイプ類を使って簡単に表現しました。

これでシリンダーブロックが完成したので、試運転をしてみました。

youtu.be

前端梁はt0.3を曲げて作りました。
4030は自連化前の1923年に廃車されてしまいましたが、ここではその後も生き残って入換や小運転に従事したという設定にしました。
そのためバッファー跡が残っています。
いろんな資料写真を見ていると、バッファー跡がそのまま残っているケースは少なく、貨車ではよく見られますが機関車では多くありません。
それでも個人的にはこのバッファー跡の雰囲気が好きなので付けました。


カプラーはIMONのHO-106を使いました。ナックルが上方にセットされた低床用のものです。取付ネジはM1.4ですが、この機関車で想定される列車には充分な強度だと思います。
長さ4.5mmのネジを使うと台枠の繋ぎ板の板厚(1mm)の間でネジを締めることができます。

KATOの490R上で連結状態を確認しました。
伸縮カプラーのおかげで接触することはなさそうです。
貨車側はナックルの大きなKDですが、両者は問題なく連結できています。

デッキ板を付けました。
カプラーのネジで上方に押されている様子はありません。

後端梁は無垢材としました。
フラットバーは加工しにくいので丸棒からの削り出しです。
縦にいくつか穴を開けてあるのは、少しでもハンダつけしやすいようにという理由です。
ハンダが流しやすいかと言われるとかなり微妙な感覚でしたが、付けた後の冷却時間は明らかに短かったです。無垢材がいつまでも熱を保って固定の手を緩めた時にずれるという事故は起こりませんでした。

後部も同じようにIMONのHO-106です。

こちらも490R上での連結状態を確認。キャブの張り出しの分だけ車間が少なくなりますが、接触はなさそうです。

サイドタンク内にはウエイトを納める造作をします。

ネジを切った取付台をタンク天板に付け、ウエイトを下方よりネジでとめます。
今回はタンク幅が狭くてウエイトが薄くなるため、M1.4を使いました。

サイドタンクのディテールもこの時点で付けてしまいました。
あとからだとハンダコテが入れにくいからです。

ディテールと言ってもステップと注水口蓋だけです。注水口蓋はお友達から頂いた特製のロストです。タンク肩のRに合わせて湾曲しているのがミソです。自作するとなると結構大変なので助かりました。
内側には

上から覗いて空間が見えないように側板を1部だけ貼りました。

最後は、タンク台の表現です。

横からの写真を見ると結構な厚みのある板がタンク台とされているのがわかるので、それをt0.8で表現します。板を貼るだけなら簡単なんですが、下を塞いてしまうと何かと不都合なので大きく切り欠きました。

タンクを上回りに接合します。

接合には径1.0で挽き出したピンとt0.6のスペーサーを用います。
慎重に位置合わせすればほぼ修正なくタンクの位置が決まります。
少々のズレなら穴を少し修正することで対応できます。

サイドタンクが付きました。
前方でタンクの内側で帯板を曲げたステイで補強してあります。
実機でもこの部分はよく見えない場所になり、資料写真で確認できることはあまりありません。
ただこれだけでは強度が心許ないので、内側の見えないところで乱雑ですが補強してあります。

4030のサイドタンクは形式図でもタンク上辺がキャブ窓にかかっています。
その辺が雰囲気を出すポイントではないかと思っています。
横から見るとキャブとの間に隙間がちゃんとできて満足。

やっと形が見えてきました。